水民マガジン  4つのフェイズ バタフライ篇

水泳は 4つのフェイズで説明できる
① プル
② プッシュ
③ リカバリー
④ エントリー

今回は バタフライを説明する
バタフライはクロール 背泳ぎのような交互スイムではなく 同時スイムなので 若干交互スイムとは違う補助線が必要となる
プールを移動する最短距離は 直線である が 同時スイムの場合 多くの場合 前で呼吸をする(メルヴィン・ステュワートみたいな例外はある)し リカバリーのとき 両肩を同時に水面近くに出すので 上下動が生じる
したがって 直線に近いウェーブが理想だ と マイク・バローマン(平泳ぎ選手)のコーチだったジョセフ・ネギが説明している

バタフライは 1ストロークをする間に 2回キックが入る 泳ぎはじめ もしくは エントリーのタイミングで入る 第1キック
プッシュのタイミングで入る 第2キックである
第1キックは 大きなうねりが伴う
主な推進力は 重心の移動である
確かに 足の甲で水を圧しやって 作用反作用で進む要素もあるのだろうが もっと重要なのは重心移動だと思う
重心移動は 胸郭を沈め 同時に尻を水面におし出す事で有効になる
メアリーマーハーのコーチは 『ヒップで水面を破る』と言っていた(古い話でごめんなさい)
胸郭を沈める事で 頭は自然に水中に没するのであって 重心移動をしようと思って 頭を意識的に沈めるのは逆効果だ
この 重心移動を伴う第1キックが ウェーブのボトム(底)である
この時の体の姿勢は 胸を底面 尻を頂点とした大きなS字だが 前にのばされた手の位置は できるだけ水面に近い方が良いと思う
ちょうど 肩をストレッチするような形になる
① プル
この後 手のひらで水をおさえて 肘を曲げはじめ 手が肘に入れ替わり ハイエルボーの形になる
このハイエルボーの位置は クロール 背泳ぎでも説明した Tポイントである
肩をストレッチするということは 肩周りの筋肉が 急に伸ばされることである
ということは 次に 筋肉に縮もうとする動きが起こる 伸張反射である

② プッシュ
したがって プッシュは肩の伸張反射にはじまる腕のかきと 体のうねりを伴わない足の甲のキックによって 推進力を生み出す 
この時に 呼吸が入るので 身体が水面に飛び出すのだが 上に向かって飛び出すのではなく 水平に近い形で飛び出す 
ここが 直線に近いウェーブのトップ(頂点)になる

③ リカバリー
腕を水面で運ぶ動作は 肩を回す というイメージではなく 肩甲骨の回転で 腕が運ばれる というイメージである
だから 必要以上に腕を高く上げたり エルボーアップなんかをする必要はないが 肘でコントロールする意識は持っていた方が良いような気がする

④ エントリー
エントリーは 肩巾か それよりやや広めに 水面にポンと腕を置くイメージが良いのではないだろうか 手が水面近くにキープされる事で プッシュ時の水面への飛び出しがスムーズになるからだ
以前 フェルプスの動画を見て驚いたのは 水面近くに置かれた腕と 深く沈んだ上体との高低差である
つまり何かというと 胸郭でリードされる重心移動が半端ではない ということで この高低差は 肩関節の柔軟さによって実現できるものだ
あれだけ重心移動できて 足がデカくて 身長が2メートルあって そりゃあ速いわけだよ
しかし そこまで高低差をつける必要はあるのか わたし的には疑問だ
もう少し泳ぎの振幅を狭い幅でまとめて その分 より遠くにウェーブのボトムとトップを意識したほうが良いような気がする

最後に呼吸だが 呼吸はプッシュ時に身体が水面に飛び出すタイミングで行なうのだが 呼吸をする時 しない時の身体の動きは同じである
呼吸をしない時は 頭頂で水を切る 顔を水面に『のこす』 
呼吸をする時は あごで水を切る つまり顔を『おこす』
『のこす』と『おこす』だけ もっと言うと 『の』と『お』だけの違いが 呼吸をしない時 する時の違いである 
なぁんちゃってね


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