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【Starlight Destiny#1】おぎゃーと言わなかったわたし

私の母方は昔から「拝み屋」と言う家系です。

遠い昔、名が高い方の階下で物事に何かあると拝み、また問題が発生する人がいた場合には死んだ人の魂を呼び出して話したり、敵に呪いをかけて相手の家を滅ぼすなどのお仕事的なことをしていた血筋らしく
曽祖父が末裔であると聞いてました。

一見怖いなと感じるかもしれません。
私も心に憎いと思うって相手を念じると自分の寿命が
5歳縮むのでやめなさいと叱られてことがあります。

たとえば普通肌の方は何もしてなくても大丈夫ですが、
敏感肌の方は乾燥するだけでかゆくなったりしますよね?そのかゆくなった原因を調べていかに治そうか考える。
曽祖父のお仕事は悩みのある人から徹底的に原因を聞いて
それが現在の世界にいる方に火があるかないか?
前世なのかを司って必要な呪文を使ってその方の
お気持ちを楽にすると言う心のお医者さんなのかな?
あとから聞いたのですが陰陽暦を使ったりするので
陰陽師家系ではないかと言われています。

物心つくころには曽祖父は他界しましたがおぼろげに覚えているのは、
サンタクロースをガリガリにした風貌でいつも着物を着てました。

私のことは名前で呼ばず「こども」と呼ばれていました。
なぜこども?名前の意味はないの?と不思議でしたが
ようは名前を一人一人覚えるのが面倒だったのでひとくくりに
「こども」と呼ぶようにしたそうで、母もいまだに「こども」と
呼ばれるようです。なんだ代々そんな風に受け継がれているのかと
思いました。

何か問題がある人が訪ねてくると
神棚ちっくなところにその方を座らせて曽祖父が白装束に着替え、
回りに尋常じぁないくらい火柱を立てたタイマツを立て、
よくわからん呪術を唱えるときまって曽祖父が「ぎゃ~」と腹の底から声を上げて悩み人に何かを告げている。

青森にあるなんとかと言う山にも関係もあるらしい。
それは亡くなった人を呼ぶことなどで知られている名所だとは思うが詳しいことは聞いたことがありませんでした。
そんな過去の話をする人がだれもいなくなってしまったので今とても懐かしく感じるのも事実です。もっと深く聞いておけばよかったかも。
そんな私もあと何年かすると天に召されるので見聞きしたことを
文章にして残せたらいいなと言う気持ちです。

私が生まれる時、母が実家に里帰りし、たまたま曽祖父のところにご相談者が来ていて、その隣の部屋で母が出産待機。
もっと部屋を別にすべきとは?と思うがあまり考えてなかったんでしょ。
きっと
母が生きる人間を生む声と曽祖父の声が双方の声があまりにも大きかったため知らない間に私は床に転がっていたそうです。
背中をバンバン曾祖母にたたかれて鳴き声をあげたそうですが、
おぎゃ~ではなく無言ですすり泣きをしていたそうです。
周りに気を使っていたのか?その歳で・・・。
あまりにも回りが騒がしくて驚いて泣くのを忘れていたのだと聞かされていましたが、今になってはどこまでが本当なのか?と
天国に電話して曾祖母・祖母・母に聞けるものなら尋ねてみたい。


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