2022/02/02(水)

彼女は少し前プレゼントしたkindleを今日一日中開いている。もう、狂ったように、本当。

「あなたの真似。」

と、言われた。

長い海外生活、僕はkindleがなかったらやっていけなかっただろう。最初は抵抗のあった電子書籍だが、今となっては僕の宝物だ。ちなみに彼女のkindleは新しいモデルで、僕のものよりもシュッとしてハッとしている。僕のものは、少しずんぐりで田舎臭い。

僕はどちらも好きだ。

紙の本も電子の本も、まぁ読めたらいいと思う。どちらがどうとかない。そこにあるのは好みの問題だけだと思う。実質的な本かどうか、情緒の有無、お金、など色々と考えることはあるだろうけど、なんか、もうそういうの、いい。

全く関係ないけど、今日から急に鼻が効かなくなって、僕はさらにそういうのがどうでもよくなった。だって、匂いがないと食事も美味しくない。カレー食べても、カレーの味がするだけ。本当に、”味がするだけ”。

「こんな香りだったよな」と記憶で補填しながら食べるご飯は寂しいもので、なんだかいつもよりも胃がもたれた。それに補填なんてされない。だって、記憶の中の香りすら感じないんだもの。ちょっとオリバー・サックスの本を思い出した。

でも、今まで経験したことのないこの状況、いつか何らかの形で昇華していけたらいい。どんな形かは、今は知らない。

彼女は毛布に包まり本を読んでいる。ミノムシのようになって。

「ミノムシみたいだね。」

と言うと、

「ん。」

と、顔も向けずに声だけで応えられた。

いいのさ、読書って楽しいものね。

早く嗅覚が戻って、おいしいケーキを二人で食べたい。

僕も本を読みながら寝よう。

・・・

今日も夜が来ました。

Good night.



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