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「 町角のかぐや姫」 第5詩 詩・益山弘太郎 / 写真・齋藤陽道 愛と眠りに着く 善良き人々よ 朝 目覚めてみる 自らを信ずる 素晴らしき日々よ 憎しみと目覚める 懲りなき人々よ 今日も執着してみる 迎える夕べも 煩悶するだけだ さあ出かけよう 町の中へ 竹藪にも似た町の中へ かぐや姫は きっとそこに居る 絶え無き月の世界から 喜びと悲しみを
「 回転木馬」 第4詩 詩・益山弘太郎 / 写真・齋藤陽道 名も無き町に生まれ 名も無き父に愛され 名も無き母に育まれ 人生は虚ろに漂い 若き日々は遥か遠く 今還暦を前にする 誇大妄想だった少年時代 世の中を舐めていた自分 我が身の悩みに閉じこもり 競争を避けて来た そんな奴が詩集を出版し 生まれて初めて決闘が姿を現す 吐息を吐いてみる こんな奴の自己顕示欲が 社会に通用する筈が無い