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Xデザイン学校2022#2エスのグラフィー/行動観察

 リフレクションを1週間寝かせてしまった…けど、書きます。(すぐに書かなかったことを反省…)

第2回のテーマはエスノグラフィー/行動観察。業務で取り組むことも多い領域ですが、輪郭を捉えられていなかったことに気づいた回でした。講義の中で「ハッ」とする体験は背筋が伸びる思いがするけど、非常に刺激的で学ぶことが楽しいと感じています。

さて、今回私が学んだことは大きく2点。それぞれ書いていきます。

調査手法の違いやポイントがわかった話

今回何より嬉しかったのは、①調査手法の理解が曖昧だったことに気づけたことと、②調査の位置付けが明確になったこと
中でもこれまで漠然と捉えていたのは、「定性調査と質的調査の違い」「エスノグラフィーと行動観察の違い」の2点です。

講義を聞きながら書いていた齊藤のメモ(リフレクション用に少し修正)

定性調査と質的調査はイコールだと思っていたけど違いました。
質的調査は「一次情報の収集(行動・生理データと発話データの2つを収集)」をする調査であり、調査対象は「人」であるという点が特徴。一方、定性調査とは非常に広い調査内容を指すものだということがわかりました。
さらに、質的調査は「行動・生理データ」をとることが調査のスタートであるという点については、自分の過去の調査設計を振り返り、「行動・整理データ」の取得を重視できていない時があったなと反省しました。

またエスノグラフィーと行動観察は、ビジネスフェーズにおいて明確に使いどころが違うという点も、今回の講義でやっと理解できました。
エスノグラフィーは、参加者として現場に入り、なぜそういったことをしているのか、問いを立て、課題を発見していくプロセスであり、新規事業の立ち上げやビジョンづくりなどに役立つもの。
一方で、行動観察は、調査時にユーザーに対する何らかの仮説があり、その仮説をユーザーの行動を観察することで確かめ、改善につなげるプロセスであり、すでにあるサービスの改善時に役立つものでした。
自分のこれまでの仕事を振り返ると、(先輩のレビューのおかげもあり)ビジネスフェーズによって調査方法も変え、モードチェンジはしていたけれども、そのモードチェンジが明確に捉えられていなかったことに気づきました。外郭が掴めたことが今回の何よりも大きな収穫でした。

仕事の現場では、予算や期間などの制約もありながら調査設計を行います。そのため、理想的な調査と制約の中でできる調査に乖離がある場合もあるかと思います。ただ、今回のお話の中で「エスのグラフィーの被験者数は少なくてもよい(極端に言えば1人でも良い)」という話を伺い、「誰に調査をするのか?」という調査対象者の選定は極めて重要なんだなと思いました。だからエクストリームユーザーのような極端なユーザーを選んで、潜在的なニーズや価値観を探ることもあるんだなと。
とはいえ、「ここを掘ったら何か見えそう!」という審美眼はセンスであり、「あ…経験大事…」と思いました。私はこの1年、センスとは何か、を追いかけるのかもしれないです。

(余談)大学時代のエスのグラフィー

(ここから余談なので、すっ飛ばしてもOKです)
大学時代の経験がエスノグラフィーだった話を残したいと思います。
私は大学時代、市民活動支援を研究しており、山形のとある地域で行われているハッカ再生プロジェクトのお手伝いをしていました。知り合い経由でプロジェクトリーダーの方(もちろん初対面)にお話を聞く機会をいただき「興味があるので通ってもいいですか?」とお願いしたところから始まりました。全くその地域に無縁の学生が1人で興味があると言ってきたわけですから、最初は「なんだこの子?」という感じからのスタート。ただ、毎週のように、片道1時間以上かけてその地区の公民館で行われる活動に参加するうちに、まずは私自身がその地域のこと、そして公民館に集う人たちのことが大好きになって、徐々にその地域の皆さんも私を仲間として受け入れてくれるようになりました。
当たり障りのない会話をしていた初期に比べると、何気ない会話の中からも「プロジェクトの課題に対する想い」や「その地域ならではの価値観や文化」などが見つかるようになりました。仲間として受け入れてもらうという部分で大きなハードルがあったのですが、それを乗り越えると面白いようにいろんなことが見えてきました
私が大学時代に経験したことは、今回伺ったエスノグラフィー調査による潜在ニーズや暗黙の価値観の発見プロセスに近いものだったし、私自身が対象を好きになった後のワクワク感、面白さ、どんどんいろんなことがつながる感じも浅野先生の話に通じるなと思い、面白かったです。
地域活動とビジネスとで、どこか切り分けていたことがあったのですが、実は共通していることがいろいろありそうだなと思いました。

サービス構造を掴む訓練が大事という話

後半に行ったPDUピラミッドによって、プラットフォームビジネスを捉えるワークも興味深いものでした。

Platformer、Developer、Userの3セクターに分けて既存ビジネスを分解するワークでしたが、この分解の仕方を身につけることで、世の中のビジネスの見方が変わると思いました。

私のチームEが着目した「BASE」は、「ペイメントを世界中の人へ解放する」というビジョンを掲げており、CMでおなじみの「ネットショップ作成サービス」だけでなく、「ショップオーナーの資金調達支援」や「ID連携」「銀行と連携したPAYサービス」など多角的にビジネスを展開していました。分解してみないと、わからなかったことです。漠然と理解しているビジネスの仕組みを理解するためにPDUピラミッドは有効だと感じました。

このフレームを使ってビジネスを分解することで、良いビジネスに共通していることは何か?を見つけることが自分の経験値やセンスを磨くための血肉になるんだろうなと感じました。同じ会社から日曜コースにあと2名参加しており、社内で振り返り会をした際にも、おもろいビジネスがあったらmiroにストックしようという話になったので、楽しみにながらチャレンジしてみようと思います。同じ会社から参加していると、後日、会社の仕事に紐付けて振り返りができるので「めっちゃいいじゃん…」と思ったりもしました(笑)

以上、今回の私のリフレクションでした。
思ったことをつらつら書いたら散文的になりましたが、書き方も毎回試行していけたらと思います。

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