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真夜中のパン屋【川越 岩田屋】


どもこんにちは! ゴケゴーちゃんです

早速ですが今回は、真夜中しか営業しない幻のパン屋について思い出話をしてみたいなと思います

川越市役所のそばに深夜営業しかしない「岩田屋」というパン屋がかつてありました

深夜営業のみにも関わらず行列のできる人気店でしたので記憶にある方も多いと思うのですが、閉店してもう20年くらい経ちますよね? もし移転してまだやってるよとかだったら教えて下さいね

幻のパン屋と言いましたが、確か夜9時の開店で、定休日は日曜日。勤勉に営業されていたと記憶しています。少なくとも私が伺ってお休みだったことはありません

そもそもなぜ夜しか営業しないのか、実は聞いてみたことがあります

あのー、何で夜しかやってないんですか?

ちっ、ちっ、ちっ(悪意のない舌打ちをする音)

あさ~こねて~~~(朝、こねて)

ひる~~焼いてると~~~(昼、焼いていると)

夜になる

全く納得です。朝下ごしらえして、昼焼いていたら夜になるのは当たり前です。昼間営業しているパン屋の方がおかしいとさえ思えてきましたw

さらに店主さんは何も聞いていないのに話を続けます

うちのパンには添加物が入っていない、添加物が入っていない、添加物が入っていないから…

一時半までに食べて

え!?(こんなカロリー爆弾を!?)あ、明日の朝にしようと思ってるんですけど…

添加物が入ってないから、明日の朝じゃ硬くなっちゃうんだよ…。電子レンジで温めれば、少しはやわらかくなるけれど…添加物が入ってないからなぁ…

明らかにおじいちゃんは不服そうです。とはいっても端から端までバターをたーっぷり塗られたコッペパンを夜食として食べる訳にはいきません

1キロ太るのは100円だけど1キロ痩せるには一万円かかる。ペギー葉山さんのお言葉ですが、まさにそれを地で行く岩田屋のコッペパンです

ちなみにこれくらいの行列で、だいたい30分待ちくらいでしょうか

店主さんは体をゆらしながら、それは丁寧にバターを塗っていくのでとにかく時間がかかります。コッペパン一本に付きバターナイフ10往復くらいしてましたよねw

それなのに「あんバタ15個」とか言うおっさんがいつも私の前に並んでいる。割り込みババアも出現する

今日寝るの何時になるんだろ…

睡眠時間の心配をするくらい、バターナイフはゆっくりでしたねw

岩田屋といえば定番はコッペパンですが、他にもうちょっと軽いメニューはないものか伺ってみました

ちっ、ちっ…

あんバタと~

ジャムバタと~

ピーばたと~

ばたぴ~

時計の針は一日のラスト半周へ

この時間になるとコッペパンはたいがい売り切れ。バター、というかマーガリンなんですけどね、バターは食パンに塗られ始めます

この食パンがまたやっかいな代物でした

コッペパンは往路と復路、2アクションでバターを塗ることが出来ましたが、食パンには四隅があります

さらに時間がかかる

それなのに「15個」とか言い放つおっさんが前に居る

明日仕事休もうかな…

そんな思いが一瞬脳裏を横切るくらいの、食パンとバターの組み合わせでしたね

そんな食パンも残りわずか

あの、食パン売り切れちゃいそうですけど食パンが売り切れたら私たちどうなっちゃうんでしょうか…

ちっ、ちっ…

バターロールと蒸しパンにも塗るけど…

蒸しパンは…

甘すぎてダメだね

自分で考案して作っているはずなのに、店主さんが何を言っているのか良く分かりませんw

岩田屋が閉店して、ずっと後のことです

川越に夜中しかやってないパン屋があってさ。変わったおじいちゃんがいてさ

誰かに昔話をしていたとき、はっと気が付いたんですね

ネタだ

あれ全部、おじいちゃんの持ちネタだ

朝こねて昼焼いてると夜になるも、ピーばたとばたピーも全部ネタ

スマホも無い時代、おじいちゃんは長い待ち時間を退屈させないためにおかしなことばかり言ってたんだ

楽しかったんですよね。夜中にワイワイ並んでおじいちゃんボケてんのかなって笑うの(失礼)

改めて、ありがとうございました。とても楽しかった青春時代のワンシーンを岩田屋で過ごさせていただきました

最後に

おじいちゃんはよく「レンチンすれば柔らかくなる」と言っておりましたがあれは無いですよね?

