2022/01/24(月)
二日酔いで眼が覚めると、すでに動き出さなければならない時間だった。何とか、何とか起き上がって彼女を見送る支度を済ませた。
絶望的な頭痛と壊滅的な胸のムカつきは、なぜだろう、何度経験しても慣れることはない。いつも大嫌い。
でも、そんなこと言っていても朝はまってくれない。昼ご飯用のお弁当箱を冷蔵庫から出して、カバンに入れる(肉じゃがの残り、ごめん)。朝ご飯はおにぎり。冷蔵庫から出して軽くチンした後、ハンカチで包んでカバンに入れる(ふりかけまぶし)。
「もう今出ないと電車に乗り遅れますよ」という時間になると、彼女のケータイから出走のアラームが鳴り出す。ラッパがぱっぱらぱっぱらと奏でるメロディは、なんだか僕の方まで尻を叩かれているような気持ちになる。
そうやって彼女は戦っているのだ。
ありがとう。君が君でいられるように、僕は支えて行く。そして今日はこの二日酔いとの戦いに勝ってみせる。
午後からは天気が良かったので、役所手続きのついでに足を伸ばして書店へと向かった。狙っていた本が置いてあって、軽くページをめくってみたが「んー、今じゃないかな」と思い、そっと戻した。
中学生くらいの子が岩波文庫のコーナーにいた。赤帯の中から一冊手に取り、近くにいた母親に「ねぇ、これ買っていい?」とおねだりしていた。素晴らしいと思った。
彼女は帰り際、「ねぇ見て、これ、14巻もある!」とプルーストを指差していた。
長い長い小説だ。
「そう、そうなんだよ。僕は半分まで読んで、あとは実家に置きっぱなしなんだ。」と心の中で声をかけた。
そして、実家から送ってもらおうかなと少し迷った末、まだフィアンセには相談していない。どうしよう。
帰宅すると、白いニットにジーンズの青が色移りしてしまっていることに気が付いた。この間買ったばかりのニットだから、今とても落ち込んでいる。明日、ハイターで落としてみよう。
二日酔いはもうすっかりよくなった。
今日はもう休もうと思う。
そして明日も彼女を送り出そう。
時が失われたってビクともしないくらいの笑顔で、優しく送りだろう。
・・・
今日も夜が来ました。
Good night.
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