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カクヨムの自主企画で「ボッチで賞(ミステリー・ホラー部門)」を開催した&結果発表

 カクヨムの自主企画で「ボッチで賞(ミステリー・ホラー部門)」を開催したので、その結果発表。


◆応募要項

「交流とか読み合いとかちょっと苦手」
「でも自分の作品が刺さる人に届くように紹介して欲しい」
 そんな人のための「ボッチで賞」を開催します。

【参加条件】
①ジャンルが「ホラー」か「ミステリー」
②★60以下の作品
③文字数制限はなし、だけど長編の場合は序盤のみが選考対象。
④読み合いをしていない。
*企画主独自の判定を行います。「読み合いを本当にしていないのにしていると判断される可能性」もあります。その時は申し訳ありませんが「運がなかった」としてご了承下さい。
*新規の作品の場合は、他作品で読み合いをしていないかを確認する場合があります。
⑤作品に対しての評価に異を唱えないかた。
*気になったところを指摘する場合があります。


◆参加作品(参加順に掲載・作者名敬称略)

「泥濘で月晴れるときまで耐え忍ぶ」森陰五十鈴https://kakuyomu.jp/works/16818023212571374883

「髑髏はかく語りき 〜「招魂探偵」謝霊の事件簿〜」故水小辰
https://kakuyomu.jp/works/16817330653136032943

「満月がいっぱい」路肩のロカンタンhttps://kakuyomu.jp/works/16818023212752345099

「オオカミさんは月下に吠える」雲隠凶之進https://kakuyomu.jp/works/16817330660912894221

「呪胎」タカハシU太
https://kakuyomu.jp/works/16816927862036159998

「紅さんはデスゲーマー」ニッケン
https://kakuyomu.jp/works/1177354054934389837

「夢の狭間は地獄絵図」美澪久瑠https://kakuyomu.jp/works/16817330668814924655

「シン・洒落怖」@shin_sharekowa
https://kakuyomu.jp/works/16818023214008625942

「痕跡」西野ゆう
https://kakuyomu.jp/works/16817330664095123918

「壁」ch-neko
https://kakuyomu.jp/works/16818023213990431232

*ご参加いただいたかた、ありがとうございました。
*自分の判断基準で「交流が多そう」と思った作品は除外しています。


◆「ボッチで大賞」「ボッチで副賞」発表&感想

★ボッチで大賞(★三つ+レビュー)
「髑髏はかく語りき 〜「招魂探偵」謝霊の事件簿〜」故水小辰


★ボッチで副賞(★三つ+レビュー)
「オオカミさんは月下に吠える」雲隠凶之進

【選考理由】
 
大賞と副賞は最後の最後まで、どちらをどちらにするか迷った。

 自分はウェブ小説は、紙の本以上に情報の管理が大事だ、と思っているウェブと紙の本では、読み手が読書しているあいだ、脳内で管理し続けられる情報量がまったく違うからだ。(少なくとも自分はまったく違う)
 読み手の視点の管理、画面の見やすさの管理、作内情報の管理、こういうことを紙の本と同じ感覚で書かれてしまうと読み続けるのにストレスがかかり続ける。
 
読み手としての自分にとっては、媒体がウェブであるという特性を踏まえて、どれくらい読み手が読みやすいように配慮されているかが最初の評価基準になる。(書き手としては常に難しく、悩んでいる部分である)

 特にミステリーは情報量が多くなりやすいので、「読み手の情報の管理負担の大きさ」というウェブ特有の事情がかなり反映されやすい難しい分野なんだな、と今回色々な作品を読ませていただいて感じた。

「オオカミさん」はほぼノーストレスで読めた。
 読みやすさが細部まで行き届いていて「VIPとして試写会に招待されている」みたいな感覚であり、驚異的なリーダビリティだと感じた。

「髑髏」のほうは大変申し訳ないのだが、この点についてはかなり厳しいと感じた。
 ただ「髑髏」は、世界観が凄く良かった。
 植民地時代の中国の話で、英国人と中国人が入り乱れているせいか、イギリスのミステリーに東洋的な神秘が紛れ込んでいるような独特の不思議な雰囲気がある。
(違ったら申し訳ないが)恐らくそうとう設定にこだわりがあって、細部まで作り込んでいるのではと感じる。
 自分はお話に出てこない、背景や設定を作り込まれている、「ハンマーで殴っても壊れなさそうな世界観」を基盤にして語られる話が凄く好きだが、「髑髏」は今回読んだ中で一番そういう雰囲気を感じた。
「オオカミさん」も独特の世界観ではあるのだけれど、ホームズやクリスティー、カーなど古き良き欧米ミステリーに愛着があるので(要は好みなので)「髑髏はかく語りき」を大賞に選ばせていただいた。


★参加作品ひと言感想

「泥濘で月晴れるときまで耐え忍ぶ」森陰五十鈴
シスターフッド要素、概要や導入、雰囲気に反して後味がいい意外性が良かった。「後味のいいホラー」は凄く難しいと思うが、この話は怖い上に読後感が凄くさわやかだった。

「満月がいっぱい」路肩のロカンタン
主人公のキャラが立っていてよかった。

「呪胎」タカハシU太
特に文句のつけどころのない短編。

「紅さんはデスゲーマー」ニッケン
ゲーム系の話が好きな人にはたまらなそう。

「夢の狭間は地獄絵図」美澪久瑠
読みやすい。落ちが想像と違ったのが良かった。

「シン・洒落怖」@shin_sharekowa
 全部良かったがけれど、特に二話の「『引』のドア」が良かった。
「怖い話」と「恐い話」を分けているなどの細部のこだわりも好き。
「洒落怖」好きの人は絶対気に入ると思う。おススメ。

「痕跡」西野ゆう
 
文章がうまく読みやすい。警察小説というあまり見かけないジャンルで、話にリアリティがあるのがよかった。書き方によっては荒唐無稽に感じてしまいそうなオチだが、まったくそう感じなかった。

「壁」ch-neko
 
そうくるか、という意外性があった。

 自分の好みで選ばせていただきましたが、どの作品もきっと「刺さる人」がいるだろうと思える作品ばかりでした。
 読ませていただいて、とても楽しかったです。
 参加していただき本当にありがとうございました。


◆前回開催「藪の中賞」&今後について

 久しぶりに開催して楽しかった。 
 また時間がある時に、今度は「ファンタジー」か「恋愛」でやろうかなと思う。

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