逆子は冷えると回転しにくくなるのか?

この記事では以下の質問にお答えします。

助産の学生時代に鍼灸先生の講義で、東洋医学では頭寒足温が身体のバランスが良い状態で、足が冷えると大事が上下間違えて、逆子になるという事を聞いた事があります。昨日は冷えが問題ではなく、血流不良を招く事が良くないと学んだのですが、私の東洋医学の血や気の流れの知識が乏しく、繋がりがわかりません。先生はどうお考えですか?

前提

まず大前提として、僕は逆子を東洋医学よりも科学で見るようにしています。それは逆子の妊婦さんが納得できるように説明できないからです。逆子の妊婦さんは「どうして私は逆子のままなの?」と悩みます。その時に東洋医学で説明しても納得できません。なので、講座でも全て東洋医学ではなく、科学で説明しています。これらについては講座で詳しくお伝えします。

東洋医学の考え方ではなく科学に基づく考え方で治療しています。もちろん鍼灸の学校を出ているので東洋医学の説明もできますが、東洋医学に没頭している先生より僕の東洋医学の説明は拙いものになります。その上で僕の知る逆子についての考えをお伝えさせて頂きます!

東洋医学の観点での逆子の原因

足が冷えると胎児が上下を間違えて逆子になる。ことについて、それが合っているかどうかはわかりません。ですが、患者さんにそう伝えることがよくないことだとは言えます。

理由を少ない文字でお伝えするのは難しいです。なるべく最低限の情報でお伝えします。

東洋医学での逆子の概念

東洋医学には逆子という概念がありません。概念は18世紀後半から、鍼灸治療の記録は20世紀後半からです。
東洋医学は経験の学問です。こうなったからきっとこう、試してみたらやっぱり同じ!というのを繰り返して成り立つものです。
例えば、東洋医学において頭痛がするときはこういった病態という決まったものがありますが、逆子にはありません。だから、東洋医学には逆子という概念がないということです。

なので、逆子を東洋医学で見ようとすると色々な考え方をすることができます。だからこそ「頭寒足温が身体のバランスが良い状態で、足が冷えると胎児が上下を間違えて逆子になる。」これが合っているかどうかはわかりません。

ですが、臨床において妊婦さんへの説明は適切ではないかなと僕は思います。

納得のできる説明

「頭寒足温が身体のバランスが良い状態で、足が冷えると胎児が上下を間違えて逆子になる。」と妊婦さんにお伝えした時の反応は「ん?」「ヘぇ〜」のどちらかです。施術する鍼灸師や助産師さんでも「ヘぇ〜」と疑問に思わないことが多いです。

ですが、当事者で逆子に強く悩む妊婦さんにお伝えすると「納得できない」ということになります。納得のできない説明ほど信用を失うものはありません。

例えばお腹が痛くて病院に言った時、何もみずに「ストレスですね」と言われたら信用を失うはずです。ですが、しっかりとお話を聞いてもらって「何がどうしてどうなっているから、お腹の痛みの原因はストレスです。」と言われたら納得できるはずです。
つまり、どうしてそうなのかの理由が必要になります。

SNS時代のエビデンス

ネットが普及しない昔なら「冷えていると胎児は間違える」でもよかったかもしれません。ですが、現代では科学のない情報に疑問を持つ妊婦さんはたくさんいます。納得ができないと不安を感じ悩みます。
そのためには、相手が納得のできる説明が必要です。相手が納得のできる説明をするには理由が必要です。「冷えていると胎児はどうして上下を間違えるのか」。
これを東洋医学で説明するのは難しく、納得してもらえることはありません。また、東洋医学の性質上、「そう言われているから」と理由を考えていない先生も多いです。

まとめ

これが質問に対する僕の答えと考え方です。

「頭寒足温が身体のバランスが良い状態で、足が冷えると胎児が上下を間違えて逆子になる。」これが東洋医学的な正解はない。
それを妊婦さんに説明しても納得されないことが多い。
そして、逆子の資格講座でお伝えしたように、科学で考えれば冷えは関係しているけど原因ではない。

と僕は考えています。

科学で説明すれば妊婦さんには必ず納得してもらえます。なので、僕の逆子の講座では東洋医学で説明することはありません。逆子は東洋医学で捉えられがちですが、科学でお伝えすることがとても大切になります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?