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円魔(えんま)
FX(外国為替証拠金取引)における「円魔」という存在をご存じでしょうか。
端的にいえば、日本の個人投資家のことです。
かつて(…というか一昔前)、日本の個人投資家は「ミセスワタナベ」と呼ばれていたことがありますが、近年のトレーダー像とはイメージが異なることもあって、新しく命名されたのが「円魔」というわけです。
これは、為替ストラテジストの水上紀行氏の呼びかけで募集されたものの中から決まったそうで、言葉の響きどおり閻魔大王に由来し、「円の魔物・円の守護神」といった意味が込められているとか。
近年、米ドル/円の為替市場には海外の投資家が積極的に参加しており、かなりボラティリティが高い(値動きが大きい)通貨ペアとなっています。
海外投資家が積極的に参加している、というのはつまり、彼らに「狙われている」ということ。悪く言えば「食い物にしようとしている」と言ってもいいかもしれません。
これに対抗する存在が「円魔」というわけです。
もちろん、個人個人の、為替市場における力は微々たるものです。海外の巨大資本を動かしている投資家と、1対1では敵うはずもありません。
しかし、円魔にとって日本円は「母国通貨である」という強みがあります。戦でいうならば、「地の利」があります。
自国通貨の情報ですから簡単に手に入りますし、この国の経済を肌で感じることができます。為替相場において、これは非常に強い「地の利」となるでしょう。
もしも、円魔の個人個人それぞれが勝てるトレードをしたとしたら…。
日本の個人投資家の取引高は、単月で1000兆円を超える規模にまで拡大しています。1対1では勝てなくても、全体で見ればすさまじい力を持っているはずで、海外投資家から見ればまさしく「円の魔物」、我々からすれば「円の守護神」になるのではないでしょうか。
FXメディアの編集に携わる者として、こういった強い円魔を1人でも増やすことに貢献したい。
昨今のボラティリティの高い相場を見ていて、そう思います。
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