水民マガジン『スイムの仕組み』 5 交互スイム 同時スイム

ここでは交互スイム(クロール・背泳ぎ)
同時スイム(平泳ぎ・バタフライ)という用語を用いたい
交互スイムは 左右の手足を かわりべんたんに動かす 
同時スイムは 左右を同時かつシンメトリーに動かす

交互スイムのメリットは 推進局面に切れ目がないところだ 
とはいえ クロールと背泳ぎとは 速度差がある
これは何に由来するものかには ふたつ考えられる
ひとつは 意識の焦点
人は 視線の先に意識を置くと 集中しやすい 従って 進みたい方向に視線を向けると その方向への集中力が高まる
背泳ぎを泳ぐ時に 目玉を上に寄せて 前方を意識する という意見を聞いたことがある
ほとんどのスイマーは ゴーグルを着けているので 確認が困難だが 鈴木大地と覇を競ったソ連!のイゴール・ポリャンスキーが 目玉を上に寄せて泳いでいる映像を見た事がある
もうひとつは 肩甲骨の存在
肩甲骨は 腕の背中より後ろへの可動域を阻害する
これによって ヒトはGIジョーのように肩をグルグルと回せないのだが そのために肩関節がボロボロになるのを 防いでいる と言える
(GIジョーは 体の様々な関節が動く それまでの常識を超えた 画期的な人形だったが 小学校の頃 友達のうちのおもちゃ箱に 全身の関節があらぬ方向に曲った 高所から転落した〇〇のようなGIジョーを見て ショックを受けた)
要は 目玉が頭の上についていて さらに肩甲骨が身体の前面に付いていれば(こうなると どちらが前でどちらが後ろかわからなくなるが)クロールと背泳ぎの速度差は縮まると思う

同時スイムは 腕 脚 それぞれを 左右同時に動かして泳ぐ
交互スイムより 1ストロークの推進力は大きい
しかし 推進局面が断続的なので ロスも大きい
バタフライは 一時期 クロールを超えるのでは と思われてきた
しかし 速度はクロールに劣り 背泳ぎに優る
バタフライのストロークの強靭さは 顔の高さほどの塀をよじ登ってみるとわかる  
ほとんどの人は 両腕を使って バタフライのストロークのような形で登るだろう
力を入れやすいからだ
 
バタフライの推進力は 第1キックの重心移動とキック 第2キックと共に入る腕のかきで担保される
バタフライの軌道は ウエーブなので ウエーブのトップからボトムに落ちる第1キックの局面 ボトムからトップに浮上する 第2キック(プッシュ)の局面が 交互につながっていく
推進局面は 断続的にならざるを得ない

平泳ぎは 腕のかき キック 共に瞬間推進速度が速いという
しかし 他の泳ぎに対して スピードが劣るのは 腕のかきのスパンが短いのと 腕 脚 共にリカバリー(戻し動作)で水の抵抗を受けるからだ

したがって 平泳ぎは いかにブレーキを最少にするかが 最大の課題になる

以上 同時スイムを練習したあとは 交互スイムでほぐすと良い のだそうです



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