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夏至と太陽と土

7月になりました。今回の内容は「夏至」の前後に投稿したかったのですが、7月7日はあっという間に次の「小暑」です。
暦を意識して生活すると、季節の移り変わりをより鮮明に感じることができる気がします。それにしても日々すぎゆくのが早いこと、早いこと…。

今年は記録的な早さで梅雨入りした長崎ですが、6月中はほとんど雨らしい雨が降らず、7月に入ってからもたまにパラつく程度。
まるで二月早く夏が来たような日のまぶしさと暑さ。
これまで夏といえば8月から9月、と感じていましたが本当の夏はまさに6月じゃないかと思わずにはいられません。

自宅の庭に一坪ほどの小さな菜園をつくっているのですが、初夏に植えた野菜の種や苗がこの一ヶ月でぐんぐん成長し、今やすっかり大きくなっています。早くに植えたアイコトマトの苗はわたしの背丈を越えそうです。

芽がのびて、葉がふえて、花がついて実がなって…収穫して食べるところまで、このわずかな期間で起こっているのです。
「生命力」だな、と野菜たちの面倒を見ながら感じる日々。

生まれたての小さな茶色いカマキリが、いつの間にか大きくなって、手を近づけると威嚇されたりして、儚くも美しい命を祝福したい気持ちになりました。
オクラの葉の裏にアブラムシがいて、ちまちま取り除いていたときのこと。二つ星のナミテントウが飛んできて、小さなこの畑にもちゃんと生態系があることを気づかせてくれます。

「花の町、長崎」
これは出島町にあるギャラリー「Soubi’56」で展示されている作品に添えられた、作家の手記の中の言葉です。
これを見た時、花の町というイメージを長崎に抱いたことがなかったので一瞬「?」となったのですが、たしかに町に出ればさまざまな花を見ることができるなと感服したのです。

この手記が書かれてから時代は移り変わり、現在は彼が見た風景とは異なるところも多いのでしょうけど、温暖な気候で豊かな植生があることは確かです。
街路や軒先にある花は多様で、まち歩きしていて飽きません。

こちらのギャラリーについては一本記事が書けそうなくらいなので、またの機会にご紹介するとして…
いざまちを歩けばよく出会うのは「紫陽花」です。

紫陽花は長崎市の花に指定されている、わたしたちには馴染み深い花です。
夏が近づけば小学生のときに配られた夏休みの課題「あじさいノート」を思い出します。
紫陽花は色だけでなく種類の多さでも知られていますが、わたしは特に淡い青やピンクの紫陽花が好きです。

近所にある紫陽花が咲き乱れる小道は、この時期のお気に入りスポット。
しばらく眺めていると…近くで飼われている猫が「撫でて!!」と言わんばかりに寄ってきてくれます。

しかも黒猫&白猫。
組み合わせが最高すぎる!

紫陽花をよそに遊んでいると、いつの間にか体中を蚊に刺されてカユイカユイと言いながら帰るのがこの季節恒例です。

この紫陽花もまた「生命力」を強く感じさせてくれます。
まず葉っぱ。

花に負けないくらい大きくて、ツヤツヤして濃い緑色。葉だけでも十分美しいと思えるのはわたしだけでしょうか。
とってもかっこいい。素敵。

花もいいですよね。
でも今回はあえていつもと違う角度から花を見てみました。

花の裏側です。
ドーム状になっているから、覗き込むと花の色が透けて幻想的な空間になっているのです。
自分が蟻くらいの大きさになって、自由に移動ができるなら、紫陽花の裏側を好きな人と散歩したいです。

つぼみの展望台でのんびり、風景を眺めてもいいかもしれません。

でも結局、猫の鳴き声や船の汽笛を聞いて、今この時こそ最高であると納得するのです。
目の前の色とりどりの紫陽花、奥に洋館、さらに向こうに港が見える風景は何物にも代えがたいのですから。

花の町、坂の町、猫の町…
長崎はいろいろな視点で楽しむことができます。
しばらくは花や植物に敏感になりながら過ごすことになりそう。
熱中症とコロナに気をつけながら、夏を楽しもうと思います。
これを読んでいる皆さんも、ご自愛ください。
それではまた。

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