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「日本酒詳しくないんです...」と言われることがすごく多い件

久しぶりのnote。デザインも大きく変わっていて新鮮。1年前に書いたブログを読んでみると、当時の、言葉にならない焦りが感じられて、さほど変わってないなぁと思うのと同時に、確実に変わったところもある。

ところで、日本酒が仕事になってから、知識と経験が増え、今年に入ってからは取引先の酒屋さんも増やし、外部とのゆるい繋がりにも手応えを感じ始めてきた。

日々の営業でお客さんが増えてくる中で、やはり難しいのは日本酒を普段から飲まない方に対する対応です。

「あまり日本酒詳しくないんです...」と仰るお客さんは本当に多い。

日本酒の醍醐味は、フックになるポイントが無数にあることだと思う。

香り・甘味・酸味・旨味・苦味・渋味・辛口(あえて辛口と書く)と言った具合に幅があって楽しいし、化学的な分析も深い。そして温度帯や歴史的文化、料理とのペアリング、地域性などなどあげたらキリがないくらい楽しめる要素がたくさんある。

そうして色んな要素がある中で、自分が反応したポイントが、その人にとっての日本酒の入口になると思う。酸味が好きだとなれば酸味を深掘りしてみるのもいいし、歴史が好きな人は、歴史を起点に飲んでいくのも良い。

言ってしまえば、酒はどこまで行っても嗜好品なので、飲んで美味しいと感じられれば十分だし、ましてや、生業としない一般の飲み手の方々に立派なテイスティングコメントなんて全く不要だと思う。

文学・映画・音楽・ファッションと同様に、酒もそれを口にして自分がどう感じたか、なにが良かったのか、自分にどんなポジティブな影響があったのかをなんとなく認識して、楽しんで、酔っ払う。ついでに悲しいことも忘れ去って、自己満足で終われば良いとお伝えしたい。他言なんて至極不要。

あ、でも、当然それらを語ることの楽しさも知っているし、実際に僕もよくする(笑)

ただ、語ることが目的になっちゃいけない。そうなると途端に楽しくなくなる気がする。

たかが酒、されど酒。

酒と接する時は、この言葉を意識している。

大好きで仕事にさせてもらってる以上、もちろん作り手の方々には最大限の敬意を持っているし、彼ら彼女らは本当にかっこいいと心底思う。こんなに美味いものを作ってくれて感謝しかない。

ただ、「たかが酒」という、ある種気の抜けたスタンスも同じくらい大事にしたい。田舎に住む親父や親戚のおっちゃんたちと、コップにジャブジャブ注いで飲む普通酒もめちゃくちゃ最高だ。

明日からも引き続き、知らないお酒をたくさん飲んでいきたいです。

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