坂井のどか

旅先の出来事とか、好きな美味とかを好きに書き散らしとく。 2024年1月『もののふうさ…

坂井のどか

旅先の出来事とか、好きな美味とかを好きに書き散らしとく。 2024年1月『もののふうさぎ!』刊行。文芸社文庫NEO小説大賞の優秀賞をいただいた、剣術の部活青春小説。

マガジン

  • 信州上田の旅と美味

    長野県上田を愛してやまない。温泉、蕎麦、その他上田の魅力を語り放題語りまくる。

  • 青森をめぐり味わう

    青森のあれやこれやを味わいまくる。でも実質は好きな小説の聖地巡礼。

  • 中国放浪の旅

    バックパッカーとして中国のあちこちをふらふら旅した時の記録。

  • 【ベトナム】旅と美味美味

    ベトナムの美味と旅の思い出

  • 【沖縄】旅と美味美味

    沖縄で出会った美味美味。我が生涯最高のステーキ、ジンベエザメ先輩へのあこがれ、もずくの天ぷら、抱腹絶倒のハブ博物公園!

記事一覧

【上田】ジビエの鹿肉 マルコポーロ

 何度も訪問しまくり、20回を超えたあたりで数えるのをやめた、長野県上田市。  次に上田へ行くのなら、ジビエの鹿肉を食べさせてくれる〔マルコポーロ〕を訪れよう、と…

7

【作ってみよう!】でかプリン・抹茶味

 世間には「バケツプリン」なるものが存在する。  けど、買うと高い。  なので、コストパフォーマンスを重視してみた結果、こう考えた。 「そうだ、業務用スーパーでプ…

坂井のどか
13日前
6

【なまずの天ぷら】川魚料理・林屋 たんぱくで上品な味わい

 なまずは生臭そうだし泥臭そう。  もしそんなイメージを持っているなら、ぜひとも実食してほしい。  そして感動してほしい!  余計なお世話って気がすごくするけど、…

坂井のどか
2週間前
10

【ステーキ】肉の番人 赤身の旨さで勝負だ!

「つくばのショッピングモールで、タイフェスやってるから行こうよ」  友達からの誘いに、つくばまで車を飛ばしたある日のこと。  結論から言うと、タイフェスは思ったほ…

坂井のどか
1か月前
12

【浅草】天藤 くせになる天ぷら屋さんと、浅草寺の四万六千日

 浅草の〔天藤〕のことは、前にもここで書いたことあるけど……。  また行っちまったので、しょうがない。  行ったお店が重複すること、このエッセイではよくあることな…

坂井のどか
1か月前
6

【神保町】びゃんびゃん麺 文字面のインパクトよ

 びゃんびゃん麺。  中国の伝統的な、平たい麺だけど、漢字が出てこない。  どうやら中国では3番目に画数の多い漢字らしい。(や、その上があるってどういうこと!?)…

坂井のどか
1か月前
10

【日本橋】たいめいけん 日本一の王道オムライス

 とても久しぶりに〔たいめいけん〕へ行ってみた。  日本でも屈指の有名洋食やさん。  特にそこのオムライスは、あまりに絶品なのだ。 ◯  大学生になったばかりの仲…

坂井のどか
1か月前
26

【浅草】並木藪 江戸っ子の粋なお蕎麦

 通、というほどではないけれど、蕎麦が好き。  スーパーで売っている乾麺の蕎麦でも、喜んで食べるくらいだから、蕎麦通の人には顔をしかめられるかもしれないけれど。 …

坂井のどか
2か月前
15

【パンダ】中国の白酒でカクテルを作る

 今度、とある作家さんのスペースに参加しつつ、それぞれにお酒を飲むという趣向がありまして。  いつもお世話になっていて、姉御と慕う作家さんなのだ。 「そうだ、せっ…

坂井のどか
2か月前
6

落選した時こそ、焼肉だ!

