詩 ・ エモール・ラスキンの裸馬


エモール・ラスキンは
裸馬にしがみついた
馬丁 馬丁
と叫んだ
勉強したまえ
もっと勉強したまえ
暴れる裸馬に
ふりおとされそうになりながら
エモール・ラスキンは
身をよじって
こういった
夢などないと
はしのたもとでいった
ことばなどないと
エモール・ラスキンは
ふりまわされながらいった
あるなどないと
いってみたら
いうなどないと
わかってしまう
ふりかえって そう
いってみたら
ふりかえるなどなかった
のこされていたのは
かがやく湯気をたてる
裸馬だけだった



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