「私は一人、ダンジョンで目が覚めた」の特徴
この記事でゲームの概要を紹介しているが、色々な情報が集まっていて、読みにくく、プレイ感がつかみにくくなっていると感じた。
そこで、簡単にゲームの特徴だけをピックアップし、どのようなプレイとなるのか、という点に焦点を当てた記事となる。
全体の構成
1人用のゲームとなっており、プレイ人数は1人となっている。プレイ時間は30分程度となっているが、これは初回プレイ時に、長引いた時の時間であり、基本的にはそれよりも短くなることが多い。リプレイは比較的容易につくられており、同じダンジョンへ挑戦し直すのであれば、各マーカーの位置を初期位置に配置し直し、デッキをシャッフルするぐらいだ。
ただし、記憶することを取り扱っているため、何度も繰り返しプレイできるが、焦点が合っているのは、最初にそのダンジョンをクリアするまでのプレイだ。一般的なコンシューマゲームのRPGに近い。クリア後もリプレイすること自体はできるが、そこにバリューがあるようには設計されていない。
両面カードで構成されたダンジョンデッキ
ダンジョンを模したデッキが存在し、ダンジョンの手番が来るたびに、デッキの一番上のカードがその行動を決める。
ダンジョンカードは両面カードとなっており、裏面に対し、表面が1対1で対応している。また、裏面の文章はあくまでフレーバーではあるものの表面の効果を推測できるように、一定の法則に従って書かれている。
これによって、繰り返しプレイしていくことで、その法則が部分的に理解できたり、単純に前のプレイで覚えていたりして、ダンジョンの次の手番、あるいは全体的な構成が理解でき、対策が取れるようになっていく。
このプレイ感は、現代的な死にゲー(「SEKIRO」など)や、予兆に対しての処理をこなしていく「FF14」に近いものを目指している。繰り返しプレイすることによる、短期的な習熟だ。もちろん、裏面がわかれば万事解決とはいかず、カードの順番はランダム(デッキはシャッフルされる)であったり、後述するカード管理があるため、デッキ全体の構成への対策や、確率に対する見積もりを行う必要がある。
パワーアクションキュー(CivND式)による選択
「シヴィライゼーション:新たなる夜明け」や「アーク・ノヴァ」で採用されているアクション選択のメカニクスが組み込まれている。
自身のカードは横一列に並べられ、右に行くほど強力な効果を発揮するようになっている。一度カードをプレイすると、その隙間を埋めるように、それよりも左のカードが右へと1枚分動き、先ほど使用したカードが一番左へ位置する。つまり、行ったアクションを連続で選択するのは難しく、使っていないアクションは次第に効果を増していく、という構造だ。
とはいえ、これら先達のゲームとはいくつか異なる点がある。
まず、パワーが単純には比例しないこと。
左から、0・0・1・2・3となっており、基本的には左の2枚は選択肢にならないだろう。ただし、パワーに比例しない効果があったり、魔力というパワーを一時的に増加させる使い捨ての資源があるため、それらを加味して選択すべきタイミングが発生することがある。
次に、各カードには2つの効果があり、選択できるということ。
基本的には、『ゲームクリアへと向かう効果』と『ゲームオーバーから遠ざかる効果』が組み合わさっている。1枚のカードに2つの効果があるため、片方を使ってしまえば、片方もしばらく使えないことになる。
手番とバフ・デバフを管理するタイムトラック
タイムトラックを採用しており、ダンジョンとプレイヤーは交互に手番を行わず、時間が大きく離れた場合には、相手が連続して動くことができる。
また、本作には、特殊状態と呼ばれるバフ・デバフが重要な役割を持っている。これはカードの効果で付与され、必ず効果時間を持つ。いつになったら効果が切れるのか、という点も、トラックで示されている。
これらによって、プレイはどうなるのか
短期的な上達としては、ダンジョンデッキに対する理解が深まっていく。これらはプレイヤーがそれぞれ固有の体験として行うもので、各プレイヤーごとに生成されるゲームが異なるようになるだろう。
記憶による変化がなくなったとしても、デッキのランダムさや、アクション選択の状況、時間トラックの状況はプレイごとに異なり、一定の固有さを持った問題として、プレイヤーの前に立ちふさがる(といいな……)。
(※もちろん、これはそのようなゲームになる、と想定して設計がされているというだけで、そのようなプレイを強制するものではない)
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