 嬉しいことや、頑張ったことのご褒美に食べる、それが焼肉。  何かをお祝いしたい時には、みんな食べに行く焼肉。  でも、わたしの場合は逆なのだ。  落選焼肉が、わ…

坂井のどか
2か月前
13

【青森】その5 さよなら青森また会う日まで

 地元おこし、というのはとても難しい事業だと思うけれど、成功を収めた例も確実にある。  青森の外ヶ浜にある〔マツオスーパー〕が、そのひとつだ。  青森が産んだ作…

坂井のどか
2か月前
20

【青森】その4 とりやす まんぷく焼き鳥定食と、ねぶたの大迫力

 ねぶたは、日本の三大祭と言われている。  その時期にホテルを取るなら、一年前からの予約が必要とか!  今年の1月に予約サイトで調べたら、どうりでどこも満杯だった…

坂井のどか
3か月前
22

【青森】その3 渋いチョイスのジェラート トウモロコシとよもぎ

「わたし史上、最北端のビーチ……」  北に向かって拡がる海辺の、波打ち際に立って、わたしは感慨深く景色を堪能した。  前にも述べた通り、この青森旅行は、風祭千さ…

坂井のどか
3か月前
17

【青森】その2 わくわく車中泊と、海鮮のっけ丼

 夜の青森市街を歩く。  車中泊の体勢へはいるまえに、市街地の雰囲気を味わいつつ、青森が産んだ作家・風祭千さんのおすすめ中国料理店へ。  中華料理というよりは、高…

坂井のどか
3か月前
33

【青森】その1 弘前・さくら祭と、悠久のまったり喫茶店

  ほぼ葉桜だらけの、さくら祭を楽しんできたよ。  関東圏なら4月初旬が桜の季節。  本州最北端の青森県なら、ゴールデンウィークの時期こそが満開の時期……だった…

坂井のどか
3か月前
28

【中国】雲南へのゆっくり旅行と列車の女帝

 どうせなら、ゆっくり走る列車で旅をしたい。  数日前に成都を経って、じっくり南下し、高くて綺麗で速い列車は避けて、なるべく安くて遅いのを選んで乗り継ぐ。  目的…

坂井のどか
3か月前
11
【上田】ジビエの鹿肉 マルコポーロ

【上田】ジビエの鹿肉 マルコポーロ

 何度も訪問しまくり、20回を超えたあたりで数えるのをやめた、長野県上田市。
 次に上田へ行くのなら、ジビエの鹿肉を食べさせてくれる〔マルコポーロ〕を訪れよう、と心に決めていた。
 信州といえば馬肉が有名だけど、猟師さんが獲った鹿肉まで食べることができるとは……。

 今度の上田訪問は、いちおうお仕事。
 別所温泉駅まで上田電鉄で行ってみたり(はじめて乗った)、いつも行きそびれていた足湯を堪能して

もっとみる
【作ってみよう!】でかプリン・抹茶味

【作ってみよう!】でかプリン・抹茶味

 世間には「バケツプリン」なるものが存在する。
 けど、買うと高い。
 なので、コストパフォーマンスを重視してみた結果、こう考えた。
「そうだ、業務用スーパーでプリンの素を買って、自分で作ろう!」

 ところがいざ購入してみると、値段が思いのほか高かった……
 バケツプリンはおよそ1500円。
 業務用スーパーにあったプリンの素は、2500円。
 しかし、わたしは脳内で高速に損得勘定をはじきだした

もっとみる
【なまずの天ぷら】川魚料理・林屋 たんぱくで上品な味わい

【なまずの天ぷら】川魚料理・林屋 たんぱくで上品な味わい

 なまずは生臭そうだし泥臭そう。
 もしそんなイメージを持っているなら、ぜひとも実食してほしい。
 そして感動してほしい!
 余計なお世話って気がすごくするけど、わたしは実際に食べて、そして考えを改めた!

 群馬県、板倉町にある雷電神社のおひざもと。
〔川魚料理・林屋〕という古びた食堂では、その「なまずの天ぷら」を食べさせてくれるのだ。
 雷電神社の鳥居のすぐ脇にある、田舎の風情ただようお店で、

もっとみる
【ステーキ】肉の番人 赤身の旨さで勝負だ!

【ステーキ】肉の番人 赤身の旨さで勝負だ!

