映画音楽作家にハマっていた頃  ヘンリー・マンシーニ

『シャレード』のイントロのかっこよさに 中学の頃 ズッポリハマってしまった
きっかけは 尼崎OS劇場という映画館に 友達と『十戒』を観に行った事だ
もう 半世紀近く昔の話しだ
『十戒』と言うと 超大作男 チャールトン・ヘストンが主演だ 彼が出ると 超大作に決まっている
当時 あちこちに 場末の映画館があり 駅近や繁華街にあるロードショー館と違い 何本かを組み合わせて 低料金で公開していた
今もこんな映画館って 残ってるんだろうか?
それで 上演時間3時間半 チャールトン・ヘストン主演の超大作『十戒』と併映していたのが『シャレード』だった
これって いらなくね?
しかし このほぼ蛇足に思われた『シャレード』が面白かった
めっちゃ面白かった
タイトルがカッコよかった
007シリーズを多く手がけた モーリス・ビンターである
音楽がカッコよかった
ヘンリー・マンシーニである
キャストが オードリー・ヘップバーン
自分としては これだけでお腹いっぱいなんだが ケイリー・グラント ジョージ・ケネディ ウォルター・マッソー ジェームズ・コバーン
すっげ~
ジャンルとしては サスペンス・コメディーだが うちのかみさんは 最近 TVで観ていて『シャレードって 怖いやつでしょ?』と 何か勘違いしていた
片手がフックになっている男が殺された場面で 仲間のひとりがしんみりと言う
『今ごろ奴は 天国で自分の片手に出会っていることだろう』
怖いか?
併映 というと 小6の時に 父親が 珍しく というより その時が最初で最後なんだが 映画に連れて行ってくれた 
甲南朝日という 年度落ちの作品を 2本立てか3本立てで観せてくれる映画館で 料金が700円 会員になったら500円で観られる
まあ そんな映画館なのだが その時観たのは
『トラ・トラ・トラ!』
阪神タイガースの記録映画ではない 真珠湾攻撃をテーマにした戦争映画で 日米合作である
タイトルに吠えるような音がかぶさり(ここは深作っぽい)続いてジェリー・ゴールド・スミスの 黒田節をモチーフにしたような荘厳な音楽が奏でられる
重いだけの映画かというと そうではなく 渥美清と松山英太郎の コメディーチックなやり取りもあったりして笑える
トラ・トラ・トラ(我 奇襲に成功せり)の暗号が伝えられた瞬間 兵隊たちが 口々に
『トラ・トラ・トラや』
と喜ぶ場面は
『阪神 アレや!』と叫んでいるみたいで感動する(あくまでも個人の感想です)
この 大作戦争映画と併映されていたのが
『グレート・レース』である
なんちゅう組み合わせや
これは コテコテのコメディーだ
最近の若い人は このアニメを知らないと思いますが 要するに『チキチキマシーン猛レース』の映画版だ(映画の方が早いと思うけど)
これまた キャスティングがすごい
トニー・カーチス ナタリー・ウッド
これがヒーロー ヒロインで 『チキチキマシーン猛レース』だと ハンサムV9の役
対するヒール側が ジャック・レモン  ピーター・フォーク(彼を日本で有名にしたのは刑事コロンボと小池朝雄の吹き替えだ)
役どころはジャック・レモンがブラック大王 ピーター・フォークがケンケン
ピーター・フォークはさすがにハヒハヒハヒっと笑わなかった気がするが
『トラ・トラ・トラ!』の前に上演され 面白かったが ちょっと長い
次々にギャグが繰り出されるのだが なんせ小6のリテラシーである まあ でも面白かったし 音楽はヘンリー・マンシーニである
ブレーク・エドワーズって コメディー作家としてどうなんだろうか?
『ピンク・パンサー2』も 期待してたほど笑えなかったし(日本の高校生のリテラシーですけどね ちなみに音楽はヘンリー・マンシーニ)
『ティファニーで朝食を』も いまいちオードリー・ヘップバーンの魅力が活かされていなかったような(ビリー・ワイルダーの作品なんかと比較してはなんだが また 原作者のカポーティは 主人公のキャスティングをマリリン・モンローで考えていたらしく オードリーの起用に激怒したらしい わたしは ゆにおしさんという 謎の出っ歯でメガネの日本人役で出てきたミッキー・ルーニーにむかつく お前はタップでも踏んでろ!)
そして この映画も ヘンリー・マンシーニなのだ(音楽は良い!)
 
そんなわけで ヘンリー・マンシーニは すごくポピュラーな作家だし ヘンリー・マンシーニを知らなくても ヘンリー・マンシーニが作った曲に触れた事がない人が(特にわたしらの世代)珍しいぼどだが この一言に落ち着くと思う
『いいもんはいい』 







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