休日、二人でフライト。
久しぶりにダンナと休みが一緒だった週末。
少し前に、「週末はデートしよう!」とダンナが言っていた。
どこに行くのかと思ったら、
「お、いい気圧配置だ。飛びに行こう!」
結局パラグライダーか…。
まぁ、いいんだけど。
ダンナも私もパラグライダークロスカントリー免許を持つパイロットである。
夫婦で珍しい趣味なので、よく人から「出会いはパラグライダーですか?」と聞かれるが、そうではない。
ダンナは私の友達の兄である。
基本休みが合わないので、一緒に出かけることは年数回だけ。
フライト日和に休みが合うことがほとんどない。
私が朝食の片付けをしている間に、ダンナは車に二人分の機材をいそいそと詰め込んでいた。
冬のフライトエリアまでは車で1時間ちょっとかかる。
この間ドライブデートと言えるが、私は助手席に乗るといつもすぐに眠ってしまう。この日もエリアに着くまで寝ていた。
エリアに着くと、もう十数人集まっていた。スクールの校長に挨拶すると、
「今日はスクール生のWさんが高高度初飛びだから、サポートをお願い。」
と言われた。
スクール生は入校するとまずはじめに機体の立ち上げ方を徹底的に教わる。コレが出来ないと飛び立つこと(テイクオフ)ができない。
平地や小高い丘の上でグライダーの操作方法を学ぶ。同時に、気象についても学ぶ。
上手に立ち上げができるようになると、いよいよ高いところから飛び始める。
私にも「初飛び」の日があったはずだが、全然覚えていない。
本日の天気は、朝は北西風で穏やかだが、昼から北風が強まる見通し。午前中が勝負だ。
Wさんの初飛びは早い時間のほうがいい。
「夜さん、ダミーお願い。」と、パイロット仲間から声がかかった。
ダミーフライトとは、この日初めて飛ぶこと。
つまり、飛びのお手本となるフライトのことである。
このダミーフライトを見て、後続のパイロットたちはフライトしても大丈夫かどうか判断する。とは言っても、気象は刻々と変わるので、最終判断は個々のフライヤーがしなければならない。
ダミーフライヤーは当然お手本がないから、フライトの判断は本人に委ねられる。
初飛びのWさんは60歳近い男性。パイロットの中で一番軽い私が安全に飛べれば、Wさんも比較的安全だろうということだ。
そんな理由で、私がダミーをさせられることは多い。
風向きは問題ないが、飛び立つには少し風が弱い。周囲を確認すると、木の枝や草も揺れていない。上空も穏やかそうだ。
ダンナが私のテイクオフを録画してくれたので、コマ撮りのように載せてみます(YouTubeアカウントないので…)。
私はクロス(身体がグライダーと向かい合う方法で立ち上げる)という方法でテイクオフした。
スクール生にはクロスは難しいので、最初はフロント(グライダーに背中を向けて、まっすぐ走り出すという方法)でテイクオフする。
風がもう少し強ければ、クルッと振り返ったところで足が浮く。
今回は風が弱いので走り込んだ。
飛び立った私は上昇気流を探すが、朝早かったこともあり、何もない。
5分ほどでランディングした。
その後すぐにWさんが飛んだ。
キレイにテイクオフして、着地地点の少し手前で安全にランディングした。
Wさん、初飛び成功、おめでとうございます♪
ひと足先にランディングした私、グライダーをパッキングして2本目を飛ぼうと山に登った。しかし、気象予報通り、私が出られないほどの強風になっていた。
皆無事に降りたところで、校長がエリアクローズ(今日はおしまい)を告げた。
安全に1本飛べたから、満足だ。帰宅したら、弦六のチェロ練習をしよう。
ダンナも私の後に1本飛んでいた。
また1時間かけて家に帰った。
帰りの車内でも私は寝ていた。
それでもダンナは「一緒に飛べてよかった」と喜んでいたので、デートとしてはどうだったのか疑問だが、これで良し、なのだろう。
次に一緒に行けるのは、いつになることやら。