マガジンのカバー画像

キリスト教およびキリスト教徒

41
運営しているクリエイター

#キリシタン

古今東西の文明を包み込む京都「祇園祭」──禁教時代に「聖書物語」を飾った函谷鉾(「神社新報」2002年1月14日)

古今東西の文明を包み込む京都「祇園祭」──禁教時代に「聖書物語」を飾った函谷鉾(「神社新報」2002年1月14日)

 日本三大祭りのひとつ、京都・八坂神社の祇園祭について書こうと思います。

 昨年(平成13年)9月11日のアメリカでの同時多発テロ事件に端を発するアフガニスタン戦争はすでに最終局面を迎え、今度は他のイスラム諸国を標的とする第二段階に進みそうな気配です。「文明の衝突」という表現を否定する人は多いのですが、そうした側面は否定しても否定し切れないようにも思います。

 テロ事件の容疑者にはアフガン人は

もっとみる
信徒ら2600人が参列した長崎の「二十六聖人」追悼ミサ──なぜ「迫害」は起きたのか(平成19年2月6日火曜日)

信徒ら2600人が参列した長崎の「二十六聖人」追悼ミサ──なぜ「迫害」は起きたのか(平成19年2月6日火曜日)

 昨日、長崎の二十六聖人殉教地で追悼のミサが行われ、信徒ら2800人が参列したそうです。二十六人がこの地で「殉教」したのは410年前の2月5日でした。

 近世のキリシタン迫害はとても正視に耐えられるものではありません。宗教的に寛容なはずの日本でこのような宗教弾圧が起きたことは信じがたいほどです。だとすれば、なぜそのような「迫害」が起きたのか、たとえば二十六人はなぜ「殉教」することになったのか、そ

もっとみる
キリシタンを祀る!? 「長崎くんち」の諏訪神社(「産経新聞」平成11年11月2日夕刊から)

キリシタンを祀る!? 「長崎くんち」の諏訪神社(「産経新聞」平成11年11月2日夕刊から)

長崎の総鎮守(ちんじゅ)社・諏訪(すわ)神社では毎年10月上旬、「日本三大祭」のひとつとされる「長崎くんち」が行われ、全国から訪れる数十万人の拝観者・観光客の目を楽しませる。

祭りの見物(みもの)は奉納踊りで、77ある「踊り町」ごとに伝統の芸能が奉納される。日本風の獅子舞もあれば、中国情緒たっぷりの龍踊(じゃおど)りもある。爆竹も鳴る。オランダ服やオランダ語のかけ声もある--という具合に、街の歴

もっとみる
キリシタンの里のソーメン作り──禁教・鎖国とは何だったのか(神社新報、平成11年10月11日)

キリシタンの里のソーメン作り──禁教・鎖国とは何だったのか(神社新報、平成11年10月11日)

(画像はド・ロ神父記念館。長崎市HPから拝借しました)

カステラの取材で長崎に飛んだ翌日、諏訪神社の上杉千郷宮司、松本亘史禰宜の両氏と外海(そとめ)町黒崎(いまは長崎市)に足を伸ばした。隠れキリシタンの里として知られる外海は世帯数4000戸のうち、カトリックが540戸、昔(隠れ)キリシタンが400戸を数える。

そんな町でもっとも有名な郷土の偉人といえば、だれしもフランス人宣教師ド・ロ神父をあげ

もっとみる