古典不要の大学入試②(日東駒専編)

古文・漢文が不要な大学は他にも

みなさんこんばんは。
前回に引き続き、国語が現代文だけで受験できる私立大学の紹介をしていきたいと思います。

今回は日東駒専の入試についてまとめました。

なお紹介するにあたっては前回同様、

個別入試形式のみ(共通テスト利用形式等は除外)
・文系学部学科のみ(理工学部等は除外)

という基準を設けていますので、あらかじめご了承ください。

1.日本大学

日本大学の入試形式は三種類あります。

・A方式(個別入試)
・N方式(全学統一)
・C方式(共通テスト利用)

以下は「A方式」についてのまとめになりますが、この方式の国語の試験は、
 
必須問題(現代文)と選択問題(現代文・古文のうちから一題選択)

という問題構成になっており、古文を選択しなければ国語の試験は現代文のみで受けることができます。

文理学部
人文系(哲学科、史学科、国文学科、中国語中国文化学科、英文学科、ドイツ文学科)
社会系(社会学科、社会福祉学科、教育学科、体育学科、心理学科、地理学科)

試験科目:国語(60分 / 100点)・「地理歴史」「公民」「数学」から一つ(60分 / 100点)・外国語=英語(60分 / 100点)

なお、以下の注意点があります。

・史学科は国語の配点が150点
・国文学科の出願には古文の選択が必須(合否判定に使用するため)

同学科の受験を検討している方は、「他の学科で選択しなくてもいいから」と早合点しないようくれぐれも注意してください。

2.東洋大学

東洋大学の入試形式は全部で四つあります。

・共通テスト利用入試
・一般入試
・多面的評価入試(福祉社会デザイン学部 子ども支援学科)
・実技入試(福祉社会デザイン学部 人間環境デザイン学科)

東洋大学の一般入試の国語は、ほぼすべての学部・学科で古文が必要になります(漢文は除外)。

一部、受験日程や形式によっては必要とされないものがあるので紹介します。なお、日付はすべて2024年度入試のものとなっています。

  • 文学部(後期日程=3/5)
    哲学科、東洋思想文化学科、同イブニングコース、教育学科(初等教育専攻)

    2教科試験:英語と論文で各100点ずつ。教育学科は「小論文」となっています。

    ただし文学部の後期日程は、「東京白山キャンパスのみの実施」なので注意が必要です。

  • 経済学部(後期日程)
    経済学科、同イブニングコース

    2教科試験:英語と数学で各100点ずつ。

  • 経営学部(後期日程)
    経営ファイナンス学科

    2教科試験:英語と数学で各100点ずつ。

  • 国際学部(後期日程)
    国際地域学科(国際地域専攻)

    2教科試験(英語重視型):英語(200点)・国語または数学(100点)

    数学が得意であれば狙い目の一つかもしれません。

  • 福祉社会デザイン学部
    人間環境デザイン学科

    <前期日程(2/11)>
    3教科試験:英語(100点)・数学(100点)・「物理基礎・物理」「化学基礎・科学」「生物基礎・生物」から一つ(100点)

    <後期日程>
    2教科試験:英語(100点)・国語または数学(100点)

    ①はどちらかと言うと理数系向けという感じなので、理系の併願先として候補に挙がるかもしれません。

ただし後期日程は募集人員が非常に少なく(基本的には一桁)、最初からこの日程を狙って受ける、という人はほとんどいないでしょう。

3.駒澤大学

同校の一般入試は、「全学部統一日程」「T方式」「S方式」という三つの選抜形式があります。

古文・漢文が試験から除外されるのは、グローバル・メディア・スタディーズ学部のみとなっています。

  • T方式(同一配点型)
    試験科目:国語(60分 / 100点)・「地理歴史」「公民」「数学」から一つ(60分 / 100点)・英語(60分 / 100点)

  • S方式(特定科目重視型)
    この試験方式では、各学科が指定する科目の得点が2倍になります。

    試験科目:国語(60分 / 100点)・「地理歴史」「公民」「数学」から一つ(60分 / 100点)・英語(60分 / 200点)

4.専修大学

同校の一般入試は、

 ・スカラシップ
 ・全国入学試験
 ・全学部入学試験
 ・学部個別入学試験

この四種類ですが、古文・漢文が不要なのはネットワーク情報学部のみとなっています。

  • 全国入学試験
    試験科目:国語(60分 / 60点)・数学(60分 / 100点)・英語(60分 / 100点)

    ただし、スカラシップ入試や他学科と併願する場合には、国語は古文も含めて全て解答する必要があります。

  • 全学部入試
    試験科目:国語(60分 / 60点)・「地理歴史」「公民」「数学」から一つ(60分 / 100点)・英語(60分 / 100点)

ただし、上の三科目に加えて共通テストの「数学Ⅰ・数学A」の受験が必須となるので要注意です。共通テストの点数は合計点には加えられず、基準点(2023年度は35点)以上が合否判定対象となります。

学部個別入試についても同様となっています。

大学入試における古典科目、なぜ必要ないのか

大学入試における古典科目の必要性を問い直すことは、教育の現代化と学生の利益を最優先する上で重要な議論です。以下に、大学入試で古典が必要ないと考える理由を、簡潔にまとめてみます。

現代的なスキルへのシフト

現代社会では、情報技術、データ分析、外国語能力といったスキルが高く評価されています。古典学習も重要な洞察をもたらしてくれますが、これらの現代的なスキルへの時間投資を優先することで、学生は将来のキャリアに直接役立つ能力を身につけることができます。

学生の興味と動機付け

学生の関心や学習意欲を引き出すためには、彼らの好奇心を刺激し、現実世界の問題解決に直結する内容の提供が重要です。古典文学は一部の学生には魅力的かもしれませんが、すべての学生にとってそうではないため、選択科目としての位置付けが適切です。

教育資源の有効活用

限られた教育時間とリソースを、学生が将来必ずしも使用しない知識の習得に割くのではなく、批判的思考能力、問題解決スキル、創造性といった普遍的かつ実用的な能力の向上に注力すべきです。これには、古典文学よりも実践的な学習が有用でしょう。

多様性と包摂性の促進

教育は多様なバックグラウンドを持つ学生すべてに開かれていなければなりません。古典を必須とすることは、特定の文化や価値観を優先することになり、多様性の観点からは望ましくありません。学生が自身の興味やキャリア目標に基づいて教育内容を選べるようにすることが重要です。

結論

大学入試において古典科目を必須とすることは、現代社会のニーズと学生の多様性を十分に反映していません。

教育システムは、変化する世界に適応し、学生に最も関連性の高いスキルを提供することに焦点を当てるべきです。

古典学習の価値は認めつつも、その位置付けを再考し、より柔軟で学生中心のアプローチを採用する時が来ています。


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