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チェロレッスン10月①:オケ練習、禁止!
ダブルレインボー、久しぶりに見た。
何だか良い兆し♪
移動中に撮影。
★
発表会前の最後のレッスン。
先生となかなか日にちが合わず、イレギュラーな日にレッスンを入れてもらった。
「久しぶりの休みに、レッスン入れて悪いね。」
と先生。
「いえ、こちらこそセンセ地方公演で忙しいのに、ありがとうございます。」
と私。
「上野さんのドボコン、派手でしたねー。」
上野通明さんがドヴォルザークチェロ協奏曲のソリストを務めたコンサートを聴きに行った。
先生はオケに乗っていた。
「センセがソリストするのと、全然違いますね。センセのは華やかでした。」
「そう?ドボコン、結構激しいからね。
佐藤晴真くんは、端正な演奏をしていたよ。」
ふーん。
ソリストによって雰囲気が変わるのね。
「センセ、オケだとソリストするより楽そうですね。」
休符中、同プルトのYさんと言葉を交わしていた。
先生苦笑する。
「そりゃそうだよ。ドボコンはチェロコンチェルトの中で一番難しいと僕は思うよ。」
「エルガーやサン=サーンスのコンチェルトよりも?」
「そう。曲のスケールも大きいしね。」
ふーん。
★
レッスン始めにG-durスケールを弾くと、先生
「楽器がずいぶん乾いているね。ダンピット(楽器用加湿用品)入れておきなさい。」
確かに、乾いた高い音がする。
「わかりました。」
その後、先生の伴奏で発表会で弾くアダージョを通す。
「前奏と終結はいい。やっぱり、展開部だなぁ。」
先生、私の問題箇所を指摘する。
「展開部の初めのシソファミの“シ”はもっと決然と力強く入ってほしい。それじゃあ、ピアノに負けてしまうよ。」
ということで、弓使いをおさらい。
アーティキュレーションは弓がつくるのだ。
シを響かせて弾くのがポイントとのこと。
それから、後半の早くて指遣いが大変な部分。
「三連符、どうしても遅れるなぁ。何でだ?
もう一回そこだけ弾いて。」
弾くと、先生「わかった。」と言う。
「最後の8分音符、延ばしすぎなんだ。
もっと短くして、すぐに次の三連符に入ること。」
癖がついてしまったのか、何度やっても上手くいかず、次回のピアノ合わせまでの宿題になった。
★
次回、いよいよW先生とのピアノ合わせ。
W先生は、昨年のジルベスターコンサートでベートーヴェンの皇帝のソリストを務めていた。
そんな方に伴奏をしていただけるなんて、光栄だ。
「センセ、あの、H-dur(ロ長調)なんですけれど。どうにもスケールを上手く弾けないんです。
高い方のラ♯シド♯は、1番線で取った方がいいですか?それとも、2番線がいいですか?」
先生、首を傾げる。
「そんなの、好きな方で取ったらいいだろう…何でH-durなんだ?」
アダージョはG-durだ。
「“皇帝”はEs-durですけれど、2楽章だけH-durなんです。」
「そうだったっけ…って、お前、この後に及んでオケの曲練習してるのか?!」
私が所属するアマオケの次回の定期演奏会曲目の一つは、皇帝だ。
「発表会は1週間後なんだよ、何考えてるんだ!?」
あ…マズイ。地雷を踏んだようだ。
「だって、オケの練習会もここのところ休んでるし…。」
先生、私の言い訳を遮る。
「あのなー。発表会と言えど、お客さんに聴かせるんだよ。しかもソロで!お前が弾かなくて、誰が弾くんだ?!
オケはお前がいなくとも、誰かが弾くッ。
発表会が終わるまで、オケ練習禁止!!」
ひーッ!
「じゃあ、発表会で自分の出番終わったら、すぐにオケ練習会へ行っていいですか?発表会と練習日、重なってるんです。」
「…お前の出番は15時過ぎだ。オケ練は諦めろ。」
先生、冷たく言い放つ。
…わかりました(泣)。
私が肩を落としていると、先生が鼻で笑った。
「おそらく誰も知らないチェロの曲を弾くんだからさ、上手く弾きこなして“チェロにはこんなカッコいい曲があるんだよ”と、お客さんにアピールしなさい。」
私、うなずく。
「はい。Wさんと上手く合わせられるようにしてきます。」
★
「センセ、それでね。定演で皇帝はやるとして、もう1曲決めるところなんです。
コンマスが候補として挙げてきたのが、ブラームス交響曲第3番、ベートーヴェンの交響曲第3番と7番で。
意見くれって言うから、パート譜見ました。どれもとても難しいです。
それで『折角エキストラで金管木管呼ぶんだから、金管木管でパアンッて派手に弾いてもらって、弦は少し楽できるロマン派の曲にしたら?って言ったんです。」
皇帝は私たちには難しい。これ以上難しい曲が入ると、弾きこなせない可能性がある。
「そうしたらコンマス『そうやって誤魔化して易しい曲ばかりやってたら、どんどん下手になる』って言うんです。
難しいの2曲もやるって、背伸びしすぎです。
せめて1曲は私たちが自信を持って弾きこなせるものを演奏した方がいいです。
だって、アマオケですよ。プロじゃないです。全員で楽しめてなんぼじゃないですか。
特に私たち現役仕事組は練習時間取れないですから、厳しいです。
って言ったら、コンマスに『考えが甘いッ!』って言われて喧嘩になりました。
私言ってること、おかしいですか?」
先生「ええ?!3番に7番?!」と驚く。
「特にエロイカ(3番)なんて、とてもとても!
コンマスは前回のブラームスでコケたの、懲りてないの?!指揮のHさんだって、君たちが弾きこなせない曲預けられたら迷惑だよ。
夜、コンマスととことん戦えッ。僕も加勢する。」
先生…!(泣)
…って、何だか変な団結をする私たち…。
先生は、単に、私がオケ曲で難儀することによって、先生からの課題が疎かになることを懸念しているのだと思う。
前回だって散々迷惑かけたもんなぁ。
…やっぱり、次回の定演は降りるか?