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『風ノ旅ビト』で知る、孤独と人とのつながり

期間限定でPS4『風ノ旅ビト』の無料配信をしてくれていると知り、さっそくダウンロードしました。

こちらのタイトルは、ずいぶん前にPS3でプレイしたきり。久しぶりにワクワクした数時間の体験を、タイミングもアングルも下手くそすぎるスクショを添付しつつ振り返ってみます。すぐ下の画像からもう残念感が出てますが、なんでタイトルがちゃんと出るまで待てないんでしょうね…。

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『風ノ旅ビト』は7つの章から成るアドベンチャー。ゲームそのもの難易度は低く、ギミックも複雑ではありません。砂漠や遺跡のようなフィールドをひたすら歩いて、遠くに見える山の頂上を目指します。ところどころには、はためく布と、無数の墓標のようなもの。少しの不安を寂しさを感じて振り向くと、自分と同じ姿をしたプレイヤーに出会います。

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フィールドのあちこちには、触ると自分のスカーフが長くなるキラキラしたポイント(スカーフが長くなると、ジャンプの対空時間が伸びる)があったり、旅のヒントとなる壁画があります。出会った親切なプレイヤーにひたすらついていき、道を教えてもらいました。ジャンプに失敗して落っこちたりしても、上がってくるまで待っていてくれたりします。優しい…。

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でも、同行者がずっと同じペースで歩いてくれるとは限らないのです。座り込んだ人がすっと消えてしまったこともあったし、楽しく空を飛んでいるうちに相手を見失ってしまったことありました。そんなときは、独りでまた歩き出します。

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雪のなか、心細く歩いていたら、遠くからここだよと呼ぶ音がしました。このゲーム、チャットはできません。お互い、○ボタンを押してポーンと音を出すだけ。見た目はみんな同じでも、動きや音を出すリズムの違いで、「ああ、この人はさっきとは別の人だな」とわかります。

吹きつける風に二人で耐えながら、やっとのことで壁画のある洞窟へ。このとき一緒だった人とも、そこでお別れでした。

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最後の旅はひとりぼっちでした。
方向音痴すぎてどこへ行ったらいいかわからず、結局攻略サイトを見てしまう私(簡単とかいってたくせに)。「そのまままっすぐ進む」としか書いていなかったので、あまり意味がありませんでした。まっすぐ進んでも戻ってくるんですけど??と涙目になりながら、がむしゃらに歩き続けるうちに、ようやく見たことのない景色へ辿り着き…

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求め続けた場所へ。

もう諦めようかとも思ったけれど、クリアできてよかった。一緒に歩いてきた人たちのことを知りたかったからです。
クレジットの最後には、出会ったプレイヤーのIDが表示されます。私が今回出会ったのは8人でした。フルネームの入ったIDなどを見ると、海外の方がほとんどだった印象です。みんなお家でゲームをしているのかな、どんな人なんだろうとちょっと思いを馳せます。

たった独り、世界で目覚めて、理由もわからないまま旅を始める。途中、ふらりと出会った人と時間を共にし、そして別れる。『風ノ旅ビト』は人生そのものを凝縮したようなゲームです。今回はクリアするとき独りでした。おかげで気づいたのは、どれだけ大事な人がいたとしても自分のペースで歩くしかない、人生は孤独なものだということです。広い世界で、人はみんなひとりぼっち。だからこそ、ここだよと呼びかけてくれた人にただ呼び返せるだけで、言い表せないほどにうれしくなるのかもしれません。

なお今回の無料配信は、世界的に外出制限が続くなか、SIEが「Play At Home」という取り組みの一環として始めてくれた施策。もう1タイトル、アンチャーテッドも配信されているとのこと。プレイしたことはないけれど、インディージョーンズの世界に入り込めちゃうようなゲームですね。しかも1タイトルに3作入ってるやつ。太っ腹な!
おうち時間が増えたひとたちには、ぜひ満喫してほしいです。



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