水民マガジン 『楽に泳ぐということ』 けのび

近代クロールの基礎を作ったのは ハワイのカハナモクだと言われている
カハナモクは サーフィンでもレジェンドなので サーフボードの上で腹ばいになりパドリングをする というサーフィンのテクニックが クロールのヒントになったことは想像に難くない(逆かも知れないけど)

サーフィンと水泳との違いは サーフィンはボードとパドルがセパレートなのに対して 水泳はボード(胴体) パドル(手・腕)が一体であるというところだ
サーフィンに限らず カヤックなど ボード・ボートとパドルがセパレートの場合 ボード・ボートはフラットで横揺れしないのが理想だが ボード・ボートとパドルが一体になっている水泳はそうはいかない
肩甲骨により 肩の可動範囲が限定されるので クロールの場合は水面 背泳ぎの場合は水中の動作がままならない
これらの動作を滞りなく行うテクニックが ローリングである
身体を左右に傾けることで 肩甲骨による可動域の限定を 解消する
さらに このローリングという動作は 腕のかきに 体幹の筋肉を動員できるという 良い作用をもたらした

けのびであるが 一般的にけのびは 両腕を前に伸ばし 壁 またはプールの底を蹴って 浮身をする
しかしながら けのびを 泳ぐ時の姿勢の基盤 だと考えると 泳法によって 使い分けるべきだ 
けのびを安定させることで 泳ぎも安定し 楽に泳ぐ事につながる

クロール 背泳ぎは フラットの状態でいる曲面は ほとんどなく 左右の切り返しの連続なので 水の中にレールを想定するならば 右レールに乗る片手けのび 左レールに乗る 片手けのび が1セットになる 
 
片手を前に伸ばすと レールは水の中にあるので 自然に身体は傾き 伸ばした腕と反対側の肩が水面に出る
この 左右のけのび姿勢が安定すれば ストロークが長くなり 安定する

これは背泳ぎも同様で 水中のレールに 片腕を乗せるならば 反対側の肩が水面に出てくる

平泳ぎは グライド姿勢が大事で クロールのように 直立姿勢ではなく 胸を前に出し おしりを後ろに出す
脚はしっかり伸ばし 全体としては 体操選手がよくやるようなS字姿勢が良いと思う
頭は肩幅に広げた両腕の間に 自然に収まる
つまり おしりから胸に重心が移動するイメージである

バタフライは 第1キックの時の姿勢が 平泳ぎ同様 S字だが 平泳ぎより少しカーブが大きい
うねりの重心移動が 推進力の根拠のひとつになっているからだ
第2キックの局面では 気をつけの姿勢で 背すじを伸ばし クロールのような姿勢になる
頭は 水面に少し出た状態になる




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