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自分自身の「良い検索」イメージ持ってますか?

こんにちは! 特許調査の仕事をしてます、酒井といいます。この記事では「特許検索、上手くなりたい」とか「スキルアップしたい」と思っているなら・・・自分で点数をつけられるといいかも?という話を書きます。

講習会などもしている仕事柄「特許調査のスキルアップ」のご相談も多く頂きます。どうしてみんなスキルアップしたいのかな?と改めて考えてみると、次のような状況が多いのかな、と思いました。


なぜ特許調査をするのか?

まず起点は「なぜ特許調査をするのか?」です。たとえば
・他社権利を侵害すると、自社事業に多大なダメージを受ける可能性がある
・下調べなしで特許出願をするのは勿体ない(簡単に拒絶される可能性)
・他社の問題特許を無効化・無力化したい・・・!
というような動機が多そうです。

そこで「特許を調べよう!」となるのですが、
データベースの中身(収録レコード)が見えるわけではないので、
あたかも
「中身の見えない箱から、一握りずつデータを取りだして確認する」
ような作業がスタートします。

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同じ「中身の見えない箱」でも、「ちょっと気になった単語をネットで調べる」ならば、検索漏れはさほど気にならないと思われますが、
これが特許調査になると「事業に関連する」「なるべく抜け漏れなく」という意識が働いて、ついつい「箱から沢山の公報を取り出したく」なります。

すると・・・どうしたって時間が溶けていくわけで。

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「作業時間を費やして公報もたくさん見た。けれど、漏れなく検索できた、という実感が得られなくて不安」というのも、ありがちな状況です。

どうしてスキルアップしたくなる?

これは想像も入っているのですが、
自分だったら「すごく時間がかかって、それなりに手を動かしたのに、不安が残る」というのは、嬉しくないです。

なので・・・

・できれば、そこまで時間をかけずに
・ということは、大量の公報を見なくても
・ある程度「必要な公報の大半を見たはず!」という実感・確証が得られて
・そこまで不安を感じずに、知財状況の判断ができたらいいのに

というのが、スキルアップしたい、というお話の中身だったり、
理想の検索だったりするのかな、と思っています。

「良い検索」の具体的イメージはありますか?

最初の話に戻りますと、
「特許調査のスキルアップ」「講習会開催」のご相談、多く頂きます。
あと「検索式評価」のご依頼も。

「検索の基本を習った事がない」「今まで感覚でやっていた」という場合、調査の基本や、合理的な検索方法などを習うと、今までやっていた事の理由がわかったり、自分で改善方法に気付いたりできるので、検索力は伸びます。

それで、
これは「基礎を身につけた後」の段階になると思うのですが
「自分なりでいいので、良い検索のイメージ」を持っている人は、自力でどんどん上達されていくなー、って感じます。

表現を変えると、
「キーワード選びはうまくできた!」と自分を褒めたり
「なんだかノイズ(不要な公報)が多すぎ・・・どうしたらノイズが減るのかな?」と、改善ポイントを特定したり、具体的な改善方法を考えたり、という感じです。

下記の記事は問題解決やクリエイションがテーマですが、本質的な所で近いものを感じました。(自分の服装に、自分で点数をつけられるか?)

以下、上記記事からの引用です。「正解探しの病い」これ、検索式作成でもありがちだな、って思いました!

新人漫画家がなかなかアウトプットが出せない悪循環に陥るとき、多くの場合、「何を描けば正解なのか」「このアウトプットは面白いのか」「どうすれば売れるのか」と自身のアウトプットの評価基準を外側に求めてしまうのだそうです。

これは企業のイノベーションプロジェクトにおいても同様です。かねてから安斎もそうした状況を「正解探しの病い」として指摘していますが・・・

もしかして「なんだか検索ができるっぽい人」(酒井に限らず・・・)が近くにいると、「正解は何ですか?」って聞きたくなるかもしれないですね!わかります!

でも、評価基準を外側に求め続けている限り、
人の顔色を窺うような調査、って言ったら変かもしれないけど、
「自信の持てる調査」にはならないような気がします。。。

基礎は習ったことはある、できていると思う!というみなさんは

自分なり、とか、自社技術分野なりの
「より良い検索」のイメージが持てると良いと思います。

そのとき、うっかり誰かに「良い検索の雛形を作ってください」とか、委託しない方がいいんじゃないかな?とも、個人的には思います。
それって「外側に評価基準を求める」のと同義になってしまうので。

最初は「ひよっこ状態」が当たり前で。
検索するたび、自己評価と改善を繰り返しして「自分の型」「自分の必勝パターン」を作れたら、それこそが「スキルアップ」なんじゃないでしょうか。👦

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