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本屋じゃないけど本屋のはなし

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本屋はやめちゃったけど本屋が好きな人の本についての雑談。
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#推薦図書

読書が人生を救うかは別としても、取り急ぎ私の生活を守ってくれた個人的3冊

生活がヤバい、暮らしがヤバい、人生がヤバい。 ストレスと疲労がたまり、精神的にも肉体的にも限界を感じ始めていた1月の終わり、ついに腰をやった。重くなってきた子どもを抱き上げた瞬間、これまで経験したことのない激痛が腰に走り、動けなくなった。必死の思いで身体を引きずりながら近所の整形外科に行くと、「椎間板が傷んでいる」のだそうだ。 椎間板ってアレか?ヘルニアとセットで語られるソレか、なんて考えながら日常生活で気をつけることは…と消え入りそうな声で聞いて、なんとか帰宅。薬を飲ん

イントロからエンジン全開でもいいじゃない

書店で本を選ぶとき、あなたはどこを見るだろう?外側だったらタイトル、表紙、帯、中身、文庫の裏のあらすじ。内側だったら目次、冒頭、あとがき、解説。いろいろあるに違いない。 ちなみに私は小説においては冒頭と終わりを読む。なぜ終わりまで、という風に思うかも知れないが、終わり方が自分の好みに合うかをなんとなく見る程度なのでネタバレ的な危険性はない、と私は思っている。それに実際読み始めると最後にどんなことが書いてあったかなど忘れてしまうものだ。ついでに白状すると、よくある「ラスト一行

予定のない休日はノンストップで読みたい小説と共に

「徹夜必至」「電車乗り過ごし注意」「ページを捲る手が止まらない」「一気に読んじゃいました」 どれもこれも本屋でよく目にする文句だ。あまり目にしすぎると「ほんとかよ」と思ってしまうかもしれない。「んなわけないだろ、徹夜はさすがに無理だよ」「気をつけて電車に乗らなきゃだめだよ」と思うかもしれない。あるいは「いやいや、そう言っときゃ買うと思って、まったくもう」とか。 たしかに冒頭の売り文句は使い古されてきた感がある。出版社の皆々様にはぜひもっとクリエイティブな文言を生み出してほ

この暑い夏に読みたい本の話をしよう

寒い夜だから明日を待ちわびて。寒い夜の過ごし方を教えてくれたのは小室哲哉だけれど、それなら暑い夜には何をしようか。なんて、あちーなー、と思う度に「寒い夜だから…」という歌声が頭の中に流れるのはこの狂ったような暑さのせいなのか。暑さが一周してついに寒さについてしか考えられなくなってしまったのか。まあそんなことはどうでもよくて、とにかく毎日暑いのだ。そんな時こそ涼しい部屋で優雅に読書なんてどうだろう。ということで暑い日々に読みたい本を5冊集めた。 ◆高野秀行『世にも奇妙なマラソ

言葉はいつだって不完全で曖昧だ

8月1日発売のBRUTUSの特集は「ことば、の答え。」だ。 BRUTUSの本や映画の特集はなるべくチェックするようにしているが、今回はついに言葉だ。 詩、リリック、台詞、回文、対談、小説の書き出し。少しずつだけどたくさんの方向から「ことば」をみる。 個人的には、表紙のスマホ画面が割れているところと、祖父江慎の「ことばとは?」に対する答えが好きだ。詩って、なんとなく日常とは離れたところにいるような気がするけれど、それが「画面の割れたスマホ」っていう実生活のなかにある、って