坂井のどか

旅先の出来事とか、好きな美味とかを好きに書き散らしとく。 2024年1月『もののふうさ…

坂井のどか

旅先の出来事とか、好きな美味とかを好きに書き散らしとく。 2024年1月『もののふうさぎ!』刊行。文芸社文庫NEO小説大賞の優秀賞をいただいた、剣術の部活青春小説。

マガジン

  • 中国放浪の旅

    バックパッカーとして中国のあちこちをふらふら旅した時の記録。

  • 【ベトナム】旅と美味美味

    ベトナムの美味と旅の思い出

  • 【沖縄】旅と美味美味

    沖縄で出会った美味美味。我が生涯最高のステーキ、ジンベエザメ先輩へのあこがれ、もずくの天ぷら、抱腹絶倒のハブ博物公園!

  • シルクロードと美味美味

    中国放浪中、シルクロードで出会った美味とか楽しい体験とかいろいろ。

  • 北温泉(那須)

    那須の奥の北温泉をこよなく愛する秘湯記。アメニティなどない、電波もない、まさに昔ながらの湯治場たる、温泉素人おことわりの玄人むけ秘湯。

記事一覧

【青森】その1 弘前・さくら祭と、悠久のまったり喫茶店

  ほぼ葉桜だらけの、さくら祭を楽しんできたよ。  関東圏なら4月初旬が桜の季節。  本州最北端の青森県なら、ゴールデンウィークの時期こそが満開の時期……だった…

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【中国】雲南へのゆっくり旅行と列車の女帝

 どうせなら、ゆっくり走る列車で旅をしたい。  数日前に成都を経って、じっくり南下し、高くて綺麗で速い列車は避けて、なるべく安くて遅いのを選んで乗り継ぐ。  目的…

坂井のどか
2週間前
8

【ハノイ】ベトナムその6 ベトナムのつけ麺と、たまごコーヒー

 ベトナム最後の夜を、美味しいご飯でわいわい過ごす。 〔ブン・チャー〕というのは、ベトナムのつけ麺みたいなもの。  当然のように、麺は米粉。 ◯  夕方、Yさん…

坂井のどか
2週間前
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【ハノイ】 ベトナムその5 戦争の歴史と、地元スーパー

 ベトナム滞在、最終日。  三泊四日は、やっぱり短すぎた。  K美さんはあまり食欲がないようで、コンビニで調達しておいたポカリだけで済ました。  わたしはふらりと…

坂井のどか
4週間前
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【ダナン】 ベトナムその4 風流なる水郷・ホイアン旧市街

「夜だったら、めっさ風流だっただろうね……」  ホイアン旧市街は、中国風の灯籠がたくさんぶらさがっている水郷だ。  川だか運河だか、とにかくかつては水運による貿易…

坂井のどか
1か月前
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【ダナン】 ベトナムその3 五行山・あるいは秘密結社の要塞?

 日本に例えるなら、東京から広島あたりへ日帰り旅行するようなもの。  片道1時間半のフライトで、その日のうちに戻ってくる強行軍。  K美さんは超絶寝不足。  わた…

坂井のどか
1か月前
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【ハノイ】 ベトナムその2 ベトナム料理三昧と、おしゃべりし過ぎの夜

 雨に降りけむるベトナム・ハノイの初日を、のんびりホテルの一室ですごす。  仕事が立て込んでいるのか、ハノイ在住の友達・Yさんからの連絡はない。 「ま、気長に待と…

坂井のどか
1か月前
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【新宿】上海小吃 ガチ中のガチ中華と、NEO作家4人娘参上!

