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阪口まな
2024年3月1日 00:56
だいたい10年前のある夜、消し忘れたテレビから聞こえた言葉に涙した。翌日、久しぶりに文庫本を購入する。作者も作品も知らず、アニメを観る習慣もなく、思ってみれば長いことまともに本を読んでいなかった。『有頂天家族』との出会いである。とりあえず最終章を少しだけ確認した後に最初から読みはじめた。本とはこんなに楽しいのか。 森見登美彦との出会いである。そんなわけで森見作品の中でも私にと
2022年10月31日 17:39
2022年9月9日にTwitterスペースにて開催された『偽読書会』で言いたかったことを文章にしました。⚠️ネタバレあり【妄想の被害者あるいは参考文献】湿った風、老若男女のざわめき声、聳え立つビルディング、夜を照らす屋台の明かり、赤くて艶々した丸い林檎飴、硬い感触に甘い匂い…宵山の一瞬を文章にしようとすると言葉を延々と紡ぐことになる。このような言葉で現しきれない一瞬を《純粋経験》と