domingo, 27 de agosto de 2023
お昼寝をする時、彼女はいつも何もかけずに横になり、そして2秒で眠りにつく。寝ついた瞬間、フガフガと口を動かし、そのあとはただスヤスヤと眠り続けるのだ。
今日も僕の家に来た途端、勝手にタンスから服を引っ張り出して身に付けると、それが最初から自分の服であるかのように寝室から現れ、
「じゃ、少し横になるからね」
と言って、ソファで眠った。
それでご機嫌なら、そんなに素敵なことはないと思う。
昔、検察官だった彼女はお酒を飲まない。
「こんな風になったのは初めてなんです」
「普段はそんなことするような人じゃないんです」
「私はね、これまでお酒を飲んで暴れることなんてなかったんですよ」
そう言う人たちを何百人と相手にし、また何千もの供述を聞いてきたからだという。
「あのね、誰だってそうなの。その人本人のせいなんだけど、だからと言って、そうなったことのない人に、そうならない可能性がない、だなんてことはないの」
僕が酔っ払うたびに彼女は諭すように話していた。
でも、実際は失望と諦念に満たされていたんだと思う。
明日からの仕事があまりにも憂鬱で、しばらくそうして彼女の寝顔を眺めていた。心を癒すのは、いつだって”無防備”なものだ。
大人になると無防備なんて、なかなか目にすることもないし、また提供することもほとんどなくなっていく。
寝顔、というのはそういう意味ではとても貴重な”無防備”なんだと思う。
もちろん、罪のない形で。
冷蔵庫のモーター音が止まり、一瞬空気が止まった。
彼女のお腹がふわふわと上下に動いている。
無防備な彼女を目の前に、僕の心も無防備にしてみたい。
今なら彼女も、冷蔵庫も、誰も見ていないだろうから。
どこまでも優しく、優しく。
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