[記事]「LiquiForm®」技術による容器と充填
こんにちは! 特許調査の仕事をしてます、酒井と申します。今日は、最近読んだ記事から、新しい容器技術「LiquiForm®」について書きます。記事はこちら。「ファッションスナップ」からです。
「サステナブルな化粧品つけかえ容器ってどういう事?」
「詰め替え容器、はよく見聞きするけど・・・?」
と思って読み始めたところ、なかなか面白い工程でした。
資生堂チャンネルにあったこちらの動画では 0:33付近からが
「LiquiForm®」技術の説明です。
「LiquiForm®」のサイトにも1枚絵がありました。
従来「容器は容器工場でブロー成形」「できた容器を化粧品工場に輸送」「化粧品工場で容器に製品を重点」としていたのが
この技術では容器成形と液体充填を一挙に行うのが「新しい」とのこと。
確かに「容器工場から製品の工場に空のペットボトルを運ぶのは、空気を運んでいるようなもの」ですものね。
ファッションスナップの記事では
と紹介されており、日本では吉野工業所が容器部分を手がけているそうなのですが、もともとはアムコア社の技術。
アムコア・リミテッド (Amcor Limited) は、オーストラリアに拠点を置く、包装事業の多国籍企業。おもに食品、飲料、医療、たばこ産業などに包材を供給しているそうです。最近20年の特許公開件数は140件/年前後。(ファミリー数だと20~40ファミリー/年程度です)
Espacenetで見たところ、最も初期の出願は2012年頃でした。
図はJP2014519429Aからです。充填と成形を同時に行う、LiquiFormの特徴が表れています。
もちろん、吉野工業所による特許出願もあります。(JP2017094684A 他)
上記のアムコア出願も引例に上げられており
「それは仕方ないよねぇ・・・技術導入している、という話なのだし」
と思ってしまいました😅
このような「製品を使ったブロー成形」の技術、Amcorの基本特許出願期(2012年頃)より増えてきており、簡易検索の範囲だけでも300ファミリー程度の存在を確認できました。
工程短縮や流通コスト、炭素排出量削減の観点でもメリットがありそうですし、きっと注目度が上がっているのでしょうね。
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