 歌舞伎町の表通りから、細い裏路地を通ったその先にある、ガチ中のガチ中華。 「龍が如くに、こんな風景あったよなー」  通常なら、まず自分から入ろうとは思わない、危…

坂井のどか
1か月前
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【ハノイ】ベトナムその1 庶民的フォーのお店

 ベトナムが、大好きになった。  ご飯はヘルシーで美味しいし、なにより、ベトナム人は超絶親切な人が多かったから。 ◯  友達のYさんが仕事でハノイに赴任している…

坂井のどか
2か月前
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今週はサボると決めました

親知らずを抜いたら、noteどころじゃなくなったので、今週はサボります。

坂井のどか
2か月前
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【沖縄】その7 沖縄最後の夜と、琉球の音色

「龍が如く3の世界、そのまんまだなー」  最後の夜は、国際通りの飲み屋さんでしめくくろうと思っていた。  ふらり、予備知識もなく入ったそのお店は〔沖縄料理ちぬま…

坂井のどか
2か月前
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【沖縄】その6 笑い死に寸前!『ハブショー』

「お前、毒もってんのかー? いえす・あい・はぶ!」  ハブ博物公園のチケット売り場にて、夫(当時は彼氏)が放った、必殺の駄洒落だ。  わたしは苦笑で済ませたが、受…

坂井のどか
2か月前
9

【沖縄】その5 バンジーそば

 ダイビングを楽しんだ後の、お昼。  昨日は道の駅でソーキソバを食べてはいたものの、せっかくだから有名店でも食べたいと考えていた。  なので、あらかじめ調べてお…

坂井のどか
2か月前
9

【沖縄】その4 荒波ダイビング

 2月だし、いくら沖縄でも、ビーチで「きゃっきゃ」とはしゃげないんだよね。  でも、海には入りたい。  ……そうだ、ダイビングなら、季節を問わず海へ突撃できるじゃ…

坂井のどか
3か月前
11

【沖縄】その3 憧れのジンベエザメ先輩

 沖縄2日目。  この日以来、わたしはジンベエザメを、尊敬することに決めた。  だから「ジンベエザメ先輩」と呼ぶことにした。 ◯  ちゅらうみ水族館は、とても広大…

坂井のどか
3か月前
9

【沖縄】その2 日本一の道の駅と、もずく天ぷら

 沖縄では、3泊もする予定なのだ。  宿泊費はなるべく安く……ということで、二人で1万円以内におさまる安宿を利用していた。  ショートステイのアパートみたいな作り…

坂井のどか
3か月前
9
【青森】その1 弘前・さくら祭と、悠久のまったり喫茶店

【青森】その1 弘前・さくら祭と、悠久のまったり喫茶店

 

ほぼ葉桜だらけの、さくら祭を楽しんできたよ。

 関東圏なら4月初旬が桜の季節。
 本州最北端の青森県なら、ゴールデンウィークの時期こそが満開の時期……だったらしいけど、開花が年々早まっていて、わたしが行った時はもはやほぼ葉桜。
 桜の品種によっては、咲いている木もちらほら。

「以前は、雪が残っている中で、今の時期が一番の見頃でしたけど……」
 とは、青森の書店員さんからの情報。
 ほんと

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【中国】雲南へのゆっくり旅行と列車の女帝

【中国】雲南へのゆっくり旅行と列車の女帝

 どうせなら、ゆっくり走る列車で旅をしたい。
 数日前に成都を経って、じっくり南下し、高くて綺麗で速い列車は避けて、なるべく安くて遅いのを選んで乗り継ぐ。
 目的地は、雲南省の大理。
「中国をバックパッカーでめぐるなら、絶対に行っとけ。あそこは、パラダイスだ」
 旅の途中で知り合った欧米人に、そんなアドバイスをもらったもので。



 そんな、パラダイスと名高い大理へと向かう道中は、どうせなら急

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【ハノイ】ベトナムその6 ベトナムのつけ麺と、たまごコーヒー

【ハノイ】ベトナムその6 ベトナムのつけ麺と、たまごコーヒー

 ベトナム最後の夜を、美味しいご飯でわいわい過ごす。

〔ブン・チャー〕というのは、ベトナムのつけ麺みたいなもの。
 当然のように、麺は米粉。



 夕方、Yさん達とわいわいおしゃべりしながら、夕食へ向かう。
 時に細い路地を通り抜けたり、あちこちぐねぐね曲がったり、ついに辿り着いた先は、とても庶民的で安い感じの、小さな食堂だった。
 変に小綺麗な店より、こういうところこそ大好き。
 人によっ

