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保育園年長から大学進学までの13年間の子育て奮闘記⑤

今現在、シングルファザーとして育てた『息子とのこれまで』について、全7回に渡ってお伝えしています。

今回は、息子が中・高校生の頃の話しです。誰かのお役に立てたら幸いです。また、息子にも何か届くものがあれば嬉しいです。

中学生のころ

想定した思春期ではなかった

中学生になって、急に成長したように感じました。見た目はもちろんのことですが、お洒落に身が入るようになりいい意味で年頃になったと感じました。また、小学生の間は毎朝抱きしめていましたが、いくらなんでも中学生が近づくとそれも躊躇するようになります。いよいよ思春期になったと感じました。しかし、私が身構えていたような反抗期などは一斉やってきませんでした。

会話も充分にあった

中学生とシングルファザー、男同士の暮らしです。さすがに、改めて時間を設けて会話だけを楽しむといったことはありませんでした。しかし、日々の会話は十分に積み重ねていたと思います。

私自身、過去にサッカーをしていました。それもあり、息子のサッカーの送迎をする車内では、サッカーの話題でよく盛り上がりました。また、日常の些細な会話も当然のように繰り返していました。私は、自然な親子での会話を、当然のことと思わずに大切にしようと決めていました。他愛無い会話がとても貴重な時間でした。

高校選びは想定外

中学3年生になった息子は、進路を決めなければなりません。驚いたことに、息子は遠くの名門高校に行きたいと言ってきます。自宅からは到底通える距離ではなく、寮に入る必要があります。それは、15歳にして親元を離れる自立を意味していました。

私はと言うと『息子のことだから中学校卒業を機に親元を離れるだろう』と、なんとなく思っていたために、驚きはしませんでした。人によっては不思議に思われるかもしれませんが、早くに自立していく子どもの成長が楽しみだと感じていました。

数か月後、息子は遠くの名門校へ見事に合格し私の元を巣立っていったのです。

高校1年生になって『間もなくの決断』

15歳の4月、息子は新たな地で新生活がスタートしました。しかし、楽しいことばかりではなかったようです。

思春期の、理想と現実の狭間

思い描いていた理想と現実のギャップがあったのかもしれません。はたまた、想定したより大きな課題を目の当たりにしたのかもしれません。入学後、暫くして学校生活に思い悩んでいることを吐露するようになりました。次第に、言わずとも伝わってくるようにもなりました。

一学期の終わりごろから、自宅に連れて帰りました。気分転換をさせたかったからです。それから息子は、夏のあいだ自宅で過ごした後、何もなかったように二学期の始業式へと向かいました。夏休みに充分リフレッシュ出来たのではないかとも思いましたが、息子の抱える『学校を辞めたい気持ち』は揺らぐことはなかったようです。二学期が始まって間もなく、自宅に帰らせることとなります。

親として『もったいない』と思う気持ちがなかったかと言えば、嘘になるでしょう。しかし、親の意志で息子をコントロールしたくない気持ちもありました。この頃、その両方の気持が私の中でがせめぎ合っていたように思います。

感謝すべき、学校の対応

学校の尽力は感謝しかありません。私の気持も汲み取りつつ、先生方が全力で息子と向き合ってくれていました。

始めのうちは、息子が学校を辞めなくても済むようさまざまな方向から手を尽くしてくださったことを覚えています。ときには、私も同席する中で息子と面談の場を設けていただきました。その中で、先生が何度も『一緒に頑張ろう』と声を掛け、息子を励ます姿を目の当たりにしました。その様子を見て、先生が懸命さが伝わってきたのです。

それだけでなく、学校から私に何度も電話がありました。適宜、息子の様子を尋ねてくださっていました。また、印象的だったことがあります。息子の部活動の仲間に『仲間が苦しんでいるから』ということを適切に周知し、励まし・寄り添いが伝わる言葉掛けをしてほしいとアクションをとってくださいました。

2学期という多忙な時期に、仕事を増やしてしまい申し訳なさも募る一方で、先生方には心から感謝していました。

私から息子へのアクション

最終的に私は、自分の意見として『辞めない方が良いと思う』とだけ伝え、後は自分で決めるように促し、息子が自分で決断するのを待ちました。

自分で決めるとは、ときとしてすごく大変です。大きな決断になればなるほど自己決定は苦しむと私は理解しています。自分で決めていく作業は、意思決定の自由度が高くなる一方、決断の責任を全て自分で背負わなければなりません。結果が、自身の望むものでなかった場合も誰のせいにも出来ません。自己決定の経験を多く持たない年齢なだけに、苦しかったと思います。

悩み考えた末、息子は高校中退を決めました。

次の記事では、高校を中退した後の息子のことや私たち親子のことをお伝えします。さらに、当時の私の気持も綴っています。


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