というのも、マーガリン塗りすぎなんですよ

レンチンなんてしたらマーガリンが全部溶け出して朝からべっちゃべっちゃですよ

きっとみなさんも一度はやってますよね、べちゃべちゃw

以下旧ブログにいただいたコメントです。貴重なお話がたくさんありますのでぜひご覧くださいませ

2021年3月1日 7:02 PM
あはは。岩田屋のパンは昔は昼間も営業してましたよ。
店主の方のお母さんも一緒にやっていたんですが、お母さんが亡くなってから時間がズレていったら夜になっただけだと思います。
ちなみに、あんバターですが本当はあんマーガリンですよね。

2021年3月10日 6:29 PM
なつかしいですね~自分は味も素朴で美味しかったですね。
アンコ苦手なので食べたのはジャムバタとピーバタでしたが
ああ、また夜に並んで、買って、食べたいなぁ(遠い目)

2021年3月11日 6:36 PM
偶然ここにたどり着きました~
あのおじさんは、昔市役所の人と大喧嘩して、市役所の人が帰った後にオープンするって聞きました(笑)。

返信
川越市民 より:
2021年7月19日 9:18 AM
私が子供の頃は昼間も営業してましたね。
図書館が近いし、お小遣いで気軽に買えるパン屋さんだったので、子供だけでよく寄ってました。
注文してから作ってくれるので、大好きなあんことバターがコッペパンに塗られていくのを見ながら、こんな美味しいものを作れるなんてすごいなあ、っていつも思ってました。楽しい思い出です。

2022年2月8日 10:30 PM
たまたまあんバタを検索してて、もうご存知だったら申し訳ないんですが、書き込みます。残念ながら岩田屋さん、閉店しました。移転ではありません。
川越の宮元町にもあった本店も10年以上前に閉店したと聞いてます。
あのご店主のリズム感あるあんバタを塗っている姿が今でも思い出されます。懐かしい。あんバターを食べたのは40~30年くらい前で、親の世代からだったと記憶しています。半世紀前かそれ以上前。
ぶっちゃけ、あんバターを語る上で岩田屋さんを知らないのはモグリだと思います。
名古屋や都内にあるあんバターもそれなりに美味しいのは知ってますが、やっぱり川越は外せませんね。ほんとに美味しいお店は紹介したくないのが本音。

2022年4月20日 4:51 PM
岩田屋懐かしいですね。子供の頃反対側に有る歯医者に岸町から治療に行ってました。かえりにバタークリームにチェリーに似せたゼリーののったパンを買ってもらってました。時は流れて、高校生時代ガソリンスタンドのアルバイト帰りに、ふと気になりバイクで通ると行列があり、並んで見ると皆さんアンバタ、バタピー、ジャムバタを注文してる自分の番にはコッペパンは売り切れて食パンや蒸しパン、ナイフを入れられるパンにはなんでも塗り挟んでくれました。明るい時間帯もやってましたが路駐と行列問題で夜になったとも聞いた事があります。パンは確かに翌日には硬くなりましたが、そんな硬さも好きでしたね。当時の読売新聞にも取り上げられ、行列に拍車がかかりしばらく行かなくなりましたが、夜中でもやってた時は家に買ってかえった事がありますね。バターとは言ってましたが缶のラベルで解っていたでしょうがマーガリンでしたね。良い思い出です。

2022年7月17日 5:42 AM
ふと思い出して、検索してこちらに辿りつきました。
26.7年前、川越で一人暮らしをしていて、実家に帰った時に車で夜買いに行ってました。友達の間では踊るパン屋と呼んでました。
お爺さんが踊るようにバターとかを塗り、わざわざいちいち缶の蓋を閉めて…
時間はかかるけど、待っていても飽きず、餡、バターをたっぷり塗ったコッペパン、美味しかったな。幻のパン屋ですね。

2023年9月11日 6:25 AM
久々に食べたくなって検索してみたら懐かしい岩田屋の記事を発見しました。おじさんは、巨人ファンだったようで野球放送を流していました。時々の会話が面白かったのをおぼえています

2023年10月4日 1:26 PM
懐かし〜!!
なんだか知らずに並んでるから並んで買ってみた事があります。
午後か夕方だったと思う。
そうなの!缶のフタをいちいち閉めて、その上で丁寧に紙に包んでいくんですよねー!
効率的じゃないなーと思ったけど、なんか茶道とかのお作法のようだとおもった記憶が。あの雰囲気が良かったですよねー

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