社員を大切にする意思決定をするために、「自分を映す鏡」を持とう。経営者の振り返り対話の公開(第1回)
医療者や経営者を中心に、定期的な振り返り対話を、2017年から仕事でやっています。
いま不安が広がっている中だからこそ、必要な医療者や経営者に届けられたらいいなと思っていた矢先に、経営者の友人が対話の内容を公開しても良いと言ってくれました。↓
振り返り対話で話している内容は、基本的にオープンにしない方が安全だろうと考えているので、これまでオープンにはしてきませんでした。
友人に後押ししてもらえたので、振り返り対話の内容を少しずつ公開していこうと思います。
経営者なので、行動が早いです。すぐにFacebookに投稿してくれました。↓
↑2回目の振り返り対話を終えたタイミングだったので、1回目からの変化(今日の感情がこの前と違っても良い)も含めた感想を書いてくれています。
課題図書というのは、1回目の振り返り対話後に、このタイミングでのオススメ本をお伝えしました。
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グループで行う「振り返り対話」については、長尾さんのこの投稿が簡潔にまとめられています。グループで行う際などにぜひ参考にしてみてください。
では、振り返り対話の内容の一部を対談形式でお伝えします。
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対話相手:グロースエンジン代表取締役 金井路子さん
金井さんは、コルクラボというコミュニティで出会った友人です。
コルクラボの中では、作家の伊東潤さんを応援するプロジェクトに誘ってもらい、一緒に活動させてもらいました。
誰かを応援したいという気持ちがとっても強い方で、贈り物でひとを繋ぐ「オーエンズ」というサービスも作っています。
インターネット通販を主軸とした事業開発を行う企画・プロデュースカンパニーである株式会社グロースエンジンの代表取締役です。
金井路子(かない・みちこ)さん
大妻女子大学卒業。1999年株式会社インデックスに入社。 携帯公式サイトを全36本企画からサービス設計・運営。2002年株式会社ディー・エヌ・エーに入社。2004年モバオク立ち上げ、2009年ビッダーズ事業MD統括部長、2011年モバオクマーケティング部長を担当。以来、Eコマースを中心に、約20年間webサービス企画開発、運営、マーケティングを経験する。創業後は、コミュニケーション・アーキテクトとして、事業拡大はもちろん、組織構造・機能役割にも着目し、円滑な情報伝達の仕組み化や組織・コミュニティ形成を基軸とした売上貢献をミッションとしている。
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第1回2020年4月7日のランチメニュー
金井さんとの振り返りは、いつもランチタイムに行っているので、金井さんのランチメニューもご紹介。
本日のランチは、6curryのカレー
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振り返り対話(60分)の内容
坂本:
久しぶりですね。最近、どうです?
金井さん:
元気。この元気が、いい意味なのかは分からないけど。
がんばらなくちゃっていう感じ。必要以上にがんばってる感じかな。
3.11の時は、あきらめがついたんだけど。コロナの今は、何かできそうなことがありそうで。
坂本:
たしかに、地震とかの災害とはちょっと違いますもんね。
いつもと違うことばかりですし。いろんな不安でてくることありますし。
金井さん:
収入がとぎれるとかの不安はもちろんゼロではないけど。
コロナにかかって、2週間後に死ぬかもしれないって思ったりとかもあるし。
3.11の時は、まだ会社員だったけど、上から指示や方針がはっきり出てたから、感情的に揺れるってことはあんまりなかったかな。
あとは、SNSとかで、友達までいってない薄く知っている人の投稿見てると、このひと大丈夫かな?不安なのかなとか、こういうひとだったんだなって分かることとかもあって。そんな風に少し嫌な感情を持ってしまう自分も嫌になることもあったり、なんか発信するのも躊躇しちゃうこともある。
坂本:
この投稿、嫌だなって感じるってことは、自分が何かを発信した時に、同じように嫌に思う人がいるかもしれないってことだから、発信するのちょっと躊躇しちゃいますよね。
金井さん:
前は発信するときに、そんなことなかったから。
坂本:
金井さんは、これが正しいって思うことをまっすぐに突き進む感じがあるから、前は発信するときに迷いが生まれることはなかったんだと思うけど、今回のコロナは、これが正しいっていうのがまだはっきりしてない部分もありますしね。
あとは、3.11の時と今の違いは、やっぱり会社員だったか、経営者なのかの違いは大きそうですよね。
金井さん:
社員のみんなのメンタルが心配。子どもがいる人と、子どもがいない人と混在してて。子どもがいると、思ったようにできないって言う人もいれば、リモートが良いって言う人もいたり。
