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「安くして!」という友達はすでに友達ではない

たびたび話題に上がります
友達値切り問題について。

「友達価格にしてくれるでしょ」
「簡単なのでいいから(お金いらないよね)」
「この程度ならサービスでいいよね」

我々ネイルやエステなど施術系だけでなく
イラストレーターやカメラマンの人達も

こうしてたかられて 無理を言われて
モヤモヤする機会があると思う。

クリエイティブなお仕事は単価が幅広く
明確な相場がわかりづらいせいなのか。

専門分野の知識と技術を身につけ
これでご飯を食べているプロに対して
『友達価格』という意味の無い値引きを
求める人は、この時点ですでに友達ではない。


断れない理由もあるよね

「友達には少しでも儲かってほしい」
こう思わない人もいる事を知ったのは
独立してしばらくしてからだ。

「友達がネイリストだと助かるぅ!
どれくらい安くなる?最近は下の子の
塾代が大変でさ〜」と

さも当たり前であるかのように値引きを求められ
断りきれずにズルズルと1年ちかく
3〜4割引きの破格でネイルをやってしまっていた。

ありがとう!と喜ぶ顔を見たところで
みじめにしかならないし

正規の値段で来てくださっている
他の人に対して、誠意を欠く行為
だと思うと
なんだか情けなかった。

恩は返さないといけないのか?

ここで悩みどころなのが
デビュー前、度々練習モデルに
協力してくれた人の場合だ。

「あのとき練習に協力してくれたお陰で
今があるんだし…」という気持ちが
断りずらくさせていた。

今となればサービスを提供する側が
「これまでずいぶんお世話になったから」と
感謝の気持ちで値引きを申し出るならわかる。

でも受ける側から値引きを乞うのは
まったく違う話だ。

だいたい、練習をお願いするときは
都度ランチをごちそうしたり
ちょっとしたお菓子を渡したり
感謝はささやかでも形にして伝えているはず。
お礼は充分に完結しているのだ。

断言できる。

一度でも安くやると
永遠に安くやる羽目になる。

値切る人はいつまで経っても
値切り続けるのだ。

そもそも
「わたしたち友達なんだから、これくらいは
当然やってくれるわよねぇ?」

という思考回路の人とは早めに距離を
置いた方が身のためだ。
後々もっと面倒なことになったりする。

「ママ友の〇〇さんと〇〇さんにも
紹介しといたよ!(友達価格でね!)」

と、どんどん安い仕事を頼まれる
地獄のループにはまった人を実際に見ている。

その人は更に値切られ続けたあげくに
みるみるうちに技術が雑になり
ネイリストを辞めてしまった。

そりゃあ3,000円で付け替えと
10本フルでアートしてあげてたら
モチベーションなんて地の果てまで下がるし
もう適当でいいや…ってなっちゃうよね。

※ ネイルの付け替えとアート10本で 
3,000円という価格感を例えるならば
ちょっと贅沢な外食ランチが
300〜400円くらいの感覚。安すぎるでしょ。

じゃあどうやって断るの?

ずばり「正規の値段でしかやらない」と
はっきり言う。

かかるコストや作業時間
同業者の値段を例に出して
この価格を設定している根拠を説明した上で
「値引きはしない」と伝える。

でもね〜〜〜!! 


そもそも値引きを乞う人は

・簡単にできる仕事だと思っている
・コストがかかっていないと思っている

いずれかの考えを根強く持っているから
超絶面倒なのだ。

そもそも根底がズレてる人に
自身の仕事の価値を伝えようにも
かなり難しいと思う。

ここで理解して納得してもらう事に
時間や労力やストレスをかけるのならば

「来月はサロンお休みするの」
「今は予約ストップしてるんだ」

などと、のらりくらり逃げる方法も
手だと思う。

「なんで?なんで?」
としつこくされても

「ちょっと色々あってね…(伏し目)」
と、濁しておけばいい。

もしも人づてに嘘がバレたとしても
縁が切れてちょうどよかった!くらいに
思ってしまえばいいのではないか。

値切る人はずっとその図々しい価値観の中で
生きている。
正論を伝えたところで、きっと伝わらない。

でも立場やしがらみがあって
どうしてもサービスしないと…

という場合は、金額の割引をするのではなく
付加価値をつけてあげる。

1〜2指だけラインストーンを
ぷちっとつけてあげるとか
指先だけパラフィンパックをしてあげるとか
帰り際に200円くらいのハンドパックを
プレゼントするとか。

毎回してあげたとしても
自分の心も懐も痛まない
さらに時間も労力も使わない
「ほんのおまけ」
と呼んで丁度いい程度のこと。

「サービスした」という事実と
多少でも心理的満足感が残るんだから
これで充分。

さらに
「これはとっっっても人気のパックでね
メーカーからわざわざ取り寄せてるのよぉ!」

「このラインストーンはスワロフスキーだから
もう日本では販売していない貴重な物でね」

などと、いいもんダダにしてやってんだぞ的な
恩売りトークをキメるのもお忘れなく。

さいごに

いつかどなたかのTwitterで

「お客側なら気持ち色をつけて渡そうとするし
お店側は気持ち引いた額をもらおうとする
これが真の友達なんじゃないか」

このようなつぶやきを目にして

独立当時、お釣りはとっておいて!開店祝いだよ!
と多く置いていこうとした友達や知人の顔が
浮かんだ。

その時は、もっともっと上手になって
喜んでもらおう
彼女たちが困ったときは1番に協力しよう
心からそう思った。

大切な友達であれば
技術の安売りなんてさせるはずがないし
サービスを提供する側だって
まだ独立したてで自信が持てなかったとしても


一般のお客様と同じ価格を
請求できない程度の自信しかないのなら
友達相手には商売をしない方がいい。

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