そんな間抜けな話が 夢日記2023.12.8

 捜査本部。
 僕は刑事で、連続殺人事件の捜査会議に参加していた。
 会議中に慌てて入ってきた刑事が、被害者がまたひとり、と急報。
 同時に、見たことのない人たちがぞろぞろと入ってくる。一団の長らしき人が、いまからこの捜査は特殊犯罪捜査係が引き継ぐ、と宣言した。
 捜査が袋小路に入り被害者のむごたらしい遺体だけが増えて、被害者と共通項の多い女性が何人も行方不明になっている状況で、そろそろヤツらが出てくるんじゃないか、と先輩が話しているのを聞いたことがある。ヤツらというのが、この人たちなのだろう。特殊犯罪捜査係とは、猟奇犯罪の専門家らしい。
 僕らが手詰まりになっていたのは確かだし、専門家に任せるのが良いのだろうけれども、どうしても、事件を横取りされた苛立ちが湧いてきてしまう。
 むしゃくしゃしていたので、日課のランニングも、その夜はいつものルートを外れて、知らない町に来てしまっていた。充分すぎるほど走ったし、気持ちも落ち着けたかったので、ちょうど通りかかった小さな公園でストレッチをすることに。
 どこかの家から、小さい男の子と父親らしきふたりの会話が漏れ聞こえてきた。窓を開けたまま話しているのだろう。はっきりとではないが、あの女の人はいつ殺すの、下準備が必要、というような内容だったので驚いた。もしかしたら、もしかするかもしれない。
 昔話に、子鬼が親鬼の重大な秘密を大声で歌っているのを聞かれて大失敗、というのがあった気がする。そんな間抜けな話があるかよ、と子どもながらに思った遠い記憶が。しかしこうして、窓を開けたまま外に聞こえる声で殺しの算段をしている場面に遭遇してしまうと、どんな凶悪なものにも間抜けな一面があるという教訓だったのかと腑に落ちたような、落ちないような。

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