詩 ・ 未来への気配
ときおり春の風がふいて
みじんになった世界が
ほほにあたる
都市のなかに惑星があると
信じる気もちがわいてきたら
未来の気配がしてきました
暴風雨のなかに
とんでいく猫
しめっぽかった
野生の話
ふあふあしたものが
今日だけは
ぬれぞうきんのように手にふれたら
チップをおく番号を
こころの地図で数えて
倒錯したお酒を
すこしのんで
かっけのけんさみたいに
ぴょんとはねるこころ
すがたの定まらない
粘土ざいくを見て
たましいのかたちだといわれたね
徒労ということばに
ミンクオイルを塗って
かわいた布でふきとったら
さあ
未来の気配が
してきますよ
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