水民マガジン 水泳 平泳ぎ篇 3/3 タイミング 

平泳ぎには 腕のかきの推進力 キックの推進力と推進のプロセスが2つある
瞬間的な推進速度は バタフライ 背泳ぎ クロールを抑えて 1番であるらしい
しかし例えば 100mの世界記録を比較すると クロールに比べて10秒ほど遅い
原因は リカバリーであり このプロセスで 泳ぎにブレーキがかかってしまうのである
リカバリーには 2つあって 腕のリカバリーとキック(脚)のリカバリーである
したがって まず リカバリーのブレーキ要素を できる限り 削り取っていく必要がある
腕だと 手を身体の幅の内側にまとめて ピンホールをくぐり抜けるように 腕を前には戻す 
キックだと 膝が身体の幅の外にはみ出ないように引きつける
ここまでは 形状的な方法だが 上の動作を できるだけ素早く行なう事で ブレーキがかかっている時間を短くするのも 重要である しかしながら リカバリーが ブレーキになるマイナス要素だけのものか というと 必ずしもそうではないような気がする
キックでいうと 膝を曲げるリカバリーの反動を使って 強いキックができるし 腕を前に振り出す動作は キックによる推進力を より効果的にする
そこで 平泳ぎのタイミングで大事なことは 腕のかき込みの推進力を キックのリカバリーによるブレーキが 干渉しないことだと思う
以前 腕のかき込みによって 上体が持ち上がると その時に生じる姿勢反射によって 膝が曲がるので これを利用してリカバリー(膝の曲げ)を入れる と比較的身近の人が説明していたことがあったが これは全くの間違いである
そもそも 反射が生じる姿勢は 腰の位置が沈下した状態であり そこは 腕のかき込みを教える時に慎重に回避しなければならない案件なのである よしんば反射が生じてしまったとしても そこのタイミングで膝を曲げてキックを入れると 米つきバッタみたいな平泳ぎになってしまう
これは 腕のかき込みというアクセルを踏みながら 脚のリカバリー(膝曲げ)というブレーキをかけることになるのだ
したがって 腕のかき込みの推進力が効くギリギリのタイミングまで 脚のリカバリーは 始めてはならない
ジャズのことわざに『白人の前ノリ 黒人の後ノリ』というのがあるそうだ
白人は 音符にきっちりと音を当てはめて演奏するが 黒人は 音符に対して半拍遅れて 裏拍子で音を当てて来るので そこでグルーヴが生まれるそうだ
(まあ 技術的にそれをやる白人も いくらでもいるんだろうが)
そんなわけで 平泳ぎのキックも 
曲げて〜 蹴る  ではなく
〜 曲げ蹴る   となる
このタイミングは高く飛び上がる時に 一瞬体を沈めて その反動で蹴る
あれに近い力の使い方である
さらに キックのタイミングに腕を前に振り出す動作をあわせると より効果的な推進力が期待できる
そんなわけで 今回のポイントは 黒人の裏ノリタイミングでキックする である


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