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[WIPO]「化合物検索ができる国・年代」と”coverage”の話

こんにちは! 特許調査の仕事をしてます、酒井と申します。今日は「WIPOのPATENTSCOPEでマーカッシュ構造検索ができるようになったけど、2021年秋時点で 化合物検索が可能なのはどこの国?」という話を書きます。

マーカッシュ構造検索の方法はこちらをどうぞ

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最初に結論から。
2021年9月時点の、WIPO PATENTSCOPE 化合物検索の対象です。

注)個人的には「むむ?微妙な部分があるかも・・・?」と思っていまして
「化合物インデックスがないと、マーカッシュ構造検索は絶対できない」のは確実ですが「化合物インデックスさえあれば、マーカッシュ構造検索ができるか?」というと、そこは違うかも?どうだろう? という疑問もあります。

ああそうだ、あれです!「必要条件と十分条件」ですかね?
「果物ではない、ということは、リンゴの可能性はゼロ」だけど
「果物であれば、必ずリンゴか?」と言うとそれは違うよね・・・みたいな事です。(←余計わかりにくくなっていたらすみません)

現在、情報確認中です。

さて。
検索可能になった直後、ということもあり
今はIP5(五大特許庁)+α、のラインナップです。
今後は対応する国が増えるかもしれません。

また、収録期間(最新側)を見ると、前月・今月までインデックスができている国も多く、自分は「すごい!ものすごく最近まで入ってる!」と、ちょっと感動してしまいました。

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先ほどの「化合物インデックスの収録表」

これは Coverage(データベースの収録一覧表)から、
化合物データを持っている箇所のみ抜粋し、作ったものです。
PATENTSCOPEのCoverageはここにあります


たとえばデータベースに新機能が追加された、とします
「マーカッシュ構造検索ができるようになった!」(いやっほう!)
と、自分も最初は、大喜びで試してみるのですが

いざ、検索業務に使う段階になると

・どの国が検索対象になっているの?
・どの程度の年数が検索できるの?
・権利期間の20年はカバーされている?
・マーカッシュクレームの特許は、すべて検索できると考えて良い?

いろいろな疑問が出てきます。

これは、どんなデータベースを使う時もそうなんですよね。

そのような場合に確認したいのが
Coverage(データベースの収録一覧表)です。

■主な無料特許データベースのCoverage
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J-PlatPat 文献蓄積情報(目次)
Bibliographic coverage in Espacenet and OPS  (書誌事項と要約)
Espacenet Fulltext Coverage (全文収録範囲)
WIPO PATENTSCOPE Covearge
Google Patents
・Lens は → The European Patent Office's DOCDB bibliographic data
    (Espacenet 書誌事項/要約と同等)

※上記には取り上げませんでしたが、商用データベースにも必ず
 収録一覧表/Coverageがありますよ^^

Coverageは、検索業をしている自分ですが、毎回見るものでもなくて・・・
「どの程度検索できるのか?」と疑問を持ったとき、
都度確認するリストとして利用しています。

ですので、サーチ以外を主業務にしている知財担当の方は
「めったに見ない」
「たまに見ようとすると 在処がわからない」
「見方を忘れてる」
という感じになるのが、むしろ普通なのでは?と思うのです。

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以上のように
Coverageは「検索できている範囲」を確認する上で
とても大切なリストなのですが、
頻繁に使うものでもない場合、在処や使い方を忘れたりします。

ここまでnoteをお読みくださったみなさん、
もし「Coverageを知りたいのに、なんだかよくわからなくなった・・・」としても、それが普通です。

そのような時は、酒井までメールください → info@1smartworks.com
または、TwitterかFacebookで話しかけて頂いても大丈夫です。
(ちなみにお急ぎのときはメールでどうぞ。
 おそらく、気付くのが一番早いです)

それでは!

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