「普通の人でいいのに!」感想 悪魔の罠のような話。

最初読んだとき、まったく意味がわからなかった。そもそもどう読んでいいのかもわからなかった。

他の人の感想をいくつか読んで、やっと「こういう話なのか?」と何となくわかった気がした。

「何かあるかもって思っていた。我慢したり遠慮したりいい子にしていれば、どこかで帳尻合わせてくれるって。合わせてくれるんじゃないのかよ、違うのかよ! そりゃそーか!」
「帳尻って誰にだよ。そりゃそーだろ」
「そんなの待っている間に自分の人生のコマ進んでいた」

(引用元:「普通の人でいいのに!」冬野梅子)

主人公の田中さんは、周りにずっと「我慢したり」「いい子にして」周りから「ちゃんとした」と言われる人生を送っている。

自分も田中さんは「ちゃんとした」人生を送っている、と思っている。

だから最後に爆発してウラジオストクに行くほど、一体何を「我慢して」いたのかがわからなかった。

「人はみんな我慢して生きている」と一般論で語るときの「我慢している」では、ビザなしで突発的にウラジオストクに行きはしないだろう。

「人」ではなく、「田中さん」は何を我慢していたのだろう?


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