紙ペンゲームの感想まとめ
以下の文章は全て個人的な見解です。権利者の方々による指摘や、個人的な気付きによって、予告なく変更・削除する可能性があります。
また、視界が狭い人間なので、色々とご指摘いただければ幸いです。
◆0.前提
・2人プレイのみ。
・特筆なき場合は、基本ルールのみ。
◆1.カートグラファー
・概要
ランタマイザにはカードを使用する。
捲られたピースを紙に配置するポリオミノパズルがメイン。
得点換算される目標が各ラウンドで異なることや、特定のピースでは他のプレイヤーが自分の紙に書き込むシステムが特徴的。
・感想
見た目通りのポリオミノパズルの紙ペンゲーム。
純粋にリスクマネイジメントとパズル能力が試される。
敵のピースは、本質的にはインタラクションではなく、失点を大きくするパズルであって、それを書くプレイヤーの能力に依存するため、席順における影響が大きくなっている。真面目にやろうとすると結構問題になりそう。
序盤の自由度が高すぎるので、ダウンタイムが長くなりがち。
◆2.Clever Hoch Drei
・概要
「ガンツ・シェーン・クレバー」シリーズの3作目。
シリーズ特有のピック(該当項目参照)を行うのは同じで、書き込むセクションがかなり複雑になっている。
・感想
「ガンツ・シェーン・クレバー」がシンプル過ぎると感じる人にとっては良い続編のように感じた。任意の目ボーナスの使いどころに悩まされる。
ソロゲームの場合には、そのスコアの伸びに運要素がそれなり大きい影響を与えているため、真価は複数人プレイ時にあるか。
◆3.ダイス・スター
・概要
袋からダイスを特定個数引き、それを振ってダイスプールに追加する。
ダイスプールからは同じ色か出目のダイスを全てピックし、それに対応した数値やチェックを自分の紙に書いていく。
・感想
初期の紙ペンゲームを思わせるシンプルな得点計算方法でありながら、割とゲーム的な駆け引きが発生しやすい。
ダイスのドローとピックにテクニックが求められることがありながらも、運による振れ幅も適度に大きく、軽い紙ペンゲームとして秀逸に感じる。
◆4.Fleet: The Dice Game
・概要
人数+1個のダイスを振って、ダイスドラフト。残ったダイスは全員が使用できるのが特徴。
拡大再生産要素が強く、船を有効化して、勝利点を稼いだり、ライセンスという特殊能力を有効化していく。
また、金銭がボーナスアクションに紐づいていて、一定まで溜まるとかなり自由度の高いボーナスがもらえる。
・感想
ライセンスによる特殊能力が結構派手で強力。しかし、その分、強弱がはっきりしていると感じられ、4人とかでやる場合には、その分のデメリット(競合)もあるが、2人では、ダイスピックルールや、スタートプレイヤー率の高さから、強いライセンスを優先した方が強い。よって、支配的な戦略が生まれやすくなっていると感じる。
ボーナスアクションが発生しやすいので、チェックがいっぱいでき、フィーバーしやすい構造になっているのが人気の秘訣か。
◆5.レイルロード・インク:ディープブルー・エディション
・概要
道路と線路が書かれたダイスが振られ、出た目を書きこんでいく。
紙の端と端をつなげたり、中央のマスを通ったりで得点が足される。
・感想
シンプルな線路引きを行う。
単純な割に考えどころはあるが、展開にそこまで起伏はないので、単純なパズルという感じ。
◆6.ガンジスの藩王 ダイスチャーマーズ
・概要
紙ペンゲームとしては結構複雑で、「ガンジスの藩王」を簡略化したようなゲームを行う。一方方向トラック上げ、マップ、リソースマネジメント。
4色各2個のダイスを振り、ダイスドラフト。ただ、親が選択した色のダイス(各色2個あるので、親が選ばなかった方)は、ピック出来ない。
・感想
ゲーム終了条件が可変であり、ゆっくりと効率を高めるか、一気にリソースを消費して速攻をかけるか、という駆け引きが基盤にあり、面白い。
ただ、2人プレイの場合、速攻側を止めるのが難しいように感じられた。そうなると、単純なレースに近い形になってしまう。4人プレイの場合は、逆の現象が起こっているかもしれない。
◆7.ガンツ・シェーン・クレバー
・概要
6個の色違いのダイスを振る。ラウンドプレイヤーは1ラウンドに付き、3つのダイスをピックするが、ピックした出目より小さい目のダイスは、ピック対象から除かれてしまう。ピックごとにダイスは振り直される。出目は基本的に高い方が良いが、それをピックすると選択肢が狭まる。
紙には5色に対応したセクションがあり、それぞれのルールに従ってチェックを行う。白色のダイスはワイルドカラーである。
・感想
現代的な紙ペンゲームの基盤を作った一つという認識。各セクションにはボーナスが散りばめられており、上手く連鎖させると一気に進められる。
シリーズの1作目ということもあり、セクションにおけるルールもシンプルだが、日本語版も出ていて、シリーズ入門に最適である。
◆8.Trails of Tucana
・概要
カードデッキが捲られ、各カードには地形が書かれている。2つの地形を結ぶような道を各自の紙に引いていく。特定の場所に繋げたり、島を横断するようにして岸と岸を結ぶことによって、得点が得られる。
デッキがなくなると途中決算が発生し、指定回数分なくなるとゲーム終了となる。
・感想
かなりシンプルなルールながらに、色々な駆け引きが楽しめる。
早取りのボーナスや、道がフリーで引けるボーナス、さらには中間決算があるため、どの程度リスクを負うべきか、どのような道を優先するのか、といった面白さが発生する。ルール対面白さのコスパはかなりのもの。
◆9.トロワダイス
・概要
特定のルールによって、どの色かが決まる透明なダイスを使い、それに対応する場所をチェックする。出目が高いほど、コストが高くなりやすい。
特徴的なのは、黒いダイスを使用した侵略で、それが発生すると対応する色と出目にチェックを入れることができなくなる。
・感想
リスクマネイジメントに重点を置いた設計になっている。得点体系はシンプルだが、地味にルールがある。インタラクションはない。
また、ダイスの出目を操作したり、色を変更できる資源が割と手に入るため、融通がかなり効きやすく、逆にダウンライムが長くなりがち。
◆10.Welcome to...
・概要
メインはカードの捲れによる数値配置。3つの数字+特殊能力が公開され、そのうちのどれかを選択する。
区画作成の早取りボーナスがあり、インタラクションがある。
・感想
紙ペンゲームの基盤を作った作品の一つという印象。
特殊効果も上手くまとまっていて、どの程度まで深追いするのか、という判断が求められる。
◆11.横濱紳商伝 Roll & Write
・概要
紙ペンとしてはルール量が結構ある。
ダイスとカードによる特殊効果のペアでピックをするのと、ダイスのピックではアクションパワーが溜まるだけで、どのアクションを行うのか、という選択が別にあるのが特徴的。
・感想
ルール量が多く、プレイ感としても、紙ペンゲームというよりは、「横濱紳商伝」の軽い版という印象。
ゲーム的なパズルはあるが、紙ペン的な爽快感にかけ、ルール量の多さも相まってコストパフォーマンスが悪いと感じられた。
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