vol.0029 女性管理者をどのように育成していけばよいでしょうか?(1/3)


採用職人の清田です。

今日のご質問は、
「女性管理者をどのように育成していけばいいか?」
というものです。


そうですね、
「2030の目標」を政府が掲げてはいるものの、
その方法に関しては各企業に委ねられているので、
お悩みの経営者も少なくないと思います。

補足をしておきますと、
2030の目標というのは、
「2020年に指導的地位に占める女性の割合を30%にする」
と政府が掲げた目標のことです。

指導的地位というのは、
役員ということではなく、
課長相当職以上のことだそうです。

指導的地位に占める女性の割合を30%にする
というのは、例えば課長職以上が30名の
会社だとすると、そのうちの30%なので、
9名以上が女性である状態になるということです。



男女雇用機会均等法が制定されたのが、
1972年7月1日ですから、
2020年の今からすると47年は経っています。

女性が社会進出するために
法整備が行われて47年経っていて尚、
指導的地位に占める女性の割合を30%に
するというのは難しいということです。


このなぜ難しいのか?
を解読して、ご質問いただいている
女性の管理職の育成方法へと移って
いこうと思います。


なぜ指導的地位に占める女性の割合が
男性よりも少ないのか?

まず男女には生物学的な違いがあります。
何か特別な事がない限りは、
子どもを産めるのは女性であり、男性ではありません。

そのため、
出産をする女性は産前産後休暇や、
育児休暇によって、数か月から数年間の
働かない期間がでてくるのは自然なことだと
思います。


今この場では、質問の意図と外れるので、
女性が出産はしても、育児はすべて男性が行えば
女性が出産により職場を離れる期間を短くして、
逆に男性が職場を離れる期間を長くして、
その差を無くしていくことができるのでは?
という話はしないでおきます。


自然なこととは言え、
仕事を離れている期間というのは、
仕事の経験値や、職場でのコミュニケーションの
積み重ねが一時停止している期間でもあります。

全く同じ知識レベル、能力レベル、
役割の人がいるとして、

10年間、みっちりと指定休日しか
休まずに働いたAさんと、

10年間、最初の4年間指定休日しか
休まずに働き、3年間職場を離れ、
戻ってきてから3年間の合計7年間
働いたBさんと、

どちらが業務遂行能力が成長していて、
どちらが社内でのコミュニケーションの
量が豊富か?

と考えたら、
Aさんの方が成長していて、
社内でのコミュニケーションの量も豊富
であることが自然です。


仕事の中で現れる課題を
解決していく能力に長けていて、
社内のコミュニケーションも豊富で、
慕われている人が昇進していく仕組みで
あるならば、

Aさんよりも、Bさんの方が指導的地位に
まで登り詰める可能性は限りなく低いと
言わざるをえません。


また、自分が責任者として、
誰に大事な仕事を任せるのか?
と考えた時に、女性は不利になることがあります。


大事な仕事ということは、
誰にでも簡単にできる仕事ではないはずです。
そのため、経験年数も必要でしょうし、
知識や能力の向上もしていかねば
挑戦することすらできない仕事でしょう。

そして、その仕事を通して、
学べることもたくさんあると思います。

大事な仕事を数多く経験している人の
方が知識や能力のベースが高くなっていく
ということです。

それを前提に考えた時に、
自分が、その大事な仕事を部下に任せる
役割だとして、知識や能力が拮抗した
Aさんと、Bさんおどちらを任命するでしょうか?


その大事な仕事が数か月間かかるプロジェクト
だとします。
すると、ふと頭をよぎってしまうのです。


「もしこのプロジェクトをBさんに任せて、
AさんよりもBさんの方が頭一つ能力が向上
するとしよう。Bさん時期未定だけど、
いずれ1~3年間くらい会社をお休みしてから
復帰したいと希望を出している。

Aさんに任せるとしたら、
BさんよりAさんの方が頭一つ能力が向上
するとしよう。Aさんは職場を長く空ける
希望はないと言っている。さて、どちらに
大事な仕事を任せようか?」


みなさんは、AさんとBさん、
どちらに大事な仕事を任せるという
意思決定をするでしょうか?


これは女性軽視という話ではなく、
生物学的に考えると、男性に重要な仕事が
集まりやすいということを意味しています。

この生物学的な違いだけが、
指導的地位に占める女性の割合の目標を30%
に掲げても達成できない理由ではないかも
しれませんが、大きな理由であることには
間違いないでしょう。


じゃあ、
女性は指導的地位に就かない方が、
いいのか?


というところから次回に回します。



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