見出し画像

【本会議】第1回定例会

【2022年(令和4年)第1回定例会 3月18日 本会議(閉会)】

本会議で反対討論しました。

★録画

群馬県議会インターネット中継より、録画映像をご覧いただけます。
反対討論者 酒井 宏明(日本共産党) 約10分

★反対討論(全文)

日本共産党の酒井宏明です。
会派を代表して、通告してあります議案および請願について委員長報告に反対の立場で討論します。

はじめに、16日深夜に起きた福島県沖を震源とする地震により被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧復興を願うものです。
また、新型コロナウイルス感染症のまん延防止等重点措置は21日をもって解除になりますが、病床稼働率、自宅療養者数、陽性率など各指標は依然として高く、まだまだ予断を許さない状況です。
引き続き、万全な感染防止対策ならびに医療機関・高齢者施設、福祉・保育施設、エッセンシャルワーカー、中小業者への支援が不可欠です。

さて、こうした点をふまえ、新年度予算案について慎重に検討しました。
たしかに評価できる点もあります。
気候危機の打開へ向け、EV電気自動車の実証実験をはじめ再生可能エネルギーの普及に力をいれていること。
災害レジリエンスの実現として、水害対策のための河川整備もしっかり予算化されたこと、財政健全化へ向けた取り組みもある程度評価できます。
しかし、知事が重点とした施策をみると、不十分な点や改善すべき点があり、全体として予算案に賛成するわけにはいきません。
以下、理由を述べます。

第一に、コロナ対策です。
私たちは、感染拡大防止のためには、PCR検査や医療提供体制・保健所体制の強化が必要だと再三、求めてきました。
PCR検査はようやく薬局等でも無料で行われるようになりましたが、第6波の感染拡大とともに中断してしまいました。
一刻も早い再開とさらなる検査の拡大が求められています。
ワクチン接種については、希望者への迅速な接種はもちろん、特に子どもへの接種については、その安全性などについて、ていねいに説明責任をつくすことが何より大事ではないでしょうか。

第二に、経済活動への支援についてです。
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に伴い飲食店などには協力金が支給される一方、運転代行業や酒店、おしぼり業者など飲食関連業への支援は極めて不十分なままです。
コロナ禍にあえぐ零細中小業者や生活困窮者への支援に本腰を入れるべきです。

第三に、教育イノベーションの推進についてです。
デジタル人材の育成やグローバル人材の育成をうたいますが、教育の目的はあくまでも「人格の完成」であり、教育行政に求められているのは、憲法26条の教育を受ける権利・義務教育の無償化の精神にたった教育の条件整備です。
今年度は中学生まで少人数学級が前進しましたが、その中身は、加配教員の配置替えをしただけで、実質的に教職員数は減っており、予算も1億円減らされました。
教員の多忙化に拍車がかかっている実態をなぜ直視しないのでしょうか。
国が小学校3年生を35人以下学級にするのに合わせて、県も30人学級へと前進させるチャンスだったのに、新年度はさらに1億円も削減しようとしています。
県立学校および市町村立学校の職員定数を合わせて92人も削減する計画です。
一方で、ぐんまちゃんブランド化に4億円もつぎ込もうとしていますが、優先順位が違うのではないでしょうか。
少人数学級のための予算削減、教職員の定数削減にきっぱり反対します。
このほか、従前から求めている学校給食費の無料化や高校卒業までの医療費無料化、保育士配置基準の改善などが予算化されなかったことは大変残念でなりません。
以上の理由から、新年度当初予算案には賛成できません。

次に請願についてです。
健康福祉・厚文12号は、加齢性難聴者の補聴器購入費用の公的補助制度を求める請願です。
高齢者の聴力低下は認知症や社会生活上の孤立の原因になると指摘されています。
こうしたことを受けて、兵庫県では新年度約1000万円の予算で、補聴器購入に上限2万円補助するモデル事業を行うとのことです。
県内の自治体では太田市が、新年度中に補助を実施する見込みだといいます。
県として補聴器のニーズなど実態を調査し、補助に踏み出すべきであり、本請願の採択を求めます。

環境農林16号は、新型コロナ禍による米危機の改善を求める請願です。
相次ぐ緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令で、コメの需要減少に歯止めがかからず、過大な在庫を生み、米価下落は底なしの状態になっています。
過剰在庫を政府が買い上げて、市場から隔離して暴落を止めることが急務です。
買い上げたコメをコロナ危機で生活に困窮する人々への支援、子ども食堂や学生支援などにまわすべきです。
よって、不採択に反対し、採択を求めます。

総務企画23号は、国に米軍基地負担の軽減と日米地位協定の抜本改定を求める請願です。
群馬県上空はエリアH、エリア3、ブルールートなど市街地を含めほぼ全域が米軍の飛行訓練空域とされています。
また、米軍横田基地や厚木基地、自衛隊木更津駐屯地にオスプレイの配備が進められ、関東地方はオスプレイの一大基地となり、相馬原演習場への飛来を含めた群馬上空での訓練がいっそう増加することが危惧されています。
全国知事会は2018年に米軍基地負担に関する提言を全会一致で決議したのに続き、2020年にも新型コロナ対策を追加した決議をしています。
全国各地での意見書採択の取り組みもすすみ、9道県221市町村に広がっています。提言の一日も早い実現が求められています。
よって本請願の採択を強く求めます。

最後に、ロシアによるウクライナ侵略に対し県議会として8日に全会一致で、抗議の意思を表明しました。
ロシア軍による病院や原発、市街地への無差別攻撃は国連憲章に反するだけでなく、どんな戦争でも順守すべき国際人道法に反する戦争犯罪です。
言語道断であり、改めて強く非難します。
ロシアは殺戮と破壊を直ちにやめ、ウクライナから完全撤退せよ、この声を上げ続けることが大事ではないでしょうか。
「力の論理」や軍事対軍事の悪循環でなく、平和を求める国際世論の結集と憲法9条を生かした非軍事の支援こそ求められていることを強調して、私の討論といたします。

【関連リンク・群馬県議会】

令和4年第1回定例会のあらまし

群馬県議会インターネット中継 より
令和4年第1回定例会 令和4年3月18日(金) 本会議(閉会)


【関連ブログ・酒井ひろあき】

飲食関連支援は不十分 酒井氏、予算案に反対/群馬(しんぶん赤旗・首都圏 2022.03.26)

酒井ひろあき県議会ニュース(2022.03.23) 

☆ワクチン 子どもへの接種 安全性の丁寧な説明を ☆少人数学級予算削減・教員定数削減に反対 

医療・保健所体制の強化、業者支援を コロナ特別委「提言」全会一致で採決 

☆補聴器購入 実態調査し、補助に踏み出せ ☆高校卒業まで医療費無料化を 

ロシアのウクライナ侵攻に抗議 全会一致で決議

追加接種は説明尽くせ 群馬県・酒井氏(しんぶん赤旗・首都圏 2022.03.09) 

「またモノで釣るのか」健康福祉常任委員会で質問 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?