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帰国した主夫、新しい街の記録

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毎日更新していきます。 ゆっくり無理なく。それでいて、少しずつ真摯に厳しく。
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2022年6月の記事一覧

2022/06/30(木)

「あのモニュメント、なくなっちゃうらしいよ。」 むせ返るように分厚い暗くなる前の空気の中…

2022/06/29(水)

僕が懐かしいと思ったのは雲の形と、その時に吹いた風に呼び起こされた彼女の顔だった。 糊が…

2022/06/28(火)

帰りの電車に揺られていた。事故でダイヤが乱れたせいで、人がわんさかと走っている電車に集中…

2022/06/27(月)

朝早く家を出た。しかし、もうそこには夏が広がっていた。 「気持ちい太陽だ。でも、これを超…

2022/06/26(日)

アヒージョ鍋のように暑い1日だった。僕はその中でグツグツ煮られたマッシュルームで、彼女は…

2022/06/25(土)

今日は3回シャワーを浴びた。 とても暑かったし、とても疲れていたからだ。 僕はシャワーを…

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2022/06/24(金)

朝、彼女を見送った後、僕は僕で自転車に跨り、図書館へと向かった。 風が吹いていて、でもその風はやっぱり湿っていて、軽い上り坂になっている道のりを進む僕は、前半のそれもかなり早い段階で汗をかきはじめていることに気が付いていた。 そして、図書館へ着きバックパックを下ろし、トイレの鏡の前に立った。 グレーのTシャツは見事にバックパックの跡そのまま汗染みとなり、そこだけ見るとまだバックパックを背負っているみたいだった。 「なんか、服着た透明人間みたいだな。いや、この場合は、バ

2022/06/23(木)

腕時計の跡がくっきりとわかるほどに、日焼けは進行していた。じわじわと土に水が染み込んで黒…

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2022/06/21(火)

バスが揺れて、濡れた傘がジーンズに小さなシミを作った夕方。 歩道は傘に占拠されてしまった…

2022/06/20(月)

コンビニで買ったアイスコーヒーは5分も経たないうちに氷が溶け始め、薄まった。汗をかいたプ…

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2022/06/19(日)

カリッとした日差しの下、僕は今日新車を漕いで街を周遊した。 朝一でバスに乗り込んだ僕は、…

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2022/06/18(土)

「振らない方に賭けたんだけど、残念。」 と、僕らはパン屋さんへ歩きながら悪態をついた。重…

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2022/06/17(金)

暑い朝。バックパックを背負って自転車を漕ぐと、図書館に着く頃には背中が汗でぐっしょりにな…

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2022/06/16(木)

朝、彼女が干してくれた洗濯物は、結局夜まで乾くことがなかった。 自転車で帰り、下り坂を駆け抜ける。その時も、爽やかな風は僕を包むことはなかった。 スーパーに寄る。煌々と照明が当たるフロア。ぐるっと外縁の冷蔵付近を回ると、やっと幾分か爽やかになった。そこに並べられた魚たちはもちろん、みんな死んでいた。僕は目も合わせずに通り過ぎた。 久しぶりにある友人から連絡をもらった。彼とは一時期、濃密に一つのプロジェクトに取り組む中、文字通り、一夏を共にした。そしてその冬、海外へ行きそ