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お菓子の家へ還る

父と母と3人で暮らしていた頃、楽しい思い出もあったはずなのにその生活も私が4歳の頃に終わりを迎えてしまった為あまり記憶が無い。


ただひとつ鮮明に覚えているのは一緒にお菓子の家を作ったこと。
両親は12月になるとクリスマスツリーを飾ってくれた。小さなアパートのリビングに飾るにしては大きなツリーだった気がする。もしかすると当時の私がまだ幼かったから大きく感じていただけかもしれない。とにかく私は大きなツリーが家にあることが誇らしかったし、ツリーの一番上に星を飾る役目を私に託してくれる両親は確かに私のことを愛していたと思う。

大きなツリーを飾ったそのリビングで、私たちはお菓子の家を作った。出来るだけ自分でやる!と意気込んだのにうまく作れない私を両親がサポートしてくれる形で出来上がっていった気がする。
普段は決して仲が良いとは言えない両親だったけれどその2人が協力している姿を見てなんだか嬉しかった。

あれから20年以上も経つのに毎年クリスマスが近付くと3人で作ったお菓子の家を思い出す。お父さんとお母さんと私だけのお菓子の家。
今年のクリスマスで私はまたひとつ歳を重ねます。

斉藤 レジェンド(@Saito_legend

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