マガジンのカバー画像

御代替わりの儀式──践祚、大嘗祭そして改元まで

49
平成の御代替わりでの議論は徹頭徹尾、政教分離がテーマでした。そして令和の御代替わりもまたしかりでした。天皇がなさる儀礼には宗教性があるということなのですが、それは如何なるものなの…
運営しているクリエイター

#立儲令

「昭和天皇の忠臣」が語る「昭和の終わり」の不備──永田忠興元掌典補に聞く(「文藝春秋」2012年2月号)

「昭和天皇の忠臣」が語る「昭和の終わり」の不備──永田忠興元掌典補に聞く(「文藝春秋」2012年2月号)

 昭和から平成への御代替(みよが)わりから20年あまりが過ぎた。今上陛下は78歳(当時)。推古天皇以後では、江戸期の霊元天皇と並ぶ、歴代第4位の御長寿となられた。歴代天皇は若くして退位されており、75歳を超えてなお皇位に就かれているのは、昭和天皇と今上天皇以外にはない。

 陛下はまだまだお元気だが、ご高齢なうえにガンを患われ、療養中だ。15年には前立腺ガンの手術をお受けになり、20年には不整脈を

もっとみる
「立皇嗣の礼」=国事行為を閣議決定。もっとも中心的な宮中三殿での儀礼は「国の行事」とはならず(令和2年3月24日)

「立皇嗣の礼」=国事行為を閣議決定。もっとも中心的な宮中三殿での儀礼は「国の行事」とはならず(令和2年3月24日)

政府は今日の閣議で、来月に予定される「立皇嗣の礼」のうち、「立皇嗣宣明の儀」と「朝見の儀」について、天皇の国事行為として行うことを決定しました。〈https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/202003/24_a.html

▽1 国民を前にして伝進される壺切御剣

先々月末、1月29日に開かれた宮内庁の大礼委員会では、以下のような関連行事が予定されていまし

もっとみる
「皇太子を望まれなかった」? 皇太弟は何をお悩みなのか、『帝室制度史』から読み解く(令和2年11月23日。新嘗の祭りの日に)

「皇太子を望まれなかった」? 皇太弟は何をお悩みなのか、『帝室制度史』から読み解く(令和2年11月23日。新嘗の祭りの日に)

新型コロナの影響で延期されていた「立皇嗣の礼」が今月8日、挙行された。次の皇位継承者が名実ともに確定される国家的慶事であるが、まさにその当日、あたかも冷水を浴びせるかのようなコメント記事が朝日新聞に掲載された。なんと皇太弟ご本人が「皇太子を望んでいない」というのだから穏やかではない。〈https://www.asahi.com/articles/ASNC853WTNB6UTIL032.html

もっとみる
明治の「立儲令」と来月の「立皇嗣の礼」は何が違うのか?(令和2年3月29日)

明治の「立儲令」と来月の「立皇嗣の礼」は何が違うのか?(令和2年3月29日)

(画像は立儲令)

4月に予定される「立皇嗣の礼」で中心となるのは19日の「立皇嗣宣明の儀」「朝見の儀」と21日の「宮中饗宴の儀」の3つです。いずれも「国の儀式」として皇居宮殿で挙行される予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大で「宣明の儀」は参列者の規模を縮小することとなり、「饗宴の儀」は「取り止め」となりました。〈https://www.kantei.go.jp/jp/singi/gishi

もっとみる