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【ハノイ】 ベトナムその5 戦争の歴史と、地元スーパー

【ハノイ】 ベトナムその5 戦争の歴史と、地元スーパー

 ベトナム滞在、最終日。
 三泊四日は、やっぱり短すぎた。

 K美さんはあまり食欲がないようで、コンビニで調達しておいたポカリだけで済ました。
 わたしはふらりと外へ出て、すぐ近所にあった軽食屋さんへ。
 現金は最低限でよかろう、と1万円しか両替していなかったので、財布の中身がわびしい。
 看板をみると〔バイン・ミー〕というのが、どうにかギリ買えそうなお値段。

 バイン・ミーは、わかりやすく例

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【ダナン】 ベトナムその4 風流なる水郷・ホイアン旧市街

【ダナン】 ベトナムその4 風流なる水郷・ホイアン旧市街

「夜だったら、めっさ風流だっただろうね……」
 ホイアン旧市街は、中国風の灯籠がたくさんぶらさがっている水郷だ。
 川だか運河だか、とにかくかつては水運による貿易がさかんだった街で、両岸に中国風の建物がならんでいる。

 残念なことに、わたし達は日帰り。
 夜まで悠長に過ごしているわけにはいかない。



 まずはお昼ご飯。
 ベトナム料理は、大まかに調べてある。
「ホイアンなら、カオ・ルーだ!

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【ダナン】 ベトナムその3 五行山・あるいは秘密結社の要塞?

【ダナン】 ベトナムその3 五行山・あるいは秘密結社の要塞?

 日本に例えるなら、東京から広島あたりへ日帰り旅行するようなもの。
 片道1時間半のフライトで、その日のうちに戻ってくる強行軍。

 K美さんは超絶寝不足。
 わたしの咳が一晩中ずっと鳴り止まなかったらしい(寝てたので自覚なし)。

 一路、風雅な伝統的土地である、ダナンへ。



〔五行山〕と聞くと、西遊記的イメージがふくらんで、わくわくする。
 その名の通り、だいたい5つくらいの険しい岩山が

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【ハノイ】 ベトナムその2 ベトナム料理三昧と、おしゃべりし過ぎの夜

【ハノイ】 ベトナムその2 ベトナム料理三昧と、おしゃべりし過ぎの夜

 雨に降りけむるベトナム・ハノイの初日を、のんびりホテルの一室ですごす。
 仕事が立て込んでいるのか、ハノイ在住の友達・Yさんからの連絡はない。
「ま、気長に待とうよ」
 友達と言い合いながら読書をつづけて、20時。



〔Ngon Garden〕というレストランで、三人ひさびさの再会。
 ンで始まる店名とは……と思っていると、Yさんが解説をしてくれた。
「このNgonという言葉はね、美味しい

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【新宿】上海小吃 ガチ中のガチ中華と、NEO作家4人娘参上!

【新宿】上海小吃 ガチ中のガチ中華と、NEO作家4人娘参上!

 歌舞伎町の表通りから、細い裏路地を通ったその先にある、ガチ中のガチ中華。
「龍が如くに、こんな風景あったよなー」
 通常なら、まず自分から入ろうとは思わない、危険な雰囲気。

