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[Q&A] Espacenet の番号入力規則がわからない・覚えられない

質問BOXに頂いたご質問です。「Espacenetの番号入力規則について」

お世話になっております。
Espacenetについて、初歩的な質問なので恐縮です。

外国公報の番号が分かっているので、公開番号又は
出願番号で検索して公報を確認したいときがあります。
そういうときはEspacenetを使うことが多いのですが、
うまくヒットさせられないことがあります。

番号の入力がEspacenetのルールに合っていないのだ
と思いますが国毎の入力規則を見つけることができず・・・
J-PlatPatのように番号入力例を表示してくれていたらな~
と悪戦苦闘しています。

そこで、今更ですが色々な国の番号入力の規則を
ご教示いただければと思い投稿させていただきました。
よろしくお願いいたします。

ご質問ありがとうございます!
いろいろな国の公報番号と規則性。私も覚えきれる気がしません・・・。

特に、Espacenetは収録国の数も多いですし、
公報についている「番号」には
 ・出願番号
 ・公開番号
 ・特許番号
など、色々な種類があるんですよね!

また、各番号の規則性も統一されているわけではないです。たとえば日本特許の場合。

出願番号   特願2021-012345
公開番号   特開2021-123456
特許番号   特許第7123456

といった具合で「出願番号と公開番号は年部を含む」(年部、というのは番号の前半 2021- の部分です)「特許番号には年部がなく、連続番号のみ」です。

このように、同じ国の公報あっても、いろいろな桁数の番号が混ざっているのが普通です。

ご質問の内容は・・・

そこで、今更ですが色々な国の番号入力の規則を
ご教示いただければと思い投稿させていただきました。

とのことだったんですが、
個人的にはこの問題の対処法、4種類思いつきました。
せっかくなので全部書いてみますね。(え)

それではどうぞ!下記の4つです。

1.番号入力の規則を確認する

今回のお話、番号のフォーマットがわかれば対処できると思われます。

ということは、フォーマット一覧を確認できたらOKですよね。
たとえばこちらのページには、Espacenetの全収録国・公報種別コード・最古/最新の番号が載っています。

ドイツ(DE)の例です。黄マーカーを付してある箇所が連続番号なので、こちらに桁数を合わせていきます。

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なお、左側は最古の収録公報番号/公報発行日です。ドイツの場合、収録開始がかなり古いので、現在とは桁数も全然違っています。なので、古い側の情報はめったに使いません。

また、上記の一覧ページは

Espacenet coverage

の2語でググって、色々出てくる中から Bibliographic の一覧(Bibliographic coverage in Espacenet)を選びました。Coverageというのは「収録範囲」の意味です。もし、将来的に上記ページがなくなってしまったら、同じ要領で探してみてください。

2.「覚えずに検索する作戦」を使う

私がふだん多用しているのは、こちらの方法です。ご質問では

外国公報の番号が分かっているので、公開番号又は
出願番号で検索して公報を確認したいときがあります。

・・・という事だったので、国コードが手元にあると思うんです。
ここから、例題で説明してみますね。

例:スウェーデン、スカニア社の公開公報がある。この出願は登録になっているのか?ファミリーはあるのか?を知りたい。

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※答えはこちらのページにあります。

このような例題のとき、取り得る検索方法です。

1)右上の公開番号から素直に検索

SE1750628 と検索し、Bibliographic dataの項目を見ると

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・スウェーデンで登録されている (SE541947C2)
・他国の出願はない、または現時点でEspacenet収録されていない

とわかります。

2)公報記載の番号検索ではうまくいかない場合

公報から「SCANIA の 2017年、スウェーデン出願」という事がわかるので、このように検索します。

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※Espacenetの画面ではこちらになります

こうすると「同時期に出願された、当該国の公報番号や出願番号」が、Espacenetではどのように入力されているか確認できます。検索結果で得られた桁数、区切り位置などに形式を合わせれば、大抵うまくいきます。

3.Google Patentsの入力アシストを利用する

私、この方法もよく使います!
残念ながら「会社ではGoogle Patents禁止です」って方は難しいけど・・・

今回も、先ほどのスウェーデン公報で説明しますね。

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上記の公報番号を、キーボードからGoogle Patentsに入力していくと

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途中でサジェスト機能がはたらいて「番号+発明の名称」を例示します。正解の名称が出たら、その番号で検索します。(下記は検索結果です)

検索結果の「External Link (外部リンク)」からEspacenetに飛ぶと、間違いなく検索できます。 (下図参照)

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適当に数字だけを入力しても、サジェストが働きます。

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番号だけだと、いろいろな国が候補に出てくるんですよー。
そして、サジェストでも正解が出てこない時は「桁合わせ」の問題であることが多いです。そこで桁合わせについても、簡単に説明しますね。

桁合わせの基本形

例1)日本公開番号「特開2020-123」は JP2020000123 と桁合わせ
(連続番号部の先頭にゼロを補って6桁にする)

例2)米国公開番号「US2020/000123」は、US20200000123
(連続番号部の先頭にゼロを補って7桁にする)

「6桁と7桁がある・・・?」とイヤがられる方もいそうですが、そこは大丈夫です!わからない場合は1つずつゼロを増やしていけばOKですよー。
ご参考になさってみてください。

4.よく使う順に少しずつ覚えていく

知財業界のみなさんは、たぶん冒頭の日本公報の番号・・・

出願番号   特願2021-012345
公開番号   特開2021-123456
特許番号   特許第7123456

これはもう、自然に覚えていらっしゃるんじゃないかな?思うのです。
それと同じで

アメリカの公開番号は 年部+連続番号。
登録番号は、以前は連続番号7桁。近年は増えて8桁

のようなものは、ふだんよく使う順に、自然に覚えていかれる事と思います。おそらく、無理やり暗記するものでもない、と思うので、気長にどうぞ^^

みなさん「これなら使いやすい」と思える方法はありましたか?
Espacenetや番号検索のことでも、それ以外でも「質問BOX」におたより、お待ちしてますね!


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