「つくばのショッピングモールで、タイフェスやってるから行こうよ」
 友達からの誘いに、つくばまで車を飛ばしたある日のこと。
 結論から言うと、タイフェスは思ったほどの規模じゃなかった。
 毎年、大規模なタイフェスをやっている代々木公園のような広さはなく、ショッピングモールの一部エリアでの開催だから、まあこれは仕方がない。
 いつもは東京で会っている友達と、つくばで合流するなんて珍しいことではあるの

もっとみる
【浅草】天藤 くせになる天ぷら屋さんと、浅草寺の四万六千日

【浅草】天藤 くせになる天ぷら屋さんと、浅草寺の四万六千日

 浅草の〔天藤〕のことは、前にもここで書いたことあるけど……。
 また行っちまったので、しょうがない。
 行ったお店が重複すること、このエッセイではよくあることなので。

 毎年のこの時期は、浅草寺の〔四万六千日〕があって、この日にお参りすると通常の四万六千倍のご利益があるそうだ。
 一説によると、一升瓶の中にある米粒の数が四万六千粒というので、そこにちなんでいるとか……。
(小説で身を立てること

もっとみる
【神保町】びゃんびゃん麺 文字面のインパクトよ

【神保町】びゃんびゃん麺 文字面のインパクトよ

 びゃんびゃん麺。
 中国の伝統的な、平たい麺だけど、漢字が出てこない。
 どうやら中国では3番目に画数の多い漢字らしい。(や、その上があるってどういうこと!?)
 なので、本場では「BiangBiang」とピンイン(中国のローマ字みたいなもの)とか「彪彪」「冰冰」とか「餅餅」とか表記されることもあるようだ。
 しかも長い間、専用の漢字がなかったとも言われるので、わたしの推測では民間では字をあてな

もっとみる
【日本橋】たいめいけん 日本一の王道オムライス

【日本橋】たいめいけん 日本一の王道オムライス

 とても久しぶりに〔たいめいけん〕へ行ってみた。
 日本でも屈指の有名洋食やさん。
 特にそこのオムライスは、あまりに絶品なのだ。



 大学生になったばかりの仲良し、Aちゃんを誘ってみた。
 地下鉄の日本橋駅で待ち合わせると、シックで大人っぽい装いの、黒いワンピで待ってた。
 待って、ガチ大人のわたしなんかより、よほど大人っぽいぞ。
 そんなAちゃんは卵料理が大好きとのことで、とてもわくわく

もっとみる
【浅草】並木藪 江戸っ子の粋なお蕎麦

【浅草】並木藪 江戸っ子の粋なお蕎麦

 通、というほどではないけれど、蕎麦が好き。
 スーパーで売っている乾麺の蕎麦でも、喜んで食べるくらいだから、蕎麦通の人には顔をしかめられるかもしれないけれど。

 それでもやっぱり、ちゃんとした蕎麦は別格で、身体に染み入るような風味があって、ひと吹きの清涼が体内をかけめぐるみたいに感じる。
 先日、浅草に用事があった際には、久しぶりに〔並木藪〕へ立ち寄った。
 日本のお蕎麦屋さんの中でもトップク

もっとみる
【パンダ】中国の白酒でカクテルを作る

【パンダ】中国の白酒でカクテルを作る

 今度、とある作家さんのスペースに参加しつつ、それぞれにお酒を飲むという趣向がありまして。
 いつもお世話になっていて、姉御と慕う作家さんなのだ。
「そうだ、せっかくだから、かつて上海で飲んだ『熊猫(パンダ)』ってカクテルを再現してみよう!」
 なんて思いついちゃったりして。



 中国のサイトで検索すると、レシピはあっさり発見できた。
 白酒(BaiJiu:ばいぢぉう)をベースとしたカクテル

もっとみる
落選した時こそ、焼肉だ!

落選した時こそ、焼肉だ!