 その裏路地の先に〔上海小吃〕がある。



 文芸社文庫NEOという、10代20代向けのライト文芸のレーベルがありまして。
 そのNEO作家さん仲間4人で、
「今度あつまろうよ!」
 となりまして。

・位ノ花薫さん…

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【ハノイ】ベトナムその1 庶民的フォーのお店

【ハノイ】ベトナムその1 庶民的フォーのお店

 ベトナムが、大好きになった。
 ご飯はヘルシーで美味しいし、なにより、ベトナム人は超絶親切な人が多かったから。



 友達のYさんが仕事でハノイに赴任している。
 任期が終わるまでの数年のうちに、一度は遊びに行こう、と共通の友達・K美さんと約束していたのだ。

 宿泊は五つ星の〔メリア・ハノイ〕で、とにかく清潔で居心地がよかった。
 これはK美さんに選んでもらったものだけど、もし宿泊担当がわ

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今週はサボると決めました

親知らずを抜いたら、noteどころじゃなくなったので、今週はサボります。

【沖縄】その7 沖縄最後の夜と、琉球の音色

【沖縄】その7 沖縄最後の夜と、琉球の音色

「龍が如く3の世界、そのまんまだなー」
 最後の夜は、国際通りの飲み屋さんでしめくくろうと思っていた。

 ふらり、予備知識もなく入ったそのお店は〔沖縄料理ちぬまん〕とあって、店内はとても賑わっている。
 二人とも、そんなにお酒は飲めないから、店員さんおすすめの泡盛を二人で分けて、ちびちび飲って、あとはソフトドリンクに逃げるばかりだが、料理はほんと、どれも満足のゆくものばかり。
 そりゃそうだ、ゴ

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【沖縄】その6 笑い死に寸前!『ハブショー』

【沖縄】その6 笑い死に寸前!『ハブショー』

「お前、毒もってんのかー? いえす・あい・はぶ!」
 ハブ博物公園のチケット売り場にて、夫(当時は彼氏)が放った、必殺の駄洒落だ。
 わたしは苦笑で済ませたが、受付のお姉さんは、なんと想定外の大笑いで、
「えええ……?」
 信じられない光景を見たような顔のわたしに、彼のドヤ顔が炸裂した。



 かなりお気軽すぎの「ザ・観光」って感じで、ダサいかなー、と思いつつ〔おきなわワールド〕なんて場所へ行

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【沖縄】その5 バンジーそば

【沖縄】その5 バンジーそば

 ダイビングを楽しんだ後の、お昼。

 昨日は道の駅でソーキソバを食べてはいたものの、せっかくだから有名店でも食べたいと考えていた。
 なので、あらかじめ調べておいて〔山田水車屋〕というお店をお昼の予定にくむことにした。

 ところがいざ立ち寄ってみると、
「バンジーそば……え、めっちゃ楽しそう!」
 名物のソーキそばに加え、名物の手作りバンジーもセットになった食券が1000円!
 その手作りバン

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【沖縄】その4 荒波ダイビング

【沖縄】その4 荒波ダイビング

 2月だし、いくら沖縄でも、ビーチで「きゃっきゃ」とはしゃげないんだよね。
 でも、海には入りたい。
 ……そうだ、ダイビングなら、季節を問わず海へ突撃できるじゃないか!

「俺、なんか出川っぽくないか?」
 ウェットスーツを着た、当時は入籍前だった夫の感想に、
「……さ、行こうよ。他のお客さんを待たせちゃいけないしね」
 率直な意見を避けたわたしは、ささっと船へと急いだ。

 本来は〔青の洞窟〕

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【沖縄】その3 憧れのジンベエザメ先輩

【沖縄】その3 憧れのジンベエザメ先輩

 沖縄2日目。
 この日以来、わたしはジンベエザメを、尊敬することに決めた。
 だから「ジンベエザメ先輩」と呼ぶことにした。



 ちゅらうみ水族館は、とても広大で、入り口ではさっそく、ジンベエザメの銅像が出迎えてくれる。
 これだけでも、ジンベエザメの雄大さの一端が味わえるというものだ。
 見どころなんて、当然語り尽くせないので、すっぱり割愛するにしても、どうしても外してはいけないのが、そう

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【沖縄】その2 日本一の道の駅と、もずく天ぷら

【沖縄】その2 日本一の道の駅と、もずく天ぷら

 沖縄では、3泊もする予定なのだ。
 宿泊費はなるべく安く……ということで、二人で1万円以内におさまる安宿を利用していた。
 ショートステイのアパートみたいな作りで、ダブルベッドが、ででーんとある他は、簡易キッチンと小さなトイレの組み合わせ。
 レンタカーは航空機とセットのプランで、やっぱり割安で利用できた。
 沖縄はレンタカーがないと、移動がほぼ不可能に近いし、実際、水族館などの観光地へ行くと、

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