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感覚マニア

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目には見えない感覚の世界に潜り込む。そんな記事をまとめています。
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2022年5月の記事一覧

ほしい感覚を身体に味あわせてあげる。

小さい頃、二階の部屋の窓から海辺を飛ぶトンビを眺めるのが好きでした。 大きな翼を広げて、上昇気流に乗ってゆったりと螺旋を描きながら さっき水面近くにいたと思ったらもうあんなにも高くで気流に揺られている。 ピーーーーーヒョロロロロ・・・♪ 気持ちいいだろうなぁ。トンビになりたいなぁ。 ・・・ん? わたしは本当にトンビになりたいのか? いやいや、夜は温かいお布団で眠りたいし、蛇とかネズミじゃなくて 美味しいご飯を食べたいし、やっぱり人間がいい。うん。 上京して、湘南エリ

からだの「表面」で感じるか、 「中」で感じるか。

「腹がたつ」 「頭にくる」 「むかつく」 これらはどれも怒りの表現のひとつ。 ではそれぞれ、からだのどこでどんな風に怒ってると感じますか? 先日たまたま出会った本「からだことば」が興味深くて。 日本は身体文化と言われ、身体の部位が言葉の表現としてよく用いられているということは周知のことだと思います。 「手当て」「目頭が熱くなる」「腹をすえる」「耳が痛い」「胸をなでおろす」などなどあげればキリがないけれど これらの言葉が用いられるようになった経緯は、なんとなくのイメージ

情報を減らすこと。 安心して「かんじる」にゆだねる。

島に暮らして思うこと。 圧倒的に、情報量が少ない。 それは最新情報に疎くなるとかそういうことではなくて 光や、音や、文字などのいわゆる情報や刺激はもちろん、人の念や雑多なエネルギーも含めて、必要以上の情報が入ってこないということ。 地元でもある同じ市内の四国陸地部にちょこちょこ買い物がてら行くのだけど そこだって東京に比べたら十分情報は少なくて田舎なのですよ。 それでも街から大三島に着いた途端 街灯もほとんどない、まるで妖怪でも出てきそうな真っ暗闇を走っていても 「

なにもなくて・・・全部ある。

東京から大三島に移住して一年がたちました。 大好きなお友達に見送られて「行ってらっしゃい!」「行ってきます!」と町田駅のホームへ降りていったあの日から一年。 いまのお家に着いた途端に鳥の囀り環境音CDか!というほどのクリアなウグイスの鳴き声で目覚めるようになってから一年。 もう季節をひとまわりしたのかと思うと ものすごく早かったような気もするし、それでいて1ページ1ページはとても充実した、濃密な一年間でした。 すっかり慣れたこともまだ慣れないことも相変わらずあるけれど