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特許分類は小分けで使うと、調査後半が楽かもしれない説

こんにちは! 特許調査の仕事をしてます、酒井といいます。
この記事では「ちょっぴり検索めんどうかもしれないけど、特許分類は小分けして使うと、調査後半が楽になるかもね?」という説を書いてみます。

今日の例題は「眼科の検査装置」です。ここでは・・・視力検査、ということで話を進めますね!(他にも眼底検査、眼圧検査など、いろいろな種類の眼科用機器があります。)

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視力の検査装置って、特許分類でいうと
1)Aセクションの「医療用検査機器 > 眼科用」
2)Gセクションの「光学的計測器」
両方に関係する装置が多いです。

当然ながら、1)は「眼科用の検査機器」の分類なので
当たり公報がたくさん含まれています。こんなイメージ。

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2)は「いろいろな光学的計測器」の分類なので、
レーザー計測とか、測量とか?色々な測定機器が含まれます。
視力検査装置の比率は、それほど高くないです。

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私のおすすめ!「検索条件の作り方」

最初に私がいつもやっている、おすすめの検索方法を説明します。

「眼科用の検査機器」を検索するとき、当たりが多いとはいえ、視力検査や眼底検査、眼圧検査など・・・色々な装置が混ざっていそうなAセクションは、ちょっと緩めに絞り込むと丁度良さそうです。(もしズバリ「視力検査装置」って分類があったら、キーワードで絞らなくてもいいのかも。)

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一方、色々な測定機器が混ざっているGセクションで「視力検査装置」を探すなら、キーワードでしっかり絞り込んだ方が効率が良いです。

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そしてそれぞれの部分集合を合算する、という方法が合理的だな、と思っていて、だいたいこの作戦で検索条件を作っています。

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個人的には「おすすめしない」検索方法

上記の方法と一見似ているんですけど、個人的にはおすすめしない検索方法があります。ちょっと、式で書いてみますね。

私のおすすめは

(分類A×キーワード➀)+(分類G×キーワード②)

という構造で、おすすめしない方は

(分類A+分類G)× キーワード

分類を足してから、一挙にキーワードを掛ける方法です。
式の状態で見ると、ちょっと似てるかもしれないですね😅

「おすすめしないやつ」を図で表すと、下記の構造になります。

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AとGを合体させ、まとめて同じキーワードを掛けます。
すると、
パッと見で「何か漏れてる・・・?」って気付く場合があると思うんです。

あわててキーワードを増やすと、反対側でノイズが増えます。

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「漏れとノイズ」をどの程度許容するか?は
調査の目的とか、対象技術、業種などで変わると思いますが、

不思議なもので

(分類A+分類G)× キーワード

このタイプの検索をする方って「検索漏れが心配です・・・」って口にされるケースが多い印象があります😅(私の観測範囲限定ですけど)

そして必然的に「自分自身で『検索漏れがなくなった』って思えるまで」キーワードを増やす方も多く、かなりのノイズ込みで母集団を作られたりするのを、何度もお見掛けしてきました。

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「検索漏れを少なくするためには、ある程度ノイズ込みの集合を作る事も必要」というのは、確かにその通りです。(検索用語(?)的にいうと、適合率と再現率は両立しないという鉄則があるので。)

そうなのですが、こちら↓のタイプの検索条件を組める技術分野もかなり多いので画像10

「(分類A+分類G)× キーワード」タイプの検索式を目撃するたび、こっそり「検索の工夫で、もうちょっと効率良く調査できそうなのにな・・・」って思ったりしてます。

とはいえ。

こちらのタイプは「検索を頑張って、公報読みを楽にする作戦」で

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こちらのタイプだと「検索の面倒を回避して、公報読みを頑張る作戦」と考える事もできると思います!

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自分は、または自社事業はどちらの方法が向いてるかなー? と考えてみると、調査のストレスが少し減るのかもしれないですね!😀

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