見出し画像

PTA広報紙おせっかいマニュアル〜 6. 撮影のポイント

 1枚の写真が、文章よりも雄弁に物語ることがあります。
 そういう意味でも、広報紙においても写真は非常に重要だと思います。大胆なことを言えば、見出しと写真だけで、読み手の想像力が膨らみ、伝えたいこと以上のメッセージが伝わることもあります。

 また、いまではスマホの写真でも印刷物に使うのに十分なクオリティがあると思います。そこで、この章では、初心者の方向けに、スマホであれ、一眼レフであれ、いかに素敵な写真を撮ることができるか、紙面に生かすための工夫などについてご説明したいと思います。

たくさん撮影する

 とにかくたくさん撮影することです。スマホやデジカメであれば後から失敗カットは削除できますから、たくさん撮影しましょう。バッテリーやメモリカードは十分に余裕をもって準備しておきましょう。

恥ずかしがらない

 なかなか撮影をするのも最初は恥ずかしかったりします。ですが、撮影しないことには何も始まりません。場合によっては前のほうに出ていったり、上のほうにあがったり、遠くからなどさまざまな場所から撮影しておくと意外に使えるカットがあります。

人物撮影は、左右、正面、上下の写真を複数撮影しておく

 人物の撮影をするときには、左から、右から、正面から、また、下のアングルから、上のアングルから撮影するようにしてみましょう。人のよっては左右によって印象が違ってみえたり、下の角度から撮影することで臨場感が生まれますし、上のアングルから撮影すると出来事として客観的に捉えることができます。

 もちろん、どれが正解とは言えませんが、たくさんの角度から撮影することで、その現場の雰囲気やニュアンスが伝わるものが撮影できると思います。現場の様子によってなるべく多く角度を撮影するようにしてみましょう。

ヒキ画面とヨリ画面を必ず撮影する

 人物もそうですが、行事そのものについても、なるべくひとつの対象に対して「ヒキ」と「ヨリ」の撮影をしておくきましょう。

 「ヒキ」とは全体を撮影すること。「ヨリ」とは近くを撮影したり、ズームしてアップにして撮影すること。

 たとえば、講演会などでは、会場全体を撮影したら、必ず、講演者のアップやバストショット(顔から胸元くらいまでが入る画角)で撮影します。

 運動会であれば、競技全体を撮影したり、競技している子どもたちを撮影したり、必ず、「ヒキ」と「ヨリ」を撮影しておく。これは習慣として身につけておくと良いです。後から便利です。

実際に使う画像より余白を入れておく

 さて、実際に撮影したものを後からデザインに割り当てるときにいろいろと問題となることがあります。

 それは、写真に余白がないために、デザインを妥協してしまうことです。

 あとちょっとだけ右側に余白があったら、とか、背景の空がもうちょっと写っていたら、なんてことがよく起こりますし、縦長で撮影してしまったために、デザインを妥協してしまうことがあったり。

 もちろん、どんなにうまくやっても難しいことはあるんですが、なるべく撮影するときに、こういうふうに使ってもらえたらいいな、と思うときは、その画角より、全体的に大きく撮影しておいたほうが良いです。

 上下左右にちょっと余白を残して撮影してみてください。

 なお、

 この写真は、実際に使っている写真の上下左右よりもかなり大きく撮影しています。撮影した写真は上下左右にあと10ミリ以上の余白がありました。こういう紙面に縁がでないように写真でいっぱいに使う方法を「断ち切り」といいますが、断ち切りで写真を使う場合は上下左右に余裕をもって撮影しておいたほうが良いです。

 さらに、この写真はもともとタイトルや、キャッチコピーを掲載する予定だったので、あらかじめそのデザインを想定して撮影しました。

 ですから、タイトル部分やキャッチコピー部分は大きめに余白をとっているのがわかるとと思います。

 このように写真に余白を持って撮影するだけで、デザインの可能性が拡がり、そのことで、良いデザインの広報紙が仕上がることになります。これも習慣としてやってみると良いと思います。

動きのある被写体は連写する

 動いている被写体、といえば、運動会などで子どもたちは動き回るわけですが、そういった被写体を撮影するときは、連写がおすすめです。

 いや、連写しないと撮影できないと思います。

 いわゆる「連写機能」などがある場合は、それを使用すると良いでしょう。

 また、連写機能がない場合は、何度も続けてシャッターを切ると良いです。とにかくたくさん連写していると、必ず「奇跡の一枚」が写っているはずです。

遊びのカットも撮影しておく

 撮影するときは、「遊び」のカットも撮影しておきましょう。

 その行事に関係ない現場の風景や、花や植物でもいいですし、子どもたちの肩越しの先生や、ピントをずらしてストーリーが感じられるような撮影(たとえば、手前がぼけてて、奥にピントがきているなど)もどんどん試してみましょう。

 たとえば、こんな写真が遊びカットです。

 こういった遊びカットから表紙になった写真があります。

 この写真は、委員の一人が取材が終わって帰るとき、たまたま見つけた様子を撮影した写真です。

 この号では別の写真を表紙にする予定でしたが、これがとても良い写真だったので、急遽表紙として採用しました。

 このように遊びのカットが表紙になることがあります。とにかく常に撮影して遊んでみることが大切だと思います。

撮影する際はなるべく被写体のそばまで行く。

 これはぜひやってみてください。なるべく被写体のそばまで行く勇気、そして、同時に、邪魔にならないようにする配慮。それは臨機応変ですから、空気を感じることができるように普段からどこまでいけばいいか、を考えながらチャレンジしましょう。

インタビューなどは被写体と会話しながらの自然な表情などを撮影する

 「自然な表情」は大切です。どうしても、私たちはカメラを向けられたり、鏡に向かっていると、不自然な表情をしているみたいです。

 「写真写りが悪い」と感じている人は、おそらく、この無意識のカメラ目線、のせいだと思っています。時間があったら研究したいのですが、無意識にそういう表情を作ってしまいます。

 インタビューでしゃべっているときの表情をさまざまな角度から撮影してみてください。たくさん撮影しましょう。その中にいい表情の写真が1カットでも撮れていればそれは大成功です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?