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基幹青年 ②


基幹青年の研修期間について

どんなことを学ぶのか?座学と実習の割合は?など質問をいただきましたのでここに載せておきたいと思います。まずはどれぐらいのボリュームか。
研修期間は1年目が22日間で176時間。2年目は23日間で186時間となっていました。トータル45日で362時間。だいたい、年に7,8回集まって泊まり込みで研修する感じです。各回の講義で座学と実習・見学が半々の割合です。

研修期間の日程と注意事項と綱領

研修内容について

学ぶ内容は多岐にわたります。生産、経営、教養、流通、一般と項目別に大別され、例えば生産の科目には栽培や病害虫、生理生態や剪定理論などがあります。興味深い講義のひとつに、りんご園にいるハタネズミの生態がありました。4月にもっとも食害が多く、妊娠期間は21日。栄養状態が良ければ出産直後に再度妊娠可。などなど、専門的な研究結果を学ぶ機会をもらえます。りんごの生産に関する科目にもっとも多くの内容と時間があてられていました。

研修項目や日課表など
配布されたプリントの一部
2年間で配布されたプリントの量

実習と見学について

実際に自分たちで手を動かして体験するのは、ほぼ剪定実習なんですが、りんご研究所で行ったマメコバチ講義の際はアシガヤを取り出し、筒を割って中から取り出し繭を洗ってダニやほこりなどを洗い流すというのをしました。別の講義では実すぐり実習もやりました。
園地見学も高密植や中間台、マルバ園や斜立仕立てなど様々な畑に連れて行ってもらいました。初年度第1講で伺ったつがる市柏の100年を超えるりんごの古木には圧倒されました。紅絞りと祝という品種です。
そのほか、県外研修は熊本、福岡、山口県。県内では黒石、八戸に宿泊の講義もありました。

まとめ


33期の研修生の平均年齢が31歳でした。一番多い世代がこの31歳前後です。あらかじめそのことも頭にいれておくと良いでしょう。

そして、合宿中は待ち時間が多いので空いた隙間時間に何かできることをもっていくといいでしょう。僕は本を持っていきました。待ち時間は読書してました。皆さん、トランプやゲームなど様ざまでした。ピアノもありましたよ。

基幹青年に関して応募してみたいが、女性で小さい子供がおり、泊りでの研修が無理だという方もおりました。そのような方は協会がもよおしているりんご学校に通うと良いでしょう。午前の部、午後の部にわかれていて興味のある内容だけに申込むことができます。その都度支払いは発生しますが、基幹青年での講義内容と類似しているため通年で通えば同等の知識が得られます。りんご協会発行のりんごニュースにて案内が出ているのでそれを見て申し込みます。


さいごに

基幹青年の目的とは、青森県りんご産業発展のため、りんご関係市町村から選抜されたりんご農家の後継者に、生産技術や一般教養に関する基礎教育を行い、学習と実践を通じて地域組織活動に中核的役割を果たすりんご青年を養成する。となっています。

実際、その業界で成長をめざすのであれば先駆者に会いに行くのが近道です。僕が九州で働いていたころ、農大畜産学科卒の同僚がいました。彼に誘われて鹿屋のダチョウ牧場に行きました。アポも自分で取り、山の奥にある牧場へ見学に行った思い出があります。
その経験から、気になる生産者がいれば自分で連絡しアポを取り会いに行くことを身につけました。
基幹青年はアポ取りの手間を省き、見るべき内容をギュッと詰め込んでくれています。これがどれほどありがたいことか。

そして、もう一つ基幹青年に行く前に読んでおいてよかったのがりんご剪定葉隠れ論語です。たぶん県内の図書館にはどこでもあると思います。りんご協会を設立した渋川傅次郎やりんご栽培での重要人物たちが多く登場します。夜間学習会ではこれらの重要人物についてのお話が聞けるので、あらかじめ知識をいれておくと「昔のおじいちゃんたちについてのお話」だけで済ますことなく前のめりで話が聞けるし、内容も入ってきます。
研修で本もいただくので買う必要はないと思います。

以上です。みなさんの参考になれば幸いです。

修了式の前夜の宴。前夜に限らず毎回こんな感じだったが。

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