ツールにイラっとすることがある。今までは気にならなかったのに。いつも以上にイラっとすることが多い。わざわざ言うことじゃないのにって思うこともあったり。テキストチャットだからなのかもしれないけど、長文で理由を説明されたりすることにイラっとしたり。自分でも、こんなこと言ってもしょうがないなって思って書くのをやめることもある。
坂本:
うちも子どもの保育園が休園になって家にいるようになると、本当に思った以上に仕事にならなくて困ってます。今までなら、気にならなかったのに、つい怒ってしまうこともあったり。
余裕がないと、同じことでもイラっとするもんなんですよね。100ml入るコップに、20ml分の氷を入れるとすると。30mlしか入ってない時に20ml分の氷を入れても合わせて50mlだから気にならない。けど、今はコロナの不安や、働き方の変化、いろんなストレスで余裕のない状態になっていて、普段からコップに70ml入ってるような感じですよね。そこに20ml分の氷が入ってくると、ストレス自体の大きさは変わらないけど、合わせて90mlになると思うと、コップから溢れそうになるんじゃないかって思って、反応してしまう感じ。その反応がイラっとする感情だったり、発信するとそれに対してだれかが反応するのではと思って避けてしまう行動だったり。
金井さん:
なるほどね。コルクラボに入ってる時に、発信するのが怖いって言ってた人がいたのを思い出した。その時は分からなかったけど、今は分かる。誤読されるのが怖い。
坂本:
ぼくもずっと発信するの怖かったんですよね。まさに誤読されるのが怖い。誤読されないように、そう思うと文章が長くなっちゃんうんですよね。今ぼくがコップの説明したみたいに長くなったのもそうですし、社員の長文とかも、そう。
金井さん:
コルクラボで、『安全・安心』ってよく言ってたけど、当時はちょっと分からなかったけど、今なら分かる。雑談が必要なんだろうな。効率悪いかもしれないけど、今は必要な気がしてる。いつでも声かけてもいいよって。
今、社員の家庭の話を聞いて、奥さんが医療者で、自分が子どもの面倒を見なきゃいけないっていうのが分かると、仕事でもその人への許容ができるようになる。その人の状況、大切にしていることを知らないといけないんだなって改めて思った。
坂本:
そうなんですよね、余裕がある時、元気な時は目標に向かってガンガン行くというか、行動することができるかもしれないけど、余裕のない時にはちょっと難しいことがある。そういう時こそ、その人の大切にしてること、家族や生き方も含めて知っておくのが大事だったりしますよね。
金井さん:
誰かとどうでもいい話をして、受け止めてくれる人がいたり。飲み会をして息抜きしたり。そういうことで保ってたんだろうな。けど、今はその『誰か』と話す機会がなかったり、飲み会ができないから、会社でする必要があるのかもしれない。やってみて知って、ということが多い。
坂本:
話すって大事なんですよね、思った以上に。
金井さん:
これまで、一緒にいた経営者たちはお金をシェアしましょうって人たちが多かった。『身のたけの幸せ』というか『自分の幸せ』、生活費というか『自分の生活状態』を決められる人たちと一緒にいた。何が大事かをわかってる。家族の時間、自分の時間。そういう何が大事かを分かってる人が多かった。自分も意思決定の時にそうしてきたなって思う。これからも、そうやって誰かを助けていけばいいんだろうなって思ってる。
今はこうだけど、半年後、1年後とかどうなっているか分からない。もし仕事がなくなった時に、何やるの?とか、今のうちに助成金なのとか、今何が必要か?とか、分からないとことが多い。けど、今できることをやっていこうと思ってる。
坂本:
そうですね、分からないことが本当に多いですもんね。けど、今できることをお互い少しずつしていくしかないですもんね。また来週か2週間後にでも話せるといいですね。
金井さん:
なんか話せて楽になった気がする。また次回ぜひ。
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対話後に、メッセンジャーで、会議で雑談をする時に参考になるかもしれないと「1兆ドルコーチ」をオススメしました。
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【第2回】振り返り対話はこちら
第2回:振り返り対話はこちら↓
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最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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メディカルBECS 代表 坂本岳之(さかもと たかゆき)
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