離れた物体に作用する力

1.イントロダクション

 前回のノートで「真実の歴史を知りたい」と言っていたのに、今回のノートは物理学に関する話です。話題が次々に変わるのは、躁状態の症状の一つですね。前回と全く話題が違うじゃねーかというと、いや、そうでもないと私は思います。

 私は日本で生まれ育ってきました。でも日本の歴史や文化を全然分かっていません。日本で生きているにもかかわらず、それらについて何も知らないままだというのは、どうも厭です。だから学びたいと思ったわけです(前回のイントロダクションでも触れていることです)。
 ――ちょっと待てよ。私はどこにいる?日本だよな。
じゃあ、日本ってどこにあるんだっけ?東アジア?
いや、より広く捉えたら地球じゃね。じゃあ、地球は?宇宙じゃね。
いや、日本は宇宙にあるっていうのは、間違いではないが、漠然としてね?ここは、「世界」というのが妥当なところかな。
 じゃあ、この世界にはどういう歴史があるんだっけ?より掘り下げると、私が住むこの世界は、いったいどのように成り立っているんだっけ――?

 
私が言えるのは、この世界は物理法則によって成り立っているということです。でも、私は物理法則について、ちゃんと理解しているのかというと、していないんですね。リンゴが地面に落ちるのは当たり前だと考えてばかりで、何でリンゴが地面に落ちるのかとは、普段全然考えてないんですね。
 長々となってしまいましたが、つまり、全然詳しくない日本の文化や歴史を知りたいのと同じように、世界の仕組みについて知りたいナ★ということです(きっかけは、物理について話している、面識のない後輩さんのツイキャスです)


2.遠隔作用の力

 ニュートン力学では、万有引力は「遠隔作用の力」と考えられていた。
遠隔作用の力とは、離れた物体の間に直接はたらく力である。

 ニュートンがこの考えを発表した当時は、この遠隔作用の力という概念は、常識離れの概念であった。
というのも、当時の人々は「物体の間にはたらく力は、接触によって生じるのがジョーシキだろ」と考えていたからである。
 だが、発表から100年もすると、遠隔作用の力もまた常識として受け入れられていった。

 何故接触していない2つの物体の間に、力がはたらくのか。
その原因については、発表したニュートン本人でさえも答えを導き出せなかった。ニュートンは、「そういうものだ、それが自然なのだ」とありのままに受け止めることにした。

 余談であるが、ニュートンは、万有引力など惑星の運動についての研究を突き詰めるにつれて、「惑星の運動を創り上げた、科学を熟知した超越者(すなわち神)」の存在を、信じて疑わなくなったという。
 一方で、「惑星の運動は神の力だ」と思考放棄するのではなく、「神が科学を扱う存在であるのならば、神が創った仕組(惑星の運動など)を、人間が科学で捉えられないはずがない」と考えていたという。


3.万有引力と静電気力

 どちらの式も、次の共通点がある。
・分母に距離の2乗
・分子に比例定数
・分子に2点のスカラー量の積

 科学者のクーロンが下の式で表される静電気力についての法則(クーロンの法則)を見つけた当時は、ニュートン力学が盛んであった。

そのため、多くの科学者たちが、
「静電気力も万有引力と同じで、遠隔作用の力なんじゃね?」
と考えた。だが、そんな中で、
「いや、そうじゃねーだろ」
と異論を唱えた科学者がいた。ファラデーである。


 4.近接作用の力


 「近接作用の力」は、離れた物体の間に、何らかの「場」を介して、はたらく力である。
近接作用の力・場の概念を把握するには、トランポリンをイメージするとよい。

 トランポリンに大きなボールを乗せると、トランポリンはへこんで歪む。
その時に小さなボールを乗せると、小さなボールは大きなボールに引き寄せられるかのように、歪みに向かって転がる。
トランポリンが場に相当し、ボールの転がりが近接作用の力に相当する。

 ファラデーは、静電気力を、遠隔作用の力ではなく、近接作用の力であると考えた。そしてその考えは正しいのだと証明された。
科学者のヘルツが、実験によって、電磁波を発見したためである。

 電磁波は、現代社会において、テレビ・携帯電話などで日常的に使われているものであり、確かに存在しているものである。静電気力が遠隔作用の力であるのならば、電磁波は存在しないことになるのである。

「え、じゃあ万有引力も、近接作用の力なんじゃね?」
 この考え方によって生まれたのが、アインシュタインの一般相対性理論である。
重力場(万有引力場)、電場、磁場という呼び方は、これらが近接作用の力を引き起こしているものであることに由来する。

参考サイト:
http://hooktail.sub.jp/welcome/enkakuKinsetsu/#id5

#科学 #物理学 #歴史

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