「才能はみだしっ子の育て方」Part2読書会より 前編 共感する部分について、話してみた
「才能はみだしっ子の育て方」初の読書会は、Part2「才能はみだしっ子の気持ちを理解する」を読んでの感想や、実際に子育てする中で、共感した部分や、さらに発展させた部分を話し合う場にしたいと企画しました。「10年後のはみだしっ子のために今できること」がテーマでした。
参加者は10名。そのうち、約半数の方が本書を既読、半数が未読の方々でした。また、既読の方には、才能はみだしっ子を育てている方も多くいらして、「才能はみだしっ子を育てるとはどういうことなのか」についての対話の場となりました。
※文中、「ギフテッド」と「ギフティッド」が混在していますが、現在、日本での表記の統一はありません。このnoteでは、基本的に「ギフテッド」と表記しますが、ご発言者によって、「ギフティッド」としています。
「食べない」よりも「寝ない」のは、親の方が休まらない…
Aさん
「健康管理」の部分を読んで、少し気は楽になりました。
うちは子どもが3人とも全員ショートスリーパーなので、ピーク時、私は1~3時の間しか寝られず、トータルで1日2時間睡眠が1年半続いたんです。今は全員の「生態」が見えてきて、この子はこの時間にこのくらい眠るとわかり、4~5時間は寝られるようになりました。
また、好きなことに集中したときなどに、どう声をかけて健康管理させたらいいのか、と思っていました。生活リズムについて「普通の生活」を重視しないといけないかと。でも、そうでもないのかな、と思えて楽になったかもしれません。
96ページ 学校から家に帰ると眠くて仕方ないのは、
怠けているからじゃない
酒井
子どもの健康管理は大事だけれど、そのまえに親が倒れてしまわないようにしたいところですね。健康管理はその子に合ったルールを、一般論の「四角い箱」に入れようとしないで、家庭ごとに考えられたらいいのでしょうね。
Bさん
私自身が、集中し始めると、何時間も入り込んでしまう特徴があり、この「もう終わり」と言われることについて、自分自身の体験として思うことがありました。
86ページ どうして「もう終わり」って言うの?
やりたいことを途中で辞めさせないで!
それは、母が書いていた育児日記を20代のころに読んだときの日記に書かれています。
私が2歳10カ月のころのこと。私はよく、ポツンとひとりでいることが多くあったそうなのです。それは自分では、同じくらいの年の子どもたちの遊び方となじめなくて、本を読んだり空想したりが楽しかったから。でも母は、まったく違う見方をしていたそうです。「幼い頃に、ああしなさい、これはだめなど指示を出し過ぎていると無気力な子どもになり、やがて思春期に爆発して手に負えなくなる」といった新聞記事を読み、「娘もそうなんだ、私があれこれ言うから、ひとりでぼんやり寝転んでしまうんだ」と思い込んでしまったようなのです。
でも、私はただ、単にひとりで自分の世界に没頭していただけでした。また、子ども同士より大人と一緒にいるほうが好きだったのは、子どもはすぐルールをやぶって安心できないし、いじわるもするから。一方で大人はルールを守ると褒めてくれたし、矛盾したことも言わない、いじめたりもしない。一緒にいて楽だから、というのが子どものころの私の考えでした。
母からは、そんな様子をあらぬ方向へ勘違いして心配されていたんだなということを、この本を読んだら思い出しました。
酒井
親の気持ちと子どもの「やりたい」の気持ちがすれ違ってしまう、というギャップが起きているという例なのでしょう。そんなBさんご自身が、子育てするときに気を付けていることは?
Bさん
子どもが何かに没頭しているときは、極力ほっておくという指針です。1日にたくさんのイベントを入れ過ぎちゃうと、こっちが『次の予定が…』と焦りがちなので、今日は科学博物館にいる、と決めたら、ずっと同じ場所にいることにします。子どもの好奇心につき合えるだけ付き合って、自分も楽しむようにしています。気が済むまでやってほしい、という願望が、私にもあるんでしょうね」
酒井
親から子へ、子からまたその子どもへと子育てはついつい同じやり方を繰り返してしまいがちなことがあるけれど、そこを繰り返さないようにしているところが素晴らしいと思います。
「あなたはギフテッドです」と言われても、名称だけでは理解にはつながっていない
108ページ みんなと違っても、オタクとか変人とか言って
仲間はずれにしないで
Cさん
私自身が1990年代に中学生当時、学校で先生から「おめでとう。ギフティッドです」と言われましたが、当事者である私、クラスメイトともに困惑してしまったことは、今でも覚えています。本人の自己理解、周囲の理解について、配慮が必要なのだと思います。
酒井
自己理解と周囲の理解のギャップがあると苦しいですよね。
実は、ギフテッド傾向のあるお子さん自身がこの本を読んで、「自分のことが書いてある」とおっしゃったというエピソードを、よく聞きます。ギフテッドということ自体を、正しくとらえられると、周りもご自分も楽なのではと思うし、そのためにはまず「ギフテッド」というキーワードにたどり着いてほしいと、感じています。
Cさん
成人して、海外の方々と交流するようになり、キリスト教圏でいう「giftedギフティッド」は、将来のプロフェッショナル(神から託された者)とともに、神学、医学、法学、教育学、建築学、コンサルティングと各分野の大学教授法を担う人材として、特別な教育(ギフティッド教育)を受ける資格を得られるのだとされています。日本国籍の除籍、キリスト教への信仰を受け入れられるならば、海外政府の判定や認定を受けられると思います。
酒井
国によって解釈は異なるのですよね。ギフテッド教育というのは、子どもだけが対象とされることもあるし。その国の文化と習慣と教育の仕組みとの中で、ギフテッド教育にも多様性があるのだと、調べてみてよく分かりました。
☆ ☆ ☆
途中、皆さんに「ギフテッドという言葉自体、この本を読む前からご存知でしたか?」と聞いたところ、手が上がったのは約半数。この読書会に参加しているという時点で、「ギフテッド」に興味がある方々のはずですが、それでも半数でした。
お子さんに、ギフテッドの特徴があることで、どう育てたらいいのかと悩むご家族は、まずは「ギフテッド」というキーワードにたどり着いてくれたら、「自分だけじゃない」と思えるのかもしれません。
読書会はまだまだ続きます! 続きは後編へ、どうぞ。
(運営/関川 香織)
後編はコチラ→「才能はみだしっ子の育て方」Part2読書会より 後編 はみだす才能を楽しむ、伸ばす
https://note.com/sainou_gifted/n/n315af8767af1
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