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特許情報で見る「あこがれのアイスクリーム」とジェネリックお菓子家電

こんにちは! 特許調査の仕事をしてます、酒井といいます。
8月に入って、毎日暑いですねー
冷たい食べ物につい目がいく季節、ということで
今日は「特許情報で見るアイスクリーム」について書きます。

アイスクリームといえば、先日こんなニュースがありました。

昨年、2020年は過去最高にアイスクリームが売れたそうです。
「巣ごもり需要」を反映して

種類別の販売状況を見ると、アイスミルクとラクトアイスが前年を上回り、アイスクリームと氷菓が前年を下回った。形態別にも巣ごもり消費を反映し、ホームタイプとマルチタイプが伸長率の上位。

ホームタイプとマルチタイプ・・・?

アイスクリームなんでもブック」に説明がありました。
なるほど・・・確かに私も最近、マルチパックを買うことが多いです。

アイスクリームなんでもブック」から、
日本でのアイスクリームの歴史です。
工業生産は1920年から。
大量生産の端緒は1955年~の「ホームランバー」と言われているようです。

明治グループ100年の歴史にもアイスクリームが登場します。
1924年の製造開始当時は、三越などの高級店で販売していたそう。

そんなアイスクリーム、1970年過ぎに1回目の出願ピークを迎え、
70年台後半、80年代、2000年前後・・・と、何度か特許出願が増加しますが
最近は出願件数も落ち着いている印象です。

「ん?2000年以降に出願が落ち着いているということは
 生存中の特許が少ない・・・?」

そうなんです。現時点(2021/08/04)では
権利継続中の特許が300件弱、審査中+国内移行前が100件強で
生存中の特許はそこまで多くないです。

そしてもうひとつ。
ここまで「アイスクリームの特許」と書いてきました。
たぶん「コンビニやスーパーで買う冷菓」を想像していた方が多いのでは?と思うのですが、今回取った母集団、出願人別でランキングをとりますと

上位陣の半分くらい、食品メーカーではありませぬ。

「それって、母集団に変なノイズが多いのでは?」
と思われたかもしれません。
そこで、非食品メーカーの「発明の名称」をごらん下さい。

三洋電機

ホシザキ電機(現:ホシザキ)

三菱重工

共通点に気が付きましたか?
そうなんです!「アイスクリームを作る機械」っぽいですよね。
そしてもうひとつ、何か気がつく事ないですか?

考えていただく題材で、もうひとつ!
松下電器産業(現:パナソニック)もどうぞ

答えは・・・
一覧表示の範囲だと「公開時期が1970年代後半~1990年代」ということ。
ただ、上記のリストでは見えていない範囲が多いので

棒グラフの内訳を
  食品の「アイスクリーム/冷菓」
  機器の「アイスクリーマー/冷菓製造装置」
  アイスクリームを入れる「容器」
に分けたのがこちらです。

私の目には
「食品」の増減が緩和?されて見えます。というのか
~2000年頃の増減って「アイスクリームを作る機械」の増減が
なかなか大きかったのだな、と感じました。

アイスクリームって、一昔前は「あこがれのお菓子」で、
夏限定のおやつ、というイメージだったように思います。
買ってもらう事も多かったけれど「家で、アイスクリーマーで作る」というのも、憧れだった記憶が蘇ります。

また、
上記グラフのように「アイスクリーマー」って古い出願が多く、
大半が出願から20年以上経過しています。

特許が切れた結果なのか・・・?
最近は「ジェネリック家電」ならぬ
「ジェネリックアイスクリーマー」も、色々出ている印象です。

正確にはわかりませんが・・・このあたりはジェネリック?と思いました。


お菓子作り家電にもジェネリックの波が来ているかもです^^

みなさま
暑いときは我慢せず、冷房入れてお過ごしくださいね✨

それでは!

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