 嬉しいことや、頑張ったことのご褒美に食べる、それが焼肉。
 何かをお祝いしたい時には、みんな食べに行く焼肉。

 でも、わたしの場合は逆なのだ。
 落選焼肉が、わたしの定番。



「普通、逆だろ!」
 とはよく言われるけれど、小説の賞で落選した時には、焼肉を食べることにしている。
 受賞できたら、それ自体がご褒美なので、焼肉の必要なし。

 考えてみて。
 もし落選したら、ただただしょんぼり

もっとみる
【青森】その5 さよなら青森また会う日まで

【青森】その5 さよなら青森また会う日まで

 地元おこし、というのはとても難しい事業だと思うけれど、成功を収めた例も確実にある。
 青森の外ヶ浜にある〔マツオスーパー〕が、そのひとつだ。

 青森が産んだ作家・風祭千さんがSNSでも触れていて、最初はなんのことかわからなかったけど、風乃まちさんという方が中心になって活動しているとのこと。
 その企画の一環として、地元のマツオスーパーでは、店舗面積の半分くらいを使い、寄贈された本を展開している

もっとみる
【青森】その4 とりやす まんぷく焼き鳥定食と、ねぶたの大迫力

【青森】その4 とりやす まんぷく焼き鳥定食と、ねぶたの大迫力

 ねぶたは、日本の三大祭と言われている。
 その時期にホテルを取るなら、一年前からの予約が必要とか!
 今年の1月に予約サイトで調べたら、どうりでどこも満杯だったわけだ……。

 いつかお金持ちになれたら、絶対に実物のねぶたを、この目に焼き付けたい……と決意しながら入ったのが、ねぶたの資料館である「ワ・ラッセ」だ。
 あおもり駅前ビーチのすぐまん前に、ででーんと建っているワインレッドの瀟洒な箱形建

もっとみる
【青森】その3 渋いチョイスのジェラート トウモロコシとよもぎ

【青森】その3 渋いチョイスのジェラート トウモロコシとよもぎ

「わたし史上、最北端のビーチ……」
 北に向かって拡がる海辺の、波打ち際に立って、わたしは感慨深く景色を堪能した。

 前にも述べた通り、この青森旅行は、風祭千さんのデビュー作『チューニング!』の聖地巡礼なのだ。
 青森の魅力がてんこ盛りに詰まっていて、青森に1ミリも興味がなかったわたしに「青森って、素敵!」と思わせるほどの、爽やかな破壊力を秘めていたのだ。

 綺麗に整備されているビーチで、履い

もっとみる
【青森】その2 わくわく車中泊と、海鮮のっけ丼

【青森】その2 わくわく車中泊と、海鮮のっけ丼

 夜の青森市街を歩く。
 車中泊の体勢へはいるまえに、市街地の雰囲気を味わいつつ、青森が産んだ作家・風祭千さんのおすすめ中国料理店へ。
 中華料理というよりは、高級めの中国料理店。
 それでいて、麺類やチャーハンはリーズナブル。
 品のある優しい味が、疲れた身体に染み入る染み入る。



 真夏や真冬に車中泊は地獄かもしれないけれど、今くらいの季節は、たぶんちょうどよい。
 道の駅へ到着したのは

もっとみる
【青森】その1 弘前・さくら祭と、悠久のまったり喫茶店

【青森】その1 弘前・さくら祭と、悠久のまったり喫茶店

 

ほぼ葉桜だらけの、さくら祭を楽しんできたよ。

 関東圏なら4月初旬が桜の季節。
 本州最北端の青森県なら、ゴールデンウィークの時期こそが満開の時期……だったらしいけど、開花が年々早まっていて、わたしが行った時はもはやほぼ葉桜。
 桜の品種によっては、咲いている木もちらほら。

「以前は、雪が残っている中で、今の時期が一番の見頃でしたけど……」
 とは、青森の書店員さんからの情報。
 ほんと

もっとみる
【中国】雲南へのゆっくり旅行と列車の女帝

【中国】雲南へのゆっくり旅行と列車の女帝

 どうせなら、ゆっくり走る列車で旅をしたい。
 数日前に成都を経って、じっくり南下し、高くて綺麗で速い列車は避けて、なるべく安くて遅いのを選んで乗り継ぐ。
 目的地は、雲南省の大理。
「中国をバックパッカーでめぐるなら、絶対に行っとけ。あそこは、パラダイスだ」
 旅の途中で知り合った欧米人に、そんなアドバイスをもらったもので。



 そんな、パラダイスと名高い大理へと向かう道中は、どうせなら